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プロローグ 謝っても済まない事。


 “異世界転生”。

 そういった単語が普及し一つのジャンルとして確立されるまでは二次創作品の定番ネタだった。

 その為なのだろうか。

 どうしても異世界転生が主軸に有る物語はチートが付き物と為っている。

 いや、既に“憑き物”と言ってもいいのかも。

 まあ、それでも面白くて楽しめる作品が増えるなら何だって構わないと思う。それが読者・購入者視点の正直な感想ではないかな。


 近年、“表現の自由”の意義が迷走しているけど、創作物に現実を結び付ける思考の方が可笑しいと思う人は何れ位居るのか。

 混同して問題視する方が余程問題ではないのか。

 自分こそが空想と現実をきちんと区別すべきだと、そう考えないのか。

 不思議でならない。

 しかし、そういう人こそ自分が矛盾している思考を抱えているとは気付かず、他者を批難する事ばかりを考えているのだろう。

 誰かを批難し、悪にする事でしか生きて行けない。

自分という存在の価値を、他者と比較をする事にしか見出だす事が出来無い。

 そんな人なのだろう。


 まあ、こんな事を考える自分も例外ではなくて。

 そういう社会に疑問すら懐かずに生きているだけの機械にすらも為れない様な中途半端な存在。そういう人間の一人が、俺だ。

 何処にでも居る、社会に適応出来ず、しかし自らが変革を世に齎せる事も無いただただ流されるだけの、その他大勢の中の一人。


 ──の筈だった。



「……何故に?」



 ムカつく位に晴れている大空を見上げ、そうとしか言えない自分の語彙力へも腹が立つ。悔しく、虚しい為に考えない様にするが。今は些細な事であっても、苛立ちを覚えると思う。

 だが、仕方無いと思う。「もし生まれ変わったら」なんて誰でも一度は考え、想像してみる事だろう。

 憧れの俳優・アイドル、最近ならゲームやアニメ・漫画等のキャラも有りだ。

 そういった“もしも”を根幹に置いて、転生物とは考えられている。

 極端な事を言えば自分の意思(希望や願望)を反映し叶えた物が多くなるのだ。当然と言えば当然だろう。そういう物なのだから。


 だから、本来の転生とはそう有るべきだと思う。

 そう。だから、決して、冗談で考えたネタキャラに転生するとか有り得ない。


 だが、現実は覆せない。ただただ事実として自分が“オリヴィア・リクサス”である事を示している。

 本当に……何故なんだ。他にも有っただろうに。

 どうして選りにも選って此奴なんだろうか。

 もしも、神という存在が実在するのならば、絶対に顔面に一撃を入れて遣る。そう魂魄に固く誓いながら嘆きを大空へと向けた。


 取り敢えず、落ち着いた事も有るし、改めて自分の置かれた状況を振り返る。


 先ず、最後の記憶は……確か、そうだ。久し振りに会う友人達と馬鹿な昔話に盛り上がり、当時の空気が甦ったかの様に騒いだ後、ギリギリ間に合った終電に乗って…………寝た?。

 ……うん、寝たっぽい。記憶が綺麗に途切れてる。馬鹿騒ぎの雰囲気で結構な量の酒を飲んでた筈だし。落ちてても可笑しくない。寧ろ、その方が自然だ。



「……という事は、電車が事故って死んだ?」



 無いとは言い切れないが釈然としない。いやまあ、自分が死んだかどうかすら曖昧なんだから釈然とする訳が無いんだけど。

 それでも神様的な存在が目の前に居る不思議空間を体験していたなら、少しは納得出来るんだろうけど。生憎と何も無かった訳で。納得出来無いのも当然。

 ……まさか、“ネタ”に“寝た”が掛かってるとか言いませんよね?。

 言ったら神でも殺す。


 まあ、その辺に関しては幾ら考えても無駄だろう。だから深くは考えない様に流してしまう。考えてたら気が滅入るし、腹が立って仕方が無いからな。


 ──で、目が覚めたら、俺は見た事も無い場所──アフリカの大草原みたいな景色に居た訳です。うん、何これ、訳が解らん。

 そんな状況では有るが、「あれ?、これってまさか流行りの異世界転生?」と考えて、確認も兼ねて俺は在り来たりで王道でもある「ステータス」と口にして何か起こるか期待した。

 すると、大当たり。頭の中にゲームの画面みたいにプロフィールっぽい感じの画が浮かんできた。

 「マジかっ!」と思わず嬉しさから叫びたくなり、自分の名前を見た次の瞬間「マジでっ!?」と先程とは真逆の絶望から叫びたいと頭を抱えてしまった。

 以上が簡単な経緯だ。


 それで、肝心の自分──“オリヴィア・リクサス”というは二次創作の小説を気儘に書いていた俺が一度「オリジナルも書くか」と構想を練っていた際、暇と酒の勢いで生み出した酷いネタキャラ(♂)である。

