箱庭
『静かな静かな森を抜けたら、賑やか明るい国の中。
国の上には大空が。綺麗な綺麗な国の空。ここは白い白い国の中。』
この国は、同じ日にちを繰り返す。毎日毎日おんなじ日。
国の民は気付かない。王様だって気付かない。
ううん。気付かないんじゃなくて気づけない。
だって、そういう国だから。いつまで待ってもおんなじ日。
みんなの誕生日もおんなじ日。来る日も来る日もおんなじ日。
国の端には高い壁。誰も不思議に思わない。
不思議な不思議のお国の話。
みんなが壊れだしたなら、新しい人を作ればいい。
それでもおんなじ誕生日。
この国では、誕生日は祝わない。だって毎日誕生日。
国が壊れてしまったら、新しい国を作ればいい。
国の民は移住する?ううん、みんな死んじゃった。
次の国は黒の国?それとも赤の国にする?
自由だ自由、あなたの国。
さあて、次はどんなお話?
さあて、次はどんなお国を作るのかな?