表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/37

33話 緊急事態発生

「此処に来るまでに見てきた事を全部話すよ!実は……」


 和香里は此処に来るまでに起こった出来事を全て話した。


「ええっ!?兄ちゃん連れ去られたの!?」


「嘘だろ!?あいつがそんな簡単に捕まるとかありえねぇだろ……!!」


「直接連れ去られたのを見た訳じゃないけど、あの武士達の話からして多分……「朝に捕まえた『例の奴』が所持していた品」とか言ってこれ渡して来てさ……」


 和香里は武士達から渡された覇綺のスマホを綺羅に渡した。


「た、確かに兄ちゃんのスマホだ……」


 いつの間にか制服姿に戻っていた綺羅はスマホを大事そうに持ち上げ、画面を見つめながら涙目になっている。


「……家族の為にも、竹乃姫の元に向かわないといけないね」


 石英はオレンジジュースを綺羅と和香里の前に出しながら話をする。


「今は多分だけど、周りに『平穏な世界』の効果が出ているからアルカナと呪文は使えない……でも、竹乃姫自身はアルカナの類いだから、竹乃姫のアジトの周辺には『平穏な世界』の効果は出てない筈。そこなら自分のアルカナを出せる筈だよ」


「確か竹乃一族は『竹乃宿』と呼ばれる『世界』のアルカナとセットになると強くなるんだよな……多分奴らはこの地域の何処かに竹乃宿を作ってそこに籠ってる筈だ……」


 石英と上咲はいつになく真剣な顔つきで話し合いをしている。


「道具を使えば竹乃一族のアジトは見つけられるだろうけど……ねえ和香里、本当に忍び装束だけであの竹乃一族を騙せるの?」


「えっ?う、うん……大丈夫な筈だよ。此処まで無事に来れたし、あの武士とも喋ったりしたし」


 和香里は再び忍び装束を身につけ、怪訝そうな顔をしているリツを説得する。


「確かに誰なのか分からなくなるね……つまり、それが通用するって事は相手も忍び装束を使用しているって事だよね……」


 リツは忍び装束を着た私を見て、何とか納得してくれたようだ。


「……あっ、そうだ。皆んなが揃ったら言おうとしてた事があったんだ」


「えっ?石英さん急にどうしたんですか?」


「実はこの喫茶店には地下室があってね……そこの方が此処より安全だろうし、皆んなで地下に行かない?」


「…………石英さん。それ、もっと早く言うべきだったんじゃないですかね……」


 和香里が呆れ気味にそう言うと、他の人も黙って頷いた。


「ごめん……今思い出したんだ……」


「店長ってば相変わらずうっかりだねー。じゃ、とりあえず皆んなで地下に避難しよっか」


「そうだね。じゃ、皆んな僕についてきて」


 石英は胸ポケットから鍵を取り出し、部屋の奥へと入っていった。


「どんな地下室なんだ……ろ……?」


 和ワクワクしながら席を立った瞬間、立ちくらみとめまいが和香里を襲った。


「あ、あれ……?」


「意識が……」


 和香里以外の仲間も次々と床に倒れていく。


(な、何……これ……)


 意識が朦朧とする中、倒れている和香里の視界に色々なものが現れては消えていく。


(あれは……竹乃武士……?)


 喫茶店に竹乃一族が入り込み、倒れた仲間を次々と運んでいく。


「おい、コイツはどうする?」


「巻き添えを食らったか……悪い事したな。そいつも運んでおけ」


「寝室にでも寝かせるか」


 竹乃武士は軽く言葉を交わすと、和香里をそっと持ち上げた。


(や、やばい……かも……)


 和香里は目の前の光景に危機感を感じ動こうとしたが、手足は全く動かない。


(ね……眠い……)


 結局指一本すら動かせず、和香里はそのまま意識を手放してしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