 漫画が描ける程の画力は無いが、一点物のイラストだったら評判も悪くはない物が描ける程度の俺なんで一応はデザインも有った。その顔が、プロフィールの脳内画面に載っている。

 尚、近くに川は勿論だが水溜まりも無い為、実際の自分の顔は不明である。

 ただ、今の自分の身体は明らかに小さく為っている事だけは間違い無い。

 憑依の可能性も有るが、元の肉体ではない事だけは確かだと言える。

 一応は、イケメン設定。それが唯一の救いだろう。

 尤も、今は十歳のショタだったりするんだけどね。誰得だよ、本当に。


 まあ、一先ず自分の事に関しては置いておく。

 これ以上追及したくても何にも出来無いだろうし。現実逃避したいから。


 それよりも問題なのが、自分が居る場所──或いは“この世界”に関してだ。普通なら構想とは言っても自分の考えていた世界だ。全く同じではないにしても多少は事前知識が有る様な感じだと言えるだろう。

 しかし、此奴は飽く迄もキャラ設定のみの存在で、構想していた世界観からは完全に外れていたりする。

 つまり、俺は文字通りに右も左も判らない異世界に放り出されている訳です。「完全に詰〜んだ〜」とか脳内で唱和するな。


 ただ、無理も無い事だ。何しろ、俺の視線の先には明らかに「この異世界へ、ようこそっ!」と言う様に有り得ない存在が居る。

 中型犬位の大きさの胴と手足に鰐の頭と尻尾を持つ鱗と体毛が入り混じった、合成魔獣(キメラ)みたいな存在が涎を垂れ流しながら口を開け、迫っている。

 俗に言うモンスターだ。


 有り勝ちな展開だと俺は能力なりスキルなり使ってピンチを凌ぐんだろうけど生憎と此奴はネタキャラで戦闘能力は殆んど無い。

 そういう風に考えたからネタキャラなんだから。



「……ぅ……ぁ……」



 目に見える死に対して、恐怖心が身体を侵す。動く事は勿論、息をする事さえ自分の意識下から離れて、動かない身体が震えるしか出来無いでいた。

 「ああコレ、死んだわ」という他人事の様に思える一面が有るのは、あまりに現実離れしているからで。「死んだら夢落ちみたいに普通に目が覚めるかもな」なんて暢気に考えてしまう自分も居たりもする。

 だからこそ本当の意味で死の恐怖を感じる事なんて普通に生活をしていたなら有り得ない事だと思う。

 病気や事故など、自分の意思では不可避な場合以外大体は自分で避けられる。そういった恵まれた時代に自分は生まれ育ったから。

 実感し難いのだろう。



「──ハァアアァッ!」



 唐突に響き渡ったのは、気合いの籠った咆哮。

 それと同時に迫っていたモンスターの身体から何か鋭い物が飛び出してきた。

 尻餅を付き、茫然とする俺の身体に生臭く生暖かい緑色の液体が降り注ぐ中、陽光を背負う様にして俺を見下ろす視線に気付く。



「──っと、大丈夫?」



 優しく掛けられた声すら霞んでしまう程に。意識は惹き付けられていた。

 死の恐怖さえ忘れて。


 風に靡く様に揺れる長い青紫色の髪。凛とした鋭い印象が強いが宝石みたいに鮮やかな紺碧の瞳。果実を思わせる瑞々しい艶やかな赤い唇。程好い日焼けした健康的な小麦色の肌。宛らデザインされた様に整った顔立ちは美しく見ていても飽きる気がしない。それは“美女”としか言えない程際立った存在感を放つ。

 其処に加わるのは何かのコスプレなのかと思う様な白いプレート・アーマー。胸部だけを守る軽鎧だが、機能性を重視している事は手足の装甲を見れば判る。鎧装の下には武道着っぽい簡単には破れない様な服を着ている辺りに落ち着き、冷静さを取り戻す。

 ファンタジーな雰囲気に流されてしまいそうだが、何気に現実的なので。


 それでも、目の前の彼女自体、その全てが現実離れしているは確かだ。

 モンスターを倒したのは彼女の持っている槍。

 パッと見では無骨だが、よくよく見れば刃の部分は丁寧な彫刻が施されていて素人眼には“業物”っぽい印象を受ける。実際の槍の価値は判らないが。

 少なくとも、その槍なら俺の身体も容易く貫ける。それは間違い無いと思う。


 その彼女を形容するなら“槍士(ランサー)”だな。勿論、槍を使っている事が理由なんで、彼女の実際の“職業”が何なのかまでは判らないが。

 “職業”というのは俺のプロフィール画面の欄にも存在していたが、俺の方は“──”の状態だった為、何かしらの条件を満たすと得られる、或いは就けるのだと思われる。


 だが、そんな考察は今は後回しにしておく。



「……あの、助けてくれて有難う、御座います……」



 日本語──かどうなのか定かではないが、一応聞く限りでは日本語に思えた。なので、取り敢えず助けて貰った事の感謝を伝える。見た目には日本語の様には思えないんですが。だって日本人離れした美女なんで現実感は薄いです。



