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社会的デスゲーム『しりとり』

凪沙「ニートよ、お主に物申す」


ニート「…なんだ?」


凪沙「私にベッドで寝かせろ」


以前、同じベッドで寝てから数日後、私は久しぶりに味わったオフトゥンに抱かれる感触が忘れられず、再びオフトゥンに抱かれたい思いに駆られたのでニートに対してベッドの占有権を主張した。


あの日同じベッドで寝た翌日、私の風邪が移ったのか、ニートは風邪を引いてしまっていた。まぁ、その時の話は置いといて(もしかしたらそのうちやるかも)今まではニートが風邪を引いていたので遠慮していたが、その風邪が治った今、目の前のプー太郎に遠慮する必要も無くなったため改めて交渉をしているのだ。


ニート「…嫌だと言ったら?」


凪沙「カグヤに私と寝たことをチクる」


ニート「…い、いや、実際寝ただけじゃん?何もなかったじゃん?」


凪沙「だが後ろめたいことは確かだろう?焦っているのがその証拠さ」


ニート「だ、だが…しかし…」


少し考えるそぶりを見せた後、ニートはこんなことを提案して来た。


ニート「よし、だったらゲームで決めようじゃ無いか」


凪沙「ゲーム?」


ニート「ゲームで俺に勝てばベッドで寝かせてやろう」


凪沙「ふむ、とりあえずゲームの内容を聞こうか」


ニート「ゲームは簡単だ、しりとりで決めよう。だが、ただのしりとりじゃ決着がつかないから、制限を設けよう」


凪沙「ほう、制限とは?」


ニート「『自分が舐めたい物』限定しりとりだ」


凪沙「自分が舐めたい物だけでしりとりってことか?…まぁ、いいだろう、受けて立つ」


ニート「では俺から行こう。『しりとり』の『り』で…『りんご飴』」


凪沙「なるほど、りんご飴か。確かに舐めたいものだな」


ニート「さぁ、次は凪沙の番だ。『りんご飴』の『め』からだぞ?」


凪沙「め…め…」


『め』から始まる言葉で舐めたい物ってなんだ?。


舐める物となると意外にも選択肢は狭くなる。


凪沙「め…『メシ』」


少し考えて見たがふさわしい物が思いつかなかったため、ギリギリ舐めるてもおかしく無い程度の物を私は答えた。


ニート「ほう、『メシ』か…なるほどなるほど」


私の答えを聞いたニートはニヤニヤと不敵な笑みを浮かべていた。


凪沙「…何か問題でも?」


ニート「いやいや、あくまで今回のお題は『自分が舐めたい物』限定だ。どんなものを舐めたいと思うのは人それぞれ自由だ。だからそれについて文句を言うつもりはない。ただ…」


凪沙「ただ?」


ニート「凪沙、お前はメシを『舐めたい』のだな。普通なら食べるべきメシをお前は『舐めたい』と言ったのだ。いやぁ、メシを舐めたいだなんて…凪沙さんはたいそうな変わった趣味をお持ちですなぁ」


凪沙「なっ!?別にそんな趣味は…」


ニート「あれぇ?おかしいですねぇ?。だってさっき自分で舐めたい物を言ったじゃないですかぁ?。それとも嘘だったんですかぁ?だったらこのゲームのルールに触発しますねぇ?」


