ヘテロドックス先生
ここは公立サブリミナル中学校
この学校に一人の教師がいる
その教師の名前は【屁手呂正和】38才、教科社会
この先生の教育方針、授業形式、カリキュラムは他の教師達と比べるとかなり異色である
それをみて他の教師は彼のことを教師間の中でこう呼んでいる
その名も【ヘテロドックス先生】と
それを生徒の誰が聞いたか知らないが生徒間の中でもヘテロドックス先生で通っている
この教師はなんとなく変わり者的イメージで周りからはいじられ役の教師と思われる方も多いとは思うけれど、事実はその逆で彼は職員間でも生徒間の中でも別の意味で校内一恐れられた教師なのであった
さあ、これからそのヘテロドックス先生の授業が始まろうとしている
はてさて、3−A組の今日の授業は一体全体どんな授業になるのだろうか
“キィィ〜ンコォオ〜ン♪カァ〜ンコォオ〜ン♪”
教室「ザワザワザワザワァ〜・・キャッキャッ!・・うらうらうらぁぁあーっ!健太てめぇ金返せこの野郎!・・いやぁぁあ〜んもぉう!良子、タンポン落ちてる!血が!血が!・・山崎、おまえ教室でザーメン飛ばすなっつってんだろうボケなす!・・・だいたい安部政権なんてよぉう!・・・ねぇねぇ玲花ぁ、昨日のドラマ「セクシー奉行」見たぁ!・・シャブゥ〜・・シャブゥ〜・・アッハッハッハッ!・・ウッシャッシャッシャッ!・・ハァ、ハァ、ハァ、・・モォォォオォ〜〜ゥウッ!・・・私が当選した暁には!・・・おいおい!先公まだかよ!おそいじゃねぇかよ!いったい何の授業だよ!?え?歴史?誰だっけ先公の野郎は?え?ヘテロ?ぇぇぇええええっっ!!マジかよぉおっ!ん?何か聞こえねぇかおい?ちょっとみんな静かにしろよ!だぁぁあっとれ!」
「小峰、小柳、斉藤、坂本、酒井、島田・・」
生徒A「おいおい出席とってるよ!どこだどこだ!どっから聞こえてくるんだ!?」
「須藤、瀬川、泉田、添島、園川、反町・・」
生徒B「怖い〜・・私怖い〜・・」
「田中、田島、田上、武田、田上・・」
生徒C「畜生!どこにいんだよヘテロ!早く出てこいよこの野郎!」
「土田、手島、手塚、戸塚、富岡・・」
生徒D「ハヤク、デテキテ、クダッサイ、アナタガ、トゥキダカラ!」
「・・・ココニ、ワラシモ、イルヨ、ワラシモ、トゥキダカラ!」
生徒E「チャンドンゴンか!きさまら!」
生徒F「いたぁあ!ここにいたぞぉおおっ!こいつ京香に化けてやがるぜぇえええっっ!!」
「ふ・・ふふっ・・ふははははははっ・・にゃぉぉぉぉおおおぉぉ〜ん」
シャキンッ!シュキンッ!シュワッ!ピュキンッ!シュピッ!