「いいのよ、それより……御免なさいね

凄く汚れちゃったわね」



 刺さっていた槍を抜いて一振りして血を飛ばすと、俺の姿を見ながら苦笑。

 改めて俺は自分の身体に視線を向けて、べっとりと付いた血に、彼女の苦笑も当然だと納得した。




 彼女に近くの有る川まで連れて行かれて、素っ裸に為って身体と衣服を洗う。特に気にしていなかったが着ていた衣服は生地は厚くゴワゴワしていて安っぽい感じが否めない物であり、デザイン的にも地味。

 ただ、そんな格好だから怪しまれてはいなかった。彼女は俺の事を“迷子”の様に思ったらしい。

 態々訂正して警戒される必要は無いので、そのまま設定として乗っかった。



「──よしっ、落ちた!」



 俺の衣服を洗ってくれる彼女がパンッ!、と張って水を切りながら笑った姿は先程とは違い可愛らしい。真剣な表情を見た後での、無防備な笑顔を見たのなら大抵の男は見惚れる筈。

 だが、今、重要な問題は其処ではない。

 鎧装を外し、川に入って濡れない為に厚手の衣服を脱いだ彼女は下着姿。

 ただ、下着とは言っても装飾された下着ではなく、水着に近い感じの質感。

 チューブトップタイプの上下を着けており、水辺に居るから余計に水着の様に思えてしまうが、下着だ。

 しかし、それよりも問題なのが、彼女のスタイル。鎧装や衣服の下に隠された肢体が……凄過ぎます。

 モデルなんてレベルじゃ有りません。もう二次元の美女が三次元に居るレベルでしょ、これは。



「──あら?」


「──っ!?」



 惚けっとしていた所に、不意に彼女が振り向いた。その瞬間に視線が下がって──何処を見られたのかに気付き、両手で隠しながら水中に沈んでしまった。

 既に遅いけど、反射的な反応だから仕方無い。

 彼女は呆然となり、数度瞬きをした後、妖艶に笑いながら手に持っていた俺の洗った衣服を手近な岩へと掛けると近寄ってくる。

 逃げ場は──無い。



「ふふっ、安心しなさい

それは可笑しな事じゃなく男の子として正常な証よ」



 言い訳も拒絶も出来ず、見惚れている内にも彼女の右手は反り勃つ初な少年を抱き締め、近付く唇は囁く様に吐息を吐いて俺の唇を優しく塞いだ。

 触れ合う温もりと感触。鼻腔から入り脳髄さえ侵す様に痺れさせる女の艶香。水の中に居る筈なのに逆に身体は熱く猛ってゆく。

 蕩ける様に意識は彼女の事だけに染まり、求める。男の、雄の本能のままに。




 深い闇の中を漂う様に。不意に浮かび上がる意識が感覚を呼び起こし、順番に回路を繋げる様に広がる。四肢を通して脳へ運ばれる情報を処理しながら重たい目蓋を開いてゆく。静かに吐いた息は肺と身体の内に溜まっていた熱を少しでも放出するかの様に熱い。

 そんな中、視界に映った景色は暗いのが第一印象。──と言うより、暗い。

 ぼんやりとした意識下で思考を働かせようとして、更なる情報を無意識に求め──肌を通じて感じる取る温もりと柔らかさに気付き其方へと頭を向けた。



(……ああ、そうだった)



 警戒心など微塵も無い、生まれたままの姿で無防備に俺の隣で眠っている女性を暗闇の中に見付け、今の状況を思い出す。


 川辺での初体験──今の身体、オリヴィアとしてのという意味でだが──にて現実なんだと実感をした。良くも悪くも夢の様だが。覚める事は無いという事を嫌でも理解してしまう辺り快楽性というのは、一つのバロメーターだと言える。現状では“前世”になるのだろうが、女性経験自体は人並みには有ると言える。彼女・関係のみ・有料女性と合わせれば20人前後に為る程度にはだ。

