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阿呆旅行記  作者: bashi
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旅の前の嬉しさ

出発、高崎にて。

お盆前の暑い時期である。高崎駅前で行われた会社の納涼飲み会の二次会もやっと終わった。先輩社員のドロドロした会社の話をただ聞かされ、それだけでもかなり疲れているのに、酒の酔いも入っているからかなり疲れていた。


そして近くのパーキングで車中泊をした。


深夜2時を過ぎた高崎は、盆地のうだるような暑さが消え去り、風が吹いて心地よい。もうこの頃には、人っ子1人いないと思わせるほど、高崎駅前はしんとしていた。


思えば、高崎は不思議な街だ。少し高台に上れば四方を山に囲まれている。その中に、ミニチュアのようなビル群がちんまりと固まっている。大宮よりさらに小っこいおもちゃのような街だ。駅から少し離れた昔ながらの商店街は、もうすっかり寂れてしまった。しかし、その中にも昭和から続くパン屋、ケーキ屋、洋食屋が残っている。それが唯一の希望であろう。


そして、高島屋もあれば、ア〇メイト、メロ〇ブックスと小さいながらも軒を連ねている。カ〇ディもある。僕を満足させるものは一応揃っているのだ。そして、美術館が2つもある文化の街である。


そんな高崎の微かに光る夜景を覘いて、しんみりと流れるカーラジオを聴きながら、僕は眠りについた。


翌日は、早朝のつまらないラジオに起こされると、時刻は6時半を過ぎていた。すぐに駅へ向かう。スター〇ックスのアイスコーヒーを飲んだ。今回は東京へ旅に出るのだ。そのワクワクが胸をよぎる。


大学を卒業してから、もう東京へ出かけていない。もう大学生活は過去のものだ。東京との縁もすっかりなくなってしまった。


その代わり始まった社会人生活は、ただただ右往左往して慣れない仕事に振り回されていた。大学時代も記憶の片隅に押し込まれていた。今回の旅行は、学生時代の友達に会う。そして語らい、観て、食べるのだ。


気がつけばもう上野東京ラインのホームに立っている。緑とオレンジ色の電車が到着した。いよいよだ。昨日のことも、これからの不安も、全て吹っ飛んだ。一歩車内に入る。


電車が発車した。もう、僕の世界だ!


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