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     歪んだ感情 ④


少女は、生まれた時から心臓に重い病気を抱えていた。

どんなに長生きしても、10年が限界。

医者から告げられた少女の寿命だった。


今の医学ではどうする事も出来ず、彼女を救う術はない。

自分はたった10年しか生きれない体。

その事実を知ったのは9歳の時だ。

既に、いつ死んでもおかしくない年齢に達している。

少女は、明日を迎える事ができないかもしれないし、もしかすると医者が告げた以上に長生きが出来るかもしれない。


いつ死んでもおかしくはない、明日生きているかどうかもわからない体。

毎日毎日、死ぬかもしれないという恐怖に襲われる日々は幼き少女にはあまりにも過酷すぎた。

父親はそれを直視できないせいか、娘と顔を合わせなくなってしまっていた。

だけど母親は違う、毎日毎日微笑んでくれて、少しでも長く一緒にいてくれた。


「ママ、どうしてパパは私の事を避けるの?」


「何言ってるのよフィミア、パパは貴方を避けていないわ。 パパは仕事が忙しくて、逢いたくても貴方に顔を合わせることが出来ないのよ」


「ウソツキ、パパなんてキライだから。 私にはママがいればいい、ママ、ママ。 ママ、大好きだからっ!」


「ダメよ、今度そんな事言ったら愛してあげないわよ?」


「イヤ、それはイヤっ! 愛して、ねぇ愛してよ?」


「良い子ね、フィミア。 私の愛しい愛しいフィミア……ああ、フィミア――」


母親の弱々しい腕は、フィミアを優しく抱きかかえる。

とても暖かくて心地がいい……だけど、寂しさも感じた。

母親は笑っていない、涙を流していたから。

どんなに手を尽くしても『死』という運命は簡単に覆せない。

フィミアや母親がいくら愛を確かめ合おうと、時間は残酷にも過ぎていく。

何時までこうしていることが出来るのか、何時まで母親の愛を感じてられるのか。


そんなある日、突然父親が慌しく部屋へと飛び込んできた。

病院の中を全力で走りきったのだろう、呼吸が荒々しく、汗もびっしょりかいている。

いつもビシッと決めているスーツもよれよれで、メガネもだらしなくずらしながら父親は笑っていた。


「喜べフィミアっ! お前の病気は治るぞっ!! 」


「フィミアが治る……? 貴方、それは本当なの?」


治る、病気が……治る?

