表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/38

もしも、僕が。

 もしも、僕が王さまだったなら。

 君の欲しいもの、何だって買ってあげるのに。

 きらきら輝くサファイアの首飾り。

 金色に縁取られた、繊細な彫刻の馬車。

 真っ白な壁に空を映す、君のためだけの宮殿だって。


 もしも、僕が吟遊詩人だったなら。

 君を讃えるうた、いくつだって謳うのに。

 打たれても立ち上がる、強い心。

 希望を失わず前を見る、その瞳のうつくしさ。

 自分だけの正義を、黙って両手に包む優しさだって。


 もしも、僕が魔法使いだったなら。

 どんな魔法だって、君にあげるのに。

 君の心が傷付いたあの日まで、時間を巻き戻そうか。

 長いこと夢見てる君の願い、叶えてあげようか。

 それとも、大空を翔けて海を渡って。

 君のこと嫌う人が誰もいない場所まで、連れて行こうか。


 もしも、僕が。


 もしも、僕が今、君の隣にいたら。

 秋風に吹かれる寂しい肩、抱いてあげられるのに。

 たった1人で冬へと向かってく背中。

 そっと、押してあげられるのに。


 もしも、僕が今、君の目の前にいたら。

 きっと2人、抱きしめ合って、春を待てるのにね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