迂闊だった…。


ニヤニヤと笑いながらそう告げるニートの言葉を聞いて私はようやくこのゲームの本質に気が付いた。


そう、このゲームのお題はあくまで『舐める物』ではなく『舐めたい物』なのだ。


つまりは自分が舐める欲求をぶつける対象を晒し、そして自らそれを舐めたい宣言しているようなものなのだ。


だから、繋げる言葉は慎重に選ばなければいけない。


もししりとりのテンプレの流れのまま『ゴリラ』などと言ってみろ。その瞬間、そいつは『ゴリラを舐めることが趣味の変態野郎』という不本意な認定を受けることになるのだ。


要するにこれは…自らのフェチズムを天秤かけた仁義なき戦い。


一般良識的に舐めてもおかしくないものを頭をひねって考えるか、覚悟を決めて身を削って不本意なフェチズムの認定を受けるかしなければいけないのだ。


一見、なんら変哲も無いゲームに見えて、その本質は社会的存亡を賭けた恐ろしいデスゲームなのだ。


そんな社会的デスゲームの本質に気が付いた私は思わず型唾を飲み込んだ。


このゲーム…危険だ。私の本能が棄権を促している。


だが…引くわけにはいかない。


私はチラリとニートに占領されたベッドを見た。





ニートの魔の手によって囚われた愛しのオフトゥン。…彼をここでみすみす手放すわけにはいかない。






覚悟を決めろ、凪沙!!





オフトゥンのために…ニートを社会的に殺す覚悟を!!



覚悟を決めた私は鋭い敵意のある目つきでニートを睨みつけた。


ニート「どうやら…覚悟は決まったようだな」


凪沙「あぁ。…お前を殺して、私がオフトゥンを勝ち取る」


ニート「いいだろう…ならば来い!!完膚なきまで潰してくれるわ!!」


凪沙「もう迷わない…この手で貴様を殺す!!」


ニート「では行くぞ!!『メシ』の『し』で…『シロップ』!!」


凪沙「なっ…『シロップ』…だと?」


確かに、シロップならば舐めたいと言っても問題はないだろう。本来ならばかけるものではあるが、飲食が可能で液体であるものだし、おまけに甘いので舐めたいという気持ちも分からなくはない。


一般的に理解可能で大衆の共感を得られるであろうその選択は決してフェチズムなどとは言わないだろう。


さすがはニート…すでに社会的地位は底辺で守る物もないくせにうまいところを突きやがる。


ニート「さぁ、貴様の番だ。『シロップ』の『ぷ』だ」


凪沙「ぷ…ぷ…」


『ぷ』は厳しい。


『自分が舐めたい物』という制限を抜きにしてもそもそも『ぷ』から始まる言葉は思いつきにくい語句で、しりとりにおいて語尾が『ぷ』で終わるものばかりで相手を責める『ぷ責め』という戦術はかの有名な『る責め』にならぶ鬼畜戦略なのだ。


そしてさらに今回は『自分が舐めたい物』限定というルールが付きまとっている。


凪沙「ぷ…ぷ…」


ニート「くっくっく、分かっているだろうが、もしお前が安易な回答をしたらその瞬間、俺はこの携帯でみんなにお前のフェチズムを速報するつもりだぞ?」


そう言ってニートは慎重に言葉を選ぶ私に黒いガラケーをパカパカして見せた。


この黒いガラケーは通信が不可能となったこの街における唯一の通信可能な機器であり、かつてニートと共に島でデスゲームした仲間と私しか持っていないものだ。


送る相手が10人にも満たないとは言えど、この決して広くはない封鎖された街では私のフェチズムの噂が広がってしまうのも時間の問題だ。


この『自分が舐めたい物』限定しりとりで、もし安易に『プール』などと答えようものなら…私はプールを舐めたい変態人間扱いされてしまう。


しかもただの水ではなく、わざわざ多くの人が利用するであろうプールを舐めるというフェチズムはその変態度合いをより高い次元へと昇華させてしまうだろう。


もしそんなフェチズムが携帯で一斉送信されようものなら…翌日学校でカグヤに会った時に妙に優しくされつつも微妙な距離感で接してくるようになるだろうし、噂が広まれば両親からも甚大な心配をされてしまうだろう。


やがて常人の理解には遠く及ばないその性的倒錯により、変態の烙印を押され、住民から人間扱いされなくなるのだ。


だからこそ、答えは慎重に選ばなければならない。


だが、『ぷ』から始まって舐める物なんて…いや、諦めちゃダメだ。


考えろ、考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ!!!。


腐った頭をフル回転させて!!偏った知恵を振り絞って!!ありとあらゆる手を模索するのだ!!!