 そんな経験者の俺だが、彼女との行為は危険過ぎて生存本能が刺激された。

 何が危険かと言うとだ。彼女の身体が、行為自体が気持ち良過ぎるからだ。

 現実離れしているのは、何も容姿や格好だけという訳ではなかったらしくて、五感を染め侵す性の快楽は麻薬みたいに思えた。

 麻薬の経験は無いけど、話に聞く“中毒性”的には負けず劣らずだと思う。

 兎に角、物凄い快楽性が意識までも侵食する様に、襲い掛かってきた。


 それでも今はショタでも前世は一成人男性だった者としてのプライドからか。絶対に先には達しないと。その一心で怒濤の猛攻にて攻め堕とそうとする快感に抗いながらの反撃。

 それが効を奏したのかは定かではないが、堪え切り一緒に達する事が出来た。彼女の中に放った精の量は前世では有り得無い程で、熱く、長く、注ぎ込んだ。

 彼女の方も吸い搾り取る様に貪欲だったのだが。

 いや本当に凄まじい程の快楽性でした。


 その後、イチャつく様に汗等を流し、何時の間にか乾いていた衣服を着ると、彼女に連れられて一番近い町だという“スタルト”に向かう事に為った。

 尚、その道中の移動には彼女の所有馬を使ったが、“馬”と言うのに俺の目に映ったのは、頭部に立派な“山羊の角”を持ち、蹄の変わりに犬科の足先をした記憶とは違った生き物で。いや、確かに顔や基本的な身体の造りは馬だけどね。素直に馬とは思えないのが本音だったりしました。

 尚、“ホルフス”という生物なんだそうです。


 スタルトの町に着く頃、空は茜色に染まっていた。異世界でも夕暮れの景色は同じだという事に少しだけ安心感を懐いた。

 些細な事だが、同じ点が見付かると不思議な物で、親近感を覚えるらしい。


 ただ、「異世界だな」と思わされもした。町並みは現代日本社会の景色からは大きく掛け離れていた。

 よく有る中世の街並み、という訳でもない。だが、類似点が無い訳ではない。建築様式は西洋文化の色が感じられるし、民家だろう一部の建物は日本建築的な雰囲気が滲んでいる。

 そして看板等に書かれた見た事の無い文字表記だ。ある意味、異世界の定番。ただ、何故か普通に読める辺りは転生時のオプションなのかもしれない。一方で書くには覚えないと駄目。若い脳に期待しよう。


 町の人々は髪や瞳の色、服装のデザイン等、複数の異世界的な要素は有るが、基本的には俺の知っている人間と同様の姿だった。

 異種族は見当たらないが居ないと決まってはいないのだから希望は有る。

 異世界と言えば異種族。これは必須要素だと思う。


 そんな事を考えながら、今日の宿を取る為に移動し彼女──アエラ・フュージという名前らしく、此方も名乗って自己紹介。但し、俺は“シギル・ハィデ”と偽名を使った。心は痛むが今は馬鹿正直に本名を人に教えないと決めたからだ。

 ──で、俺は手を引かれ町を移動していたが、多分端から見ると母子か姉弟に思える感じだろう。決して男女の情事を交わした仲と思いはしない筈。何しろ、キョロキョロしている俺は子供に見えただろうから。狙ってはいなかったが。


 宿に着き、部屋を取って案内され、中に入って見て意外にも整っている様子に驚いている内に案内をした宿屋の主人の奥さんっぽい40歳前後の女性は退室しアエラさんと二人きりに。背後から抱き締められた為吃驚してしまうが後頭部に当たる双丘の感触に昼間の記憶が甦り、反応する。

 しかし、流石に空腹には勝てなかった為、今は先ず夕食を取る事にした。

 何だかんだで、異世界の初めての食事だったから、期待と不安からドキドキ。アエラさん任せにしたが、コッペパン程度のサイズのフランスパンっぽい硬めのパンが二つ、コーンスープみたいな何かのスープに、これまた豚の角煮みたいな何かの肉の煮込み、最後にベビーリーフっぽい感じのサラダでした。

 代金は全て、アエラさん持ちですから残しません。

 そして、部屋に戻ったら先程の──昼間の続きへと突入した爛れまくりの初夜でした。




 ──とまあ、そんな事を思い出しながら、まだ夜中だろうと考えて、町までの道中で気付いていた疑問を解消する為に確認作業へ。

 集中する為に目蓋を閉じ「ステータス」と心で言い脳内にプロフィール画面を呼び出した。特に変わった部分は見当たらなかった。だが、右上の端に小さいが“1/3”の表記が有る。そう、これが気付いた事。

つまりプロフィール画面の“次のページ”が存在する可能性が出て来た。

 流石に道中だと怪しまれ訊かれるかもしれないから後回しにしていたが今なら問題無く確められる。

 不安と期待に鼓動が早く煩い位に大きく為るけど、気にせず、心で「次項へ」と言いながら本を捲る様なイメージをする。すると、本を捲る様な効果音がして画面が切り替わった。



「────っ、──っ!?」



 思わず叫びそうに為って慌てて両手で口を鬱ぎ掛け何方も駄目な事だと気付き気合いで抑え切る。

 少し間を置いて、新しく表示された画面を確認し、俺は自分自身の業の深さに撃沈する事に為った。


 其処に表示された一部分とは以下の通り。


[裏スキル]

