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16/28

16、使用人と闘い方

黒装束達に囲まれたルーク。

ジリジリと狭まる間合い。


ギリギリまで引き寄せたルークは、発動させていた魔法を解除した。

すると辺りが一気に暗くなる。

部屋を灯していたのはルークの魔法だったのだ。


暗転により、黒装束達の注意が一度逸れた。

その瞬間を見逃さず、ルークは相手の脇をすり抜ける。


鋭い風圧が頬を掠めたが、何とか黒装束達との距離をとった


そして少年は詠唱を始めた。



---------------


「ルーク、戦いにおいては必ずしも強力な魔法が必要とは限らないの」


「どういうことですか?」


紫闇魔導(グリシナ)の言葉にルークは質問を返した。


「戦う場所や、周りにいる仲間達など、状況によっては強力な魔法を使うことによって、味方に被害が出る場合が生じるの。まあ、私みたいに一人で戦うのであれば問題ないんだけどねぇ」


「なるほど」


「だからね、無属性のために上級魔法を使えないあなたでも、十分に戦うことはできるの」


「では、どのように戦えばいいのですか?」


「それはね、ここを使うのよ」


そう言うと、紫闇魔導はルークの頭を優しく撫でた。



---------------



「グラキエス!」


短い詠唱の後、ルークは叫んだ。


指先から放たれる凍度の波動。

真っ直ぐに黒装束達に向かっていく。

しかし黒装束達には届かない。


手元が狂ったのか、暗闇で目標がズレたのか、その波動は黒装束達の足元に着弾した。


だが、ルークを目がけて襲いかかろうとしていた黒装束達の動きが止まる。


そう、足元が氷漬けにされていたのだ。


ルークは前もって、その場に水を散布させておいたのだ。

そこに凍化魔法で相手の動きを封じる。

初級魔法だが、この状況では十分な効果を発揮する。

事前の計画通りだ。


そして動けなくなった相手に対し、ここからさらに魔法を放つのだ。


ルークは再度詠唱を始めた。


とその時、背後で人の気配を感じた。

とっさにルークは後ろを振り向いた。



そこには、部屋の反対側から侵入する数人の黒装束達の姿があった。



-------まずい!ルークが心の中で思った時、


遠くから風を切る音が聞こえた。



シュッ、シュッ、シュッ


すると、反対側からの侵入者の胸に矢が突き刺さっていた。

倒れる黒装束達。


冷や汗を拭いながら音のした方を見ると、そこにいたのは矢を構えたリアだった。


「ルーク!大丈夫ですか!」


弓矢を抱えながら走ってくるリア。

その彼女に向け、「お嬢様!」と叫ぶルーク。


その叫ぶルークにリアが近寄って来た。


「怪我はありませんか?」


心配そうな顔で問いかけるリアに、


「ありがとうございます、自分は大丈夫です。お嬢様は?」


と聞き返すルーク。


「私も大丈夫です」


「でもなぜお嬢様が?とにかく危険です。僕の後ろに」


ルークはそう言うと、自分の後ろにリアを匿った。


「ルーク、私も戦います。あなた一人に危険な真似はさせれらません」


「いえ、お嬢様。ここは自分に任せてください。お嬢様に万一のことがあったら大変です」


「いえ、私は大丈夫です。それにこうして弓矢も使えますし。昔お母様に教わりましたから」


そう言ったリアは、足元を氷漬けにされている黒装束達に向かって矢を放った。

その矢は見事に命中し、床へと倒れさせた。


しかし、倒れた黒装束の後ろから、次の侵入者達が入ってくるのが見えた。



「分かりました、お嬢様。ひとまず一緒に行動しましょう」


ルークとリアは背合わせになり、敵の迎撃行動を始めた。


今日も最後までお読みいただきありがとうございます!


まだまだ戦いは続きます!

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