舐めたい物…舐める物…舐める…舐める…………そうだ!!。


窮地に追い詰められた私はひたすらに悩んでいたその時、一筋の突破口が見えたのだ。


凪沙「ぷ…『プー太郎』」


ニート「…プー太郎ってお前…そんなに俺のことを舐めたいのか?」


凪沙「おっと、勘違いするなよ?ここで私のいう『舐める』は舌をなぞることではない。相手を見下し、みくびる意味の『舐める』だ」


そう、私の突破口とは…『舐める』という言葉の持つ意味の置き換え。舌で舐めるべきものを探すのではなく、前提となる『舐める』の解釈を変える戦略。


この必殺技を私は【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】と名付けた。


ニート「くっくっく…やるではないか。まさか【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】の使い手であったとは…」


なぜか知らないがニートにも【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】が通じていた。


凪沙「さぁ、次はあなたが絞首台に足を踏み出す番よ。晒しなさい、あなたの致命的なフェチズムを。『プー太郎』の『う』よ!!」


ニート「くっくっく…こいつは傑作だ。まさか貴様…【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】を使えるのは自分だけだと思っていないか?」


凪沙「…何が言いたい?」


ニート「【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】は…なにもお前だけの専売特許ではないのだよ!!」


凪沙「なっ!?あ、あなた…まさか!?」


ニート「我が【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】を見るがよい!!。『独活の大木』!!」


凪沙「なっ…う…『独活の大木』だとぉぉぉぉ!?!?!?」


確かに【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】を利用すれば図体だけがでかいだけの役立たずである『独活の大木』は『舐める』べき存在である。