【性皇剣Xカリバー】

女性との繋がりが多い程に能力値に強化補正。使えば使う程に性技術と対象女性に与える快楽が上昇する。スキルの所有者は絶倫化。


 ──そう!、これこそがネタキャラの根元。何より酒とストレスとスランプで勢い任せに真夜中に考えた阿呆スキル持ちのキャラがオリヴィア・リクサスだ。そんなオリヴィアに為った今だから言える事が有る。「本当にっ!、巫山戯てて済みませんでしたっ!」と心の底から謝罪出来ます。

 そういう意味では現状は自業自得、報いなのかも。出来れば、猛反省したので元に戻して欲しいです。



(……無理だろうけどな)



 既に変えられない現実に目を背ける事は止め、今は生きる為に何をすべきかを考える事にしたが。多少は救いを求めたくも有るのが正直な所だったりする。


 さて、オリヴィアとして生きていく上で、所有する技能は重要に為る。

 一見するとハーレム的なスキルに思える内容だが、それではネタに為らない。女性を抱けば抱く程に強く成れる訳だが、重要なのは回数ではなく、人数な事。そう、幾ら同じ女性を抱き続けても強くは成れない。愛情は深まるし、自分への依存度は上がるだろうが。強くは成れないのだ。

 とても残念な事にね。




 ハーレム的に思えるけど催眠的効果だとかニコポ・ナデポ等も無い。要は下手すると後ろからグサッ!、がリアルに有り得るというリアルガチな仕様です。

 ネタキャラだから。

 つまりは強くなる為には複数の女性を自力で口説き関係を持たないと駄目で。でも、上手く関係を制御し如何に怨恨等を残さずに、多くの女性を抱くか。

 詰んでるよねー……。



(……と言うかね、此処の“裏”って何?

上に別途[スキル]の欄が有るから、そういった意味なんだろうけどさ!

少なくとも、そんな設定は俺は考えてないって……)



 ──いや、正確に言えばそれだけじゃない。他にも明らかに自分の考えていたオリヴィア・リクサスとは違っている部分が有る。

 このネタ裏スキルだが、“また対象女性の好感度・満足度により、対象女性の所有するスキルから一つ、ランダムで複写修得する”という部分だ。


[スキル]

【槍士の功術】

槍または棍等を使用する際槍術の精度・威力が上昇。技術修得速度の上昇。


 ──これ、アエラさんのスキルだよね?。知らずにコピッちゃってるよね?。条件付きだけどチート化の可能性ってば有るよね?。……無事に生き残れたら、の話なんだけど。



(それと、裏スキルの欄に気になるのが有るんだよ)



 どう考えても心当たりの無い二つの裏スキル。


始端より刻綴す記録書(レコード・ホルダー)

スキルの所有者は思考にてステータスを確認出来る。また自動マッピング機能、様々な情報を収集し記録・編修出来る百科事典機能、自動言語翻訳機能付き。


回想録(アルバム)

情事の記録。追体験機能、保護・削除機能付き。

追体験は一瞬の事です。


 ──という内容の物だ。少なくとも──正式名称が長いから略すが【記録書】の効果から見て転生直後に発現していた物だと思う。お陰で助かってるけどね。でも、心当たりが無い事に変わりはない。

 もう一つの【回想録】は何なんだろうか。個人的にエロゲー系の、おまけ機能にしか思えませんけど?。何て物を付けるのさ。


 確認をするのも怖いで、取り敢えず“次項”へ。

 ──って!、1ページ分丸々使ってるんかい!。

 其処には、アエラさんの名前のタグが付いた情事の1シーンが貼られていた。



「────っっ!!??」



 半ば自棄糞で二つ有ったシーンの内、新しい情事を選択してみた訳です。

 そうしたら、直に彼女を抱いていた感覚そのままに“もう一度”繰り返した。正に追体験だと言える。

 ただ、興奮はするけど、実際の快楽までは反映する事は無いらしい。要するに瞬間再生のエロ動画。

 自分専用且つ絶対守秘の無駄に超高画質なね。

 何の為の機能なんだか。



「…………」



 だが、今はそんな事より解決急務な問題が有る。

 無駄に元気な我が半身。いやまあ、裏スキルの効果によって確かに俺は絶倫化しているみたいです。

 あれだけ遣っても身体に疲労感が無いんで。寧ろ、快感に精神が負けなければ朝まででも出来ると思う。アエラさんの方が持たないかもしれないけどね。

 それは兎も角、元気一杯過ぎて困りますが、流石に寝込みを襲う真似は俺には出来ません。だって、俺は無一文な“迷子”ですからアエラさんに守って貰い、その上で色々と情報収集し把握していかないと。

 だから彼女の反感を買う事は避けないと。

 まあ、遣りたい気持ちは否定出来無いんだけどね。それは男だから仕方無い。



(……あれ?、今更だけど絶倫化って欲求不満状態に陥り兼ねなくない?)



