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どっちつかず
どうしても許せないたった一言があるって。
自分の心の狭さが醜いなんて。
そんなこと言わないで。
許せないのは、あなたの中に芯があるからだもの。
ここからここまでって、綺麗な境界線。
越えられるもの、越えられないもの、はっきりしてる。
どっちつかずの私は、そんなあなたを見上げるだけだけど。
あれもこれも良いと思うのは邪道だって。
八方美人だと思うなんて。
そんなこと言わないで。
認められるのは、あなたの中がぶれないからだもの。
どれもこれも受け入れられる、大きな世界。
何もかも飲み込んで、ぜんぶ咀嚼して、自分の糧にする。
どっちつかずの私は、そんなあなたを見上げるだけだけど。
どっちも良いって思って、でもどっちにもなれない。
どっちにもなれないけど。
でも、なれないからこそ。
あなたのこと素敵だって、こっそり思ってる。