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監禁
何の感慨も含まない、冷たい声。
学校で会っている時は、一度たりとも聞いたことはない。明らかに違う声音。
「好きだよ」
これではどちらが主導権を握っているのか判らない。
「うん、知ってる」
「ずっと……ずっと、好きだったんだ」
「だから?」
選択権は、最初から存在しなかったのかも知れない。
そもそも捕まったのは自分の方だったのだ。手に入らないことが判ったから、こんなことをしたのだろう。
ココロが手に入らないのなら、せめてカラダだけでも。
単純な理由。明確であるが故に、狂った思考を止めることが出来ない。
「ねぇ」
ぞっとするほど妖艶な微笑。
狂ったような嗤い。
「気の済むまで、この狂った遊びに付き合ってあげるよ」