こんなところに梅がある⑫
❑ふわふわ
これをどうしたものか。黄色のふわふわした丸い物体が、私の後をずっとついてくる。小さなそれは、浮遊していたかと思うと、ポンポン跳ねたり、くるりと回転したり、見ているとなかなか愛嬌がある。
「ふわふわ」
適当な名前で呼び掛けると、子犬のように喜んで私の胸に飛び込んできた。
❑最後尾
お目当ての店に着くと、少しばかり行列が出来ている。
列の最後尾へと歩いているうちに、なぜか私はどこかのステージの上にいた。
「最高尾コンテストにようこそ!
さぁ、あなたの最高の尻尾を熱く語ってください!」
私は渡されたマイクをギュッと握りしめる。何か言わなければいけないようだ。
Twitter140文字小説⑫