ニートが言っている答えは彼の社会的地位になんら影響もなく、フェチズムには満たない一般的価値観であった。


凪沙「私の渾身の一撃を…こうもあっさりと返すとは…」


ニート「くっくっく…もう諦めて大人しく私にベッドを引き渡したらどうかね?そうすれば君はまだメシを舐める程度の変態でいられる」


確かに…いまならまだ傷は浅い。


ここで引き返せばまだ人として歩む道が残っている。


メシを舐める変態くらいなら周りの人から少し優しくされるくらいで済ませられるのだ。


だけど…だけど…


凪沙「そういうわけにはいかない。誓ったんだ…もう君を…オフトゥンを離さないって…」


聞こえる。


オフトゥンが私を呼ぶ声が…。


ここで私が諦めたら、オフトゥンは一生私の元に帰ってこないかもしれない。


ダメだ!!。


そんなのはダメだ!!。


約束したんだ!!君を離さないって!!。


私は再び思考を張り巡らせる。


この場を凌ぐ一手を、奴を穿つ一撃を…。


凪沙「『独活の大木』の『く』…『く』…」


考えに考え抜いた末、私はある言葉を閃いた。


凪沙「『クリーム』!!」


そう、クリームならば舐めたいと言っても問題はないだろう。


ニート「くっくっく…見事だ。この私を前にまだ戦うことを諦めていないとは…。この私がここまで追い詰められるのは初めてですよ」


私の最善の一手にニートも称賛の声をあげた。


ニート「だが、この私が【†錯乱する前提変換ソースパラドックス†】しか使えないと思っているのか?」


凪沙「なんだと?」


ニート「見せてやろう!!私の奥義を!!。『クリーム』の『む』だから…『娘』!!」


凪沙「なに!?『娘』だと!?」


それは…フェチズムに相当するんじゃあ?。


ニート「ふっ、そうさ!!娘を舐めたいなんて宣言すればそれはまごう事なきフェチズムだ!!。だが、まだ理解し得るフェチズムだ!!」


凪沙「…そうか…そういうことか…」


こいつ…その場をしのぐ一手の選択肢を増やすべく、あえて軽いフェチズムを答えることを解放したんだ。


無傷…とまではいかずとも、男性ならば誰しもが多少は抱いている欲求のはけ口を宣言することにより軽症で済ませ、致命傷を避ける戦術、まさに肉を切らせて骨を断つ一撃。


ニート「俺はこの技を…【†明かすべき欲求の衝動オープン・ザ・イド†】と名付けた」


凪沙「そんな…バカな…」


ここに来てこんな手を隠していただなんて…。


ニート「さあ、俺は身を削る覚悟はしたぞ?今度はお前の番だ、凪沙!!」


私は絶望を前に思わずたじろいでしまった。


もう…ダメかもしれない…。


私の脳裏には諦めという文字が浮かんでいた。


それでも思考を停止していなかった私は戦いを続けた。


凪沙「『め』…『め』…『メンソール』!!」


ニート「『ルーズソックス』」


凪沙「ぐっ!!。えっと…『す』…『す』…『スコッチウイスキー』!!」


ニート「『生娘』」


凪沙「ぐああああああああ!!!!!!」


【†明かすべき欲求の衝動オープン・ザ・イド†】を解放させたニートを前に私に勝ち筋は残されていなかった。


なにを答えようがノータイムで返答してくるニート。当然だ。【†明かすべき欲求の衝動オープン・ザ・イド†】を発動させたニートは純粋に自分の好きなフェチズムを答えるだけで事足りるのだ。