 普通よりも溜まっている感じが強く為るんだったら色々と危ない気がするな。設定考えていた時は本当に冗談だったから適当だけど自分自身の事に為ったら、未知の事に恐怖を懐く。

 絶倫の感覚なんて普通は全く解らない物だし。

 それは仕方無いと言えば仕方無いんだけど。笑って流せる話じゃないよね。



(……取り敢えず、自分で抜いても、後始末が出来る状況じゃないしな〜……)



 一人で外に出ようにも、土地勘は無いし、夜だし、何より子供故に俺は弱い。──と言うか、戦闘力的な基準が解らない以上下手な動きはしないのが吉。

 結論、今は我慢しよう。どうしても無理だった時は朝一でアエラさんに頼んで絞り取って貰おう。よし、それが一番良いよな。

 取り敢えず、羊を数えて眠ってしまえるなら寝て、寝れない時は……頑張って朝まで堪え凌ぐ。

 切なさを抱き締めて。




 どうにか眠る事が出来、無事に朝を迎えたられた。──が、一度、男としての本能に目覚めてしまうと、身体は正常な反応を示して若さを自己主張する訳で。

 それを見たアエラさんに「困ったちゃんね」という笑みを向けられながら朝の柔軟運動を行いました。

 硬くなった身体を解すと軽く感じられます。是非、皆さんも健康な生活の為に朝の運動を試して下さい。


 身仕度を整えて、朝食を済ませると宿を後にする。そのまま預けていた彼女のホルフスに乗り、別行動の彼女の仲間と合流する為に事前に予定した街に向けてスタルトを発った。

 出来れば、スタルトでの情報収集をしたかったが、アエラさん頼みの今の俺は従う以外には無かった。


 その道中は休憩以外には立ち寄る場所は無いそうで色々と質問する事にした。俺は迷子で、“恐怖からかショックで記憶喪失に”を追加しておいた為、特には怪しまれなかった。


 移動手段としてホルフスというのは一般的らしいが安くは無いらしい。

 野生種は捕まえられれば無料だが、難易度が高いし懐かせるのが至難だそうで逆に手間も金も買うよりも掛かるとの事だった。


 彼女はホルフスに名前は付けてはいないのだそうで「名前を付けると、愛着が湧いて駄目になるから」と話してくれた。別に名前が無くても大事にはしていて道具の様には思わないが、愛着が強いと亡くなった時喪失感が強過ぎて“次”を持てなくなる場合が有り、それを忌避する為だとか。ペットの死に「もう二度と飼わない」と言う人の様な感じなんだろう。俺は多分割り切れる方だと思う。


 そのホルフスなんだけど彼女のは牝らしい。何でも牝は角を持ち、牡は無角。しかも個体差は有るものの基本的に牝の方が体格的に大きいのだとか。だけど、小柄な牡は俊敏性に長ける為に軍馬は牡が殆んどで、牝は個人や商隊等の長距離移動に長けるらしい。尚、ホルフスは一度の出産で、3〜6頭を産むのだとか。寿命的には15〜25年。現役引退の目安は12歳を過ぎた辺りらしい。因みにこの子は今6歳らしい。


 ホルフスに付いての話で【記録書】の効果の一つ、百科事典機能を検証した。昨日の時点での記載情報と比べると、アエラさんから追加情報を得た後、記載が追加・編修されていた。

 この事から百科事典機能による記載情報は俺自身が見聞きした情報の集積で、対象ワードを知っただけで情報が開示されるゲームの親切な解説の様な事は無く不便そうだが、勝手に自動更新されたりしない分だけ恐怖感は薄れる。飽く迄も自分の主観による情報集積機能という事だから洗脳の可能性は無いという事だ。

尚、間違った情報は欄外に“豆知識”的な扱いで補足記載されていた為、情報の真偽の限定的な見極めにも使える事が判った。


 次に俺が気になったのが“職業”に関して。これは生きて行く上で欠かせない必須項目だと思う。其処で“何も知らない判らない”体でアエラさんに訊く。



「アエラさんは強いですが槍の扱い等は小さい頃から習っていたんですか?」


「ん?、ああ、それね

大体、十歳を過ぎた辺りで“洗礼(サクラメンテ)”を受けるのよ

其処で自分の魂魄に宿った才器を呼び覚ますの

それに因り与えられるのが“職業(ジョブ)”よ

職業は自らの意思で変える事は殆んど出来無いから、ある意味一生を決めるわ」


「……殆んど、という事は例外が有るんですか?」


「ええ、職業は経験・鍛練を積み重ねると更なる力へ昇華される事が有るの

昇革(クラスチェンジ)”と呼ばれる現象でね

昇革すると、新たに上位の職業に成れるの

基本的には神秘の一つよ

だけど、中には必要な特定条件が解明されて人為的に昇革させられる上位職業も有ったりもするのよ」


「凄いですね……」



 驚き、感心する様な体で反応を返しながら、一方で冷静に思考している。

 感覚的にはゲームに有る職業システムに似ているが“自主選択(セレクト)権”が無い事が厄介だ。それは自分では決められない為、ある意味では運命の具現化とさえ言える事だと思う。洗礼の結果次第では自分の置かれる立場が面倒な事に為る可能性も有るという事なのだから。異世界転生の俺の運命が如何なる物か。俺自身ですら未知数。故に不安が大き過ぎる。まあ、楽しみでも有るけどね。



