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きマぐれ

作者: 細川いろは

短いエッセイです。エッセイなんて綺麗なものじゃなくて、多分、独り言です。5分もあれば読めると思います。是非、読んでみてください。

書こうと思っても書けない小説みたいに、生きようと思ってもうまく生きられない人生がある。

寝ようと思っても寝付けない夜のように、頑張ろうと思っても頑張れない日常がある。

私はいつも、そうだった。

わけもわからず、誰の真似をするわけでもなく、ただ時間に背中を突かれながら生きている毎日。

それでもいいと思っていた。だって人はいつか死んじゃうから。死ぬって、多分人生の一番の口実。そしてその人生に、達成感とか、満足感とか、幸福感とか、そういうの、いらない。

だって、それを感じるまでの道のりがあんまりに辛くて、怖くて、私には無理。そういう私にみんな言うんだ。

甘えんなよ

って。

逃げるなよ

って。

なんで泣くんだよ って。

みんな、正しいことを言う。正しいことができないから泣いているのに、どうしてみんな、正しいことしか言えないの?

そうやって、人を責め続けて、結局最後は自分を責めて。

あ、死のう。

そう思って「死にたい」とか検索かけて。真っ先に出てくるのは人生相談の電話番号で。んなもんいらねぇよとか思いながら、実はちょっとそれに救われてたりして。知らない間にたまってたLINEの通知、それに紛れ込んだ友達からのくだらない一言に思いがけなく笑ったりして。いつ届けられたのかも忘れた宅配便の段ボールに手を伸ばして、気がついたら投げ飛ばしてたりして。潰したりして、泣いたりして。叫びたいのに叫べない賃貸マンションの中で声を押し殺しながら泣いたりして。泣いたりして。泣いたり……。

泣いてばっかり。泣いてばっかりだけど。

そういう自分が嫌いじゃないのかな。なんて、勝手にポエマーになって笑ってる。

馬鹿だな。あたし。

でもそういうの、悪くない。

だって、人はいつか死んじゃうんでしょ。

だったらこういう人間、1人くらいいても、悪くない。

貴重な1人だ。

気まぐれな人生。

悪くないと思うんだ。


読んで頂きありがとうございました。

この小説で得られたものがあったかと言えばそういう方は少ないかもしれませんが、こういう考えをする人が私を含めた1人以上いるかもしれないってこと、知っていただけら嬉しいです。

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