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そばに立つオオカミ
キミが孤独に沈む真夜中、
ボクはただ、キミの涙を止めたいだけのオオカミ。
満月から貰った黄色いハンカチ持って、
キミの冷えた踵を温めに行くよ。
キミが失望を感じる明け方、
ボクはただ、キミの笑顔を取り戻したいだけのオオカミ。
今日一番に開いた朝顔の鉢抱えて、
キミの丸まった背中なでに行くよ。
いつだってボクは、
キミのためだけのオオカミ。
キミがお気に入りのペンを投げ捨てた午後、
ボクはただ、キミの言葉に耳を傾けるオオカミ。
何も知らなくて、何も言えなくて、
だけどキミの紡ぐ言葉をいつまでだって待ってる。
キミの背に寄り添う、
キミのためだけのオオカミ。