「その洗礼というのは何か受ける為の条件とか特定の場所が有るんですか?」


「若過ぎると失敗する事が有るから一定の年齢以上が条件として設けられているだけで特には無いわ

生まれや種族も関係無く、お金が必要でも無いしね

ただ洗礼を受けられる所は限られているわ

その性質上、洗礼が出来る“洗礼師(バプティゼラ)”が居る事は必須で、加えて専用の儀式祭場が有る事、最後に日取りね

日取りは専門的な事だから洗礼師にしか解らないから洗礼師の指定した日にしか出来無いわ

指定日は洗礼対象の人物の運命とかも関わるそうよ」


「……つまり直ぐに洗礼は受けらなくて、事前に一度洗礼師さんに会わないと、洗礼は出来無い、と」


「基本的には、そうね

でも、その人物に因っては直ぐに洗礼を受けられる事も有るらしいし、その逆に一年以上待たないと駄目な場合も有ったらしいわね

何方も稀な話だけど」


「その職業というのは他の人にも判るんですか?」


「基本的には自己申告よ

職業を得た者なら頭の中に自分の職業の情報等が思い浮かんでくるの

それを参考にする訳よ

だけど、一部の仕事とかは確認が必要だから、職業を判定する“魔道具”を使い職業を調べる事も有るわ

でも、基本的に職業を含む自分の情報は秘匿した方が良いのは確かよ」



 成る程、つまり俺以外もステータスは見られるけど職業を持たない者が見る事は出来無い、と。俺的には必要だけど、必須と言える程じゃないかな。

 秘匿する理由も何と無く理解が出来る気がするな。如何に凄い職業だろうと、それは本人が望んで得た物ではないのだから。周囲に強要される事も有り得る。そう為りたくないのなら、秘匿すべきだからだ。



「それじゃあ、職業の事を訊くのは駄目なんですね」


「そんな事は無いわよ?

勿論、追及する様な真似は駄目だけど、相手が話して構わないと思えば大丈夫

例えば私は職業が“功槍士(ハイランサー)”といって“兵士(ポーン)”が昇革し“槍士(ランサー)”を経て昇革すると成れるの」


「つまりアエラさんは二度昇革している訳ですね」


「所が、私は実際は昇革は一度だけなのよ

それは必ずしも下位職業が最初ではないからなの

私は槍士が最初の職業よ

上位職業からだと仕事とか色々有利に為り易いけど、下位職業からだと昇革には時間を要するけど、色々な事を学べるし、身に付ける機会を得られるわ

何より、下位職業は様々に枝分かれする昇革の進路を自分で選ぶ事が出来る

それは人に因っては何より羨ましい事でも有るわ」


「……アエラさんは自分の職業が嫌なんですか?」


「そんな事は無いわ

確かに槍士からだった為、他の選択肢(可能性)は私は少なかったけど、それでもそれが私の才器・運命なら否定も拒絶もしないわ

技術的には職業に関係無く身に付ける事は出来るし、その辺りは遣る気次第よ」



 そう言って笑う彼女に、俺は思わず見惚れた。

 前世の世界では、愚痴や不満を溢す者の方が多く、自分も、その一人だった。

 だから、彼女の在り方がとても眩しく思える。目が眩んでしまいそうな程に。自分を、自分の生き方を、自分の意志を誇れる姿が。羨ましく、妬ましい程に。輝いて見えるから。

 僻みだと判っていても。恐怖で陰からは出られない臆病な自分には。




 そんな感じで自己嫌悪に密かに凹み、洗礼に対して怯えたのだと勘違いをしたアエラさんに優しく慰めて貰いました。

 また他にも色々と訊き、判った事が有る。


 基本的には洗礼後に判る様に為る自分の情報とは、名前・年齢・種族・職業、それから所有するスキルに関しての情報のみらしい。つまり自分のステータスの様に“現在の能力”が判るという事は無い様だ。


 その能力だけど、以下の八項目が表示されている。体力・呪力・筋力・耐久・器用・敏捷・智力・魔力。その横には評価なのだろう記載が付属する。恐らくはEX、S・A・B・C・D・E・F・Gに±の付いた25段階評価なんだろう。G+・G−の評価が有る。EXに関しても有るから。うん、体力と呪力が何故か──いや、そうか。これは絶倫化の副次効果か。ただ体力は判るが、呪力の方は何故なんだろう。


