10/38
あの頃きみは
あの頃きみは 若かったの
道は幾つもあるって思ってたの
何だって出来るって 何にだってなれるって
心の底から信じてたの
あの頃きみは 必死だったの
周りのことが見えてないって知らなかったの
世界をコントロール出来るって 自分だけは特別って
がむしゃらに頑張ってたの
ねえ 振り返ってみて
あの頃きみは どんな顔してたの?
隣を歩く人に 笑いかけることってあったの?
それとも 前しか見えてなかったかしら……
ねえ 振り返ってみて
今 きみの後ろにいるのはどんな人なの?
うなだれるきみの背中 誰が支えているの?
それとも 本当にたった1人で立っているのかしら
世界は狭くなったかしら
輝きは損なわれているのかしら
道は絞られてしまったかしら
ねえ 振り返ってみて
きみの背中で風をはらむ 白い羽が広がっているよ