タラァァ〜・・・・
ヘテロは中指と人差し指の間にサバイバルナイフを挟め目にもとまらぬ電光石火の早技で生徒達の頬を切っていった
あまりにもの高速で切られたため生徒達は一瞬何事が起こったか理解できなかったが頬を伝う血の滴のなま暖かさを実感すると痛点が脳に達し痛みが頬を走り背筋に戦慄が走るのであった
切られた生徒達「ひぃぇぇぇええええええええええええええぇぇぇ〜〜っっっ!!!!」
「さてと・・今日は何ページ・・ページ?・・ジミーページ!レッド・ツェッペリン!吉中!このツェッペリンのCDを今すぐ放送室に行って大ボリュームでかけてきなさい“グサァッ”
吉中は脳天に鉛筆を突き刺され、さもマッコウクジラの背中から吹き上げる潮飛沫の如く脳天から色鮮やかな血飛沫を吹き上げながら放送室に駆けていった。
「・・うん!・・うん!うん!ナイスツェッペリン!・・・うん!やっぱこれだなツェッペリン最高!」
生徒G「先生!早く授業して下さい!」
「はい、はい、そうです、サブリミナル中学、はい、3−A組、そう、直接、そう、はい、中華丼とラーメンお願いします、プチッ・・」
生徒H「あんた授業中に何考えてんだよ!早くしろよ授業!」
「なんの授業をだ?」
生徒I「歴史に決まってんだろがこのタコ!」
「タコ?食べ物のタコなのか?それとも大空に舞いあがるタコなのか?どっちなんだ?」
生徒J「うるさいよあんた!早くやれよ!歴史の授業をよぉ!」
「歴史ってなんだ?お前分かったような口をこの先生にたたいたが、歴史ってなに?」
生徒K「昔起こったことじゃぁないですか!先生いい加減にして下さいもう!」
「そんな昔起こったことなんかどうでもいいじゃないか」
生徒L「ならなんであんたは社会の教師になったんだ!?」
「社会っていうよりもぉ、なぜ私が教師になったか?それを聞いて下さい」
生徒M「ならなんで先生は教師になったんですか!」
「この中から当ててみよ!1,公務員だから 2,ロリコンだから 3,色んな人から先生、先生と言ってもらえてなんか偉くなったような気がするから 4,父兄からいろんな物をもらえるから 5,夏休みがあるから 6,家庭訪問で色んな人妻と会えるから、よしんばその人妻を喰えるから、人妻ってお前らの母ちゃんだけどな 7,社会一般の常識がなくてもやって行けるから、な、先生達は他の人に絶対頭なんか下げないだろう? これらの中から私が教師になった本当の理由を選びなさい」
生徒一同「全部じゃんっ!!」
「ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンッ!全員正解!!今回の期末テスト全員100点満点!!」
生徒一同「キャッホーーッッ!!やったぁーーっ!ばんざぁーーいっ!ありがとー先生!素敵すぎるぅーー先生!!」
「な、これが社会なんだよ、お前ら、社会ってなぁ、こんなもんなんだよ、お前らがそれこそ社会に出たら分かるもんなんだよ、な、分かったか?よぉ〜く覚えておけよみんな!社会たぁこんなもんなんだよ!これが社会の勉強っちゅうものなんだよ!ぁあっ!?」
生徒会長「そうですよね先生!昔あったことなんか勉強したって社会にでても何の役にも立ちませんからね、ましてや昔あったことなんて言いましたけど、本当に教科書に載ってることが真実だとは限りませんからね!いやむしろ教科書に載ってることの殆どが真実かどうかはかなり疑わしいですよ、だってそんな昔のことを誰が立証出来るんですか!?昔のことは過去のこと、過去のことは終わったこと、終わったことはどうでもいいじゃないですか!過去を振り返ってどうすんのよ!もっと前向きに前向きに生きていこうじゃあーりませんかみなさん!!」
一同「パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!(喝采の渦)イヨッ!この大統領!さすが生徒会長だぜ!キャァーーッ!もう川上君素敵ぃぃいっ!パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチッ!(スタンディング・オペレーション)」
「川上、おめでとう!お前は今学期の社会は5で決まりだな、みんな!これこそ社会だ!社会の仕組みなんだ!そして川上は社会の勝ち組なんだ!よぉぉ〜〜く覚えておくがいいおまえら!こうやって歴史は作られるのだ!」
満万軒「ちゃぁあーーすっ!ラーメンと中華丼お持ちしましたぁあっ!」
「いくら?」
満万軒「ラーメンと中華丼でしめて1520円です!」
「あ、そう・・みんな聞いたかぁああっ!ラーメンと中華丼でしめて1520円だそうだぁあ!誰かこの代金を自分が払いたい、いや、是非とも払わせて下さいお願いします! というヤツはいるかぁああっ!?」
一同「ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ1ハイッ!ハイッ!ハイッ!」ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!ハイッ!」
3−A組の社会の授業はひときわ活気と熱気に溢れていた
子供達はまた一つ社会の勉強をしたのだ
屁手呂の授業は実践の授業
身をもって社会に出たとき何が一番大切なのかをハートで教える魂の教師
屁手呂は大好物の満万軒のラーメンと中華丼に舌鼓を打ちながら、微笑みをもって目前で列をなしている生徒達全員一人一人と熱く握手を交わしながら一人一人から1520円を徴収していた
なお、代金の1520円は学校経費で落としたらしい・・
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