 この呪力は所謂“MP”みたいな物らしく、特定のスキルの発動に必要不可欠なんだそうです。

 ええ、“魔法”ですね。既に魔道具の存在から有る事は予想が付いてました。だから納得は出来ます。

 スキルには常時発動型・任意発動型・条件誘発型の三種類が存在するそうで、魔法は任意発動型の一部に当たるそうです。

 因みに【槍士の功術】は常時発動型で、裏スキルは機能的に三種複合型かと。スキル自体はチートだな。


 それは兎も角として二つ解けない疑問が有る。

 【性皇剣】の効果である強化補正なんだが、何故か“魅力・幸運”というのが加わっている事。そして、その横に“+5”といった感じで何故だか数字表記が有る事に関してだ。

 魅力・幸運に関しては、まあ、解らなくも無いな。要は隠し能力値的な扱いで基本的には職業等の補正を受けないから表側には表示されないのだろう。だが、アレの強化補正の範疇には含まれると考えれば一応は納得する事が出来る。

 問題は数字表記の方だ。“+”は強化補正なんだし可笑しくはない。しかし、表側がアルファベットでの段階評価なのに、裏補正が数字の加算方式って何?。巫山戯てるんですか?。

 仮に、そういうシステムなんだとしましょう。

 ゲームならバグです。

 抑、その場合の強化って無効なのも同然では?。

 本当に、誰か説明して。マジで。御願いします。


 現時点での俺の能力値は以下の様な感じ。


   評価 強化補正

体力:EX  +10

呪力:EX  +0

筋力:G   +5

耐久:G   +5

器用:G+  +10

敏捷:G−  +5

智力:G+  +5

魔力:G−  +0

魅力:──  +5

幸運:──  +10


 こうして見て疑問なのは何故だか評価がEXなのに強化補正値が付く事。

 ただ判らないでもない。ゲームならばHP・MPが無限なら減りはしないから死なないが、現実としては体力・呪力が無限だろうとダメージは発生し、それは死因に為り得るという事。また本当に絶倫化したのは確かで、評価がEXでも、“無限”なのかは判らないという事だ。

 それを考えると補正値が付いていても可笑しいとは言い切れなくなる。

 現に体力的には絶倫でも行為直後の疲労感は無いに等しいが、眠気はする。

 体力が無限なら眠気など感じる筈が無いと思うから過信するのは危険だろう。


 その事は兎も角として。アエラさんとの行為により得た強化補正値。ある意味今後の基準値となる数字。この数値が変動する要因が俺自身なのか、対象女性に依存するのか。それにより数を増やすだけではなく、女性を選び、狙って口説く必要性も出て来る。

 それが判っていても実践出来るかは別だけどね。



「そう言えば、アエラさん御仕事は何をされている方なんですか?」


「言ってなかった?」


「はい、此方から訊く事も無かったので仕方が無いと思いますけど」


「そうね、確かに」



 少し言外に含んだ感じでアエラさんは笑い、左手を俺の腰に回して抱き寄せて身体を密着させる。一人で乗れない俺は彼女の両足の間に座る様に跨がっている事も有り、抵抗は危険だ。抵抗するつもりも無いので素直に身体を預けるけど。柔くて気持ち良いです。



「私はね、“冒険者”なの

仲間とパーティーを組んで彼方此方に旅をしたりして生活の糧を獲ている者よ」


「冒険者ですか……」



 ある意味での御約束。

 流行り廃りは有るけれど自由を愛する開拓者達。

 それが俺の冒険者という人々に対する印象である。





《ステータス》

:オリヴィア・リクサス

(偽名:シギル・ハィデ)


年齢:10歳

種族:人族(ヒューム)

職業:──


   評価 強化補正

体力:EX  +10

呪力:EX  +0

筋力:G   +5

耐久:G   +5

器用:G+  +10

敏捷:G−  +5

智力:G+  +5

魔力:G−  +0

魅力:──  +5

幸運:──  +10

性数:──   1人


[スキル]

【槍士の功術】

槍または棍等を使用する際槍術の精度・威力が上昇。技術修得速度の上昇。


[裏スキル]

【性皇剣Xカリバー】

女性との繋がりが多い程に能力値に強化補正。使えば使う程に性技術と対象女性に与える快楽が上昇する。スキルの所有者は絶倫化。

 また対象女性の好感度・満足度により、対象女性の所有するスキルから一つ、ランダムで複写修得する。一人の対象からは一つしか複写修得は出来無い。


【???】

【???】


始端より刻綴す記録書(レコード・ホルダー)

スキルの所有者は思考にてステータスを確認出来る。また自動マッピング機能、様々な情報を収集し記録・編修出来る百科事典機能、自動言語翻訳機能付き。


回想録(アルバム)

情事の記録。追体験機能、保護・削除機能付き。

追体験は一瞬の事です。



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