私のようにあれやこれやといろいろ考える必要もなく、ただ自分の欲求のままに答えればいいのだ。


圧倒的アドバンテージを得たニートに、私はただただ絶望し、その場で倒れてしまった。


勝てない。


私の脳をその四文字が支配した。


もはや思考もおぼつかない。このままゲームを続けてもただいたずらに私のフェチズムが増えていくだけ。


致命傷を受ける前に…ゲームを棄権すべきだ…。


圧倒的な強敵を前に床に伏せ、勝ちを諦めた死んだ瞳で床に散らばる同人誌を見つめながら私がそんなことを考えていたその時…。





諦めないで…。




どこからともなく声が聞こえて来たのだ。


声の主を探すべく、キョロキョロと辺りを見渡す私の瞳に一冊のBL同人誌が飛び込んで来た。


その同人誌はクールで少しいたずらっ気のあるメガネ(♂)が恥ずかしがり屋の少年と愛を育むといった内容であった。




諦めないで…まだ君には…僕たちが残っているだろう?。



その瞬間、たくさんの二次元男キャラが私に微笑みかけてくる光景が私の脳裏に映った。


そうだ…私にはまだ…彼らがいる。


再び戦地に赴くべく、フラフラと、しかしながら力強く、私はその場から立ち上がった。


ニート「はっはっは!!!まだ立ち上がる気力が残っていたとはな!!。いいだろう、死にたいのなら完膚なきまで殺してやる!!。来い、凪沙!!。『生娘』の『め』だ!!」


そんなニートを前に私は静かに、それでいて力強くこう答えた。


凪沙「『メガネ攻め』」


ニート「な、なに?」


凪沙「聞こえなかったか?ならばもう一度言ってやろう…『メガネ攻め』だ!!」


ニート「『メガネ攻め』だと?…貴様、『メガネ攻め』を舐めたいと申すか?」


凪沙「舐める?そんな言葉じゃ足りないね。舐め回すように見るのはもちろん、あれやこれやと妄想して、そして漫画としてこの世界に創造するくらいには愛してるね」


ニート「…驚いた、ここに来て【†明かすべき欲求の衝動オープン・ザ・イド†】に目覚めるとは…」


元々腐女子として名を馳せていた私にとって、メガネ攻めが好きなことが露呈することくらいどうってないこと…いや、むしろ露呈させたいくらいのものだ。


もう失うものはない、恥ずべきものもない。


あとはこのBLへの愛の赴くままに答えるだけだ。


ニート「『メガネ攻め』の『め』だから…『メイド』!!」


凪沙「『同人誌』」


ニート「えっと…『処女』!!」


凪沙「『横攻め』」


ニート「くっ…『め』…『め』…『眼鏡っ娘』!!」


凪沙「『公式カップリング』」


ニート「くっ、くそ!くそ!くそ!」


お互いに捨て身の覚悟…【†明かすべき欲求の衝動オープン・ザ・イド†】を発動させた今、もはやこれは想いの強さを比べる戦いなのだ。


どれだけ自分の好きなものが思い浮かぶかという戦い…つまりはフェチズムへの愛の強さの戦いなのだ。


凪沙のBLへの思い入れはもはや他の追随を許さない領域の愛だ。


そんな凪沙に愛の強さで勝負しようものなら…。


ニート「『ぐ』…『グラマー』!!」


凪沙「『マゾ受け』」


ニート「えっと…えっとえっとえっとえっと…『け』…『ケモミミ』!!」


凪沙「『水攻め』」


ニート「うわあああああああああ!!!!!」


所詮は一般的趣向を少し拗らせた程度のフェチズムしかないニートが叶うはずがないのだ。


ニート「『め』…『め』…」


凪沙のBL愛を前にもはやニートは虫の息だった。


ニート「『め』…『メス』…」


振り絞るように出した最後のすかしっ屁は…。


凪沙「『素クール』」


当然のごとく凪沙に打ち砕かれた。


ニート「…俺の…負けだ…」


そんな言葉を残して、ニートはベッドに倒れこんでしまった。


凪沙「…まだまだ愛が足りんな、ニート」


こうして、この仁義なき社会的地位デスゲームを私は制したのであった。







凪沙「で、約束通りさっさとベッドを明け渡してくれないか?」


ニート「…いいだろう。約束は守ってやろう」


ニートはそう言うとベッドの半分を明け渡すようにベッドの隅に退いた。


凪沙「何のつもりだ?それは」


ニート「お、俺は…確かに『勝てばベッドで寝かせてやる』とは言ったが、ベッドから退くとは一言も言っていない」


凪沙「…は?」


ニート「残念だったな、つまりはそういうことだ」


そう言ってニートはベッドの半分を明け渡してふて寝した。


凪沙「ふ…ふざけるな!!このクズニート!!」


ニート「はっはっは!!試合に勝った勝負に負けたってやつだ、残念だったな!!凪沙」


凪沙「…そっちがその気なら…意地でも退かしてやる!!」


ニート「バカめ!!俺はテコでも動かんぞ!!」


こうして、仁義なき戦いの2回戦が幕を開けた。


ニートを退かすべく果敢にニートには立ち向かう凪沙。


何度も何度もベッドを『ギシギシ』と言わせながら二人の激しい夜戦は続いた。(深い意味はない)


お互いに(ベッドで寝たいという)欲望の赴くまま、獣のように相手に襲いかかる。(深い意味はない)


滴り落ちる汗、乱れていく衣服…それでも(ベッドを)支配したいという欲求は止まず、二人の激しい夜の戦いは1時間ほど続いた。(深い意味はない)


事が済んで精力を使い果たし、息を荒くした二人は気がつけば並んでベッドに横になっていた。…いわゆる事後である。(深い意味はない)


ニート「はぁはぁ…なんだ?もう終わりか?終わるのが早いな、凪沙」


凪沙「普段はそんなそぶりなくても…ベッドの上だと強情だな、ニート」


大切な事なので何度も言うが深い意味はない。


ニート「そういう凪沙だって少し力が強かったぞ?もっと優しくしてくれよ」


凪沙「仕方ないでしょ?ニートが全然(出て)イってくれなかったんだもん。私だって頑張らなきゃいけないじゃん」


…うん、深い意味はないよ。


ニート「俺だってこうやって無理やりされるのは初めてなんだ。加減なんて分かんねえよ」


凪沙「私だって初めてよ、こうやって無理やりイかせるのは」


…いや、だから深い意味は無いって。


凪沙「まぁ、いいや。疲れたから私寝るわ、おやすみ」


ニート「おう、おやすみ」


こうして激しい夜戦の末、再び二人は寝床を共にすることになったとさ。


…でも深い意味は無いんで、安心してください。


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