不殺の証明 その1
24話
「これより選抜試験を開始する。ルールは二点のみ、即死攻撃の禁止と、固有結界の展開の禁止。それ以外ならば、ルール無用、この領域内で起こった負傷はすぐに完治する。不殺の証明、その楔を打ち立てろ」
入学試験の内容は3つ。
一つは即死以外で死ぬことのないこの聖女の領域内での殺し合い。二つ目は単純な学力試験。3つ目は特技披露、特にこの殺し合いで展開を禁止されている領域や法陣などの、前二つの試験では十全に披露できなかった特別な何かの証明。その合計点で合否を分けれれる。
そして、今行われているのは不殺の証明と呼ばれる第一次試験。13のグループに分けられて、殺し合いを強制されるサバイバルゲーム。例年合格者数は200人程度と言われているので、1グループ平均10人少しの合格者が排出される。
何より面白いのが、不殺の証明、その戦場だ。
13グループ、それぞれに戦場が与えられるが、己に与えられたのはコロッセオ、小5の時に家族旅行で行ったから分かる。間違いなく、イタリア、ローマのコロッセオ。しかも、己が訪れたときと記憶何ら変わらない21世紀の物。
つまり、聖女はこちら側の転生者、しかも21世紀の人間!
と、興奮はさておき、話を戻す。
運の悪いことに、己はピットと、メヌエットとは違うグループに配属された。
おそらく、合格することは容易い。
1グループ100人強、合格率は一割。
第六位やピットのような強者で目が肥えた己には児戯に等しい。
だから、己が目指すのは例年、片手程の人数が排出されると言われる特待生の獲得。
特待生になれば、学費は無料だし、階級によっては学園の飯まで無料らしい。
「にしても」
ちらちら見てんじゃねーよ、雑魚が。
まあ、この試験その十数人まで生き残れば、勝ちというゲームではない。あくまで入学試験、自分の実力を誇示できなければいけない。
己が子供だからだろう。入学試験という割には平均年齢の高いこの場では少し浮いている。平たく言えば、皆己ことを狙っている。
いや、そこまで浅慮ではないか。
こんなとこまで来る子供、ぶっ飛んでるに決まっている。
己を値踏みするような目、逆に警戒されているのか?
「君も一人?」
そんな折だった、碧眼の少女が話しかけてきたのは。




