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たった1人で頑張っている君へ捧げるエール

 ほら、今日もまた。

 理不尽な嘲笑が君を叩く。


 親切と合理の仮面を被った、友人という名の他人が言う。

 そんなこと意味があるのって。

 何のためになるのって。


 優しい君は少し迷って。

 少し、傷付いて。

 だけど、そっと道を譲った。

 微笑んで、そうだね、と答えた。


 でも、ボクは知ってる。

 ボクだけは知ってる。

 別れた後、君は1人ぼっちで悔やむ。

 一緒になって笑ってしまったこと。

 大人ぶって、衝突を避けたこと。

 自分だけの宝石を、守れなかった弱さを。


 ボクら誰もスーパーマンじゃなくて、何もかも切り捨てちゃ生きていけない。

 ボクらを縛るのは鎖じゃなくて、柔らかく絡みつく位相の違う友情。

 目に見えない血や、限りない恩や、降り積もる時間という名の愛情。

 受け流すことも出来ない重さで、時に君の両手を繋ぐ。


 君はいつも、見えない場所で涙を拭ってから、振り返って笑う。


 誰も知らない背中の向こうの表情を、ボクだけが知ってる。

 例え君がボクの視線に気付かなくても。


 今日も、ため息をついて、それでも筆を取る君を見てる。

 絶望と諦めを、肩こりで重い腕で掻き分けて。

 向こう側に輝く光に手を伸ばす君を、見てる。

 ぶすくれた顔で、目をすがめて、必死に探すたった1つの言葉。


 例え君が信じていなくても。

 例え君に声が届かなくても。


 ボクは信じる。

 君が今探し当てたその言葉が、いつの日か多くの人の心を震わせることを。

 いつか君に、天上から降り注ぐ光のような幸福と、限りない祝福があらんことを。


 離れた場所にいるボクからの。

 声も届かない君に捧げる、エール。

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