フィミアは突然の父親の言葉に驚きを隠せなかったが、それ以上に母親の方が驚いていた。


「ああ、私に任せてくれっ! 医者にも話は通してあるんだ、すぐにでも手術を受けてくれっ!」


「でも、そんな治療受けられるほどお金はないのでしょう?」


「私の研究費用があれば何とかなるだろう……これで、フィミアは助かるはずだ」


「貴方――」


父親はE.B.Bに対抗する為のHAを開発する機関の研究員だった。

研究に追われる毎日で、家族に会えなかったというのは嘘ではない。

だが、僅かな空き時間を利用して娘が助かる方法をずっと探してきていたのだろう。


「私、普通の女の子になれるの?」


「ああ、なれるともっ! もうお前は苦しまなくていいんだ……学校にだって通えるようになるぞ、友達もたくさんできるぞっ!」


「本当に? パパ、大好きっ!!」


病室を一度も出たことがないフィミアは、学校というものに憧れていた。

毎日友達と一緒に勉強をしたり遊んだり、時には喧嘩したり、辛い事があったら励まし合ったり――

しかし、フィミアにはそれが叶う事がない。

いつも心の隅に留めておいて、今は生きる事だけを考える。

あんな辛い毎日が……なくなるというのだ。

そんな夢のような治療を、受けない理由がない。

フィミアは勿論の事、母親も自分の事のように喜んでくれた。


手術はその日のうちに始められ、無事に成功した。

後は数日様子を見て問題がないとされれば、無事退院することが出来る。

そのはずだったの、だが――


「何故だ……何故、娘がそんな目に逢わなければならないんだっ!!」


「貴方、落ち着いてっ!」


「私はフィミアの、フィミアの為に……クソッ! どうしてだ、どうしてだぁぁぁっ!!」


手術が終わった数日後、そこには両親が笑っている姿はなかった。

その日を境に父親と母親は毎日のようにケンカをし続ける。

何故だろう、フィミアの病気は完治した。

完治したのに、何故ケンカをしているのか理解できなかった。


「やっぱり、パパはキライ。 ママのことをいじめる」


「ダメよ、パパをそんな風に言わないで。 パパは疲れているのよ、どうかわかってあげて」


「じゃあどうしてママに酷い事を言うの? この前だって、ママはパパに殴られていた。 ねぇ、どうしてなの――」


ドクンッ

突如、フィミアの鼓動が高まった。

胸がざわつくような、奇妙な感覚が走る。

傷口が痛むのかと思えば、不思議と痛みを感じない。

フィミアは無意識のうちに、自ら胸に巻かれていた包帯を解いていく。


「やめなさい、やめなさいフィミアっ!」


母親は突如、鬼のような形相でフィミアの手首を握りしめた。


「イタイ、ママ……痛いっ!」


「いきなりどうしたというの? もし傷口が開いちゃったら大変なのよ?」


「ママ、ひどい……どうして、ひどいことするの?」


「……ごめんね、フィミア。 そんな乱暴するつもりはなかったの」


母親は困惑の表情を浮かべてそう告げる。

ウソだ、今まであんな怖い表情……見せたことがなかった。


ドクンッ――

再び、フィミアにあの奇妙な感覚が襲い掛かる。

自分の鼓動が、徐々に高まっていくのを感じていく。


「ウヒヒ……イヒヒヒ――」


「フィミア?」


「アハハハ……アッハッハッハッハッハッハッハァッ!!」


「フィミア、どうしたのっ!?」


突然フィミアは、狂ったかのように甲高い声で笑い始めた。

母親の表情は、真っ青だった。


「ママ、ねぇママッ! いつもみたいに、笑おうよ。 笑えば、嫌な事もいっぱいいーっぱい、忘れられるんだよ?

アハハ、アッハッハッハッハッハッハッハッハッハァッ!!!」


「だ、誰か……誰かぁぁぁっ!!!」


母親の悲痛の叫びが、病院中に響き渡った。

だけど、フィミアは笑うことを止めない。

看護師や医者が駆けつけようと、母親がショックで倒れようとも、そんな事お構いなしに笑い続ける。

フィミアの心は、壊れてしまった。

それからも彼女は意味もなく笑い、時には奇声をあげては薬で眠らされる毎日が続き……いつしか母親は、病室から姿を消した。


「アハハ、だぁれもいない。 ママ、どうして私から逃げるの? 前みたいに、私を愛してよ……ねぇ、ママ」


真っ暗な病室で、フィミアは一人呟いた。

胸がざわつく、また鼓動が高鳴っている。

今度は邪魔者はいないと、フィミアは一人で包帯を解いた。

包帯の下を確認すると、そこには思わず目を背けたくなるような光景が広がっている。

傷口を中心に、体の一部が異形へと変化していた。

紫色を帯びた奇妙な肌色と、爬虫類のようにツルツルとした人間ではない肌触り。

フィミアは気づいた、母親が自分の前から姿を消した理由に。


「そっか、ママは気づいていないんだ。 私が私である事に……だから、私から……逃げたんだ」


自らの両手を見つめながら、フィミアは呟く。

そして、ニヤリと口元を釣り上げた。


「ウヒヒ……イヒヒヒィ……アハハ、アッハッハッハァッ! アーーッハッハッハッハッハッハァッ!!!」


孤独、悲しみ、恐怖。

それすらを超越した彼女の笑いは、病院に痛みを告げるかのように響き続けた。










コックピットに身を乗り出し、シリアは力強く叫んだ。

だが、トリッドエールのコックピットは開かない。

シリアは銃を構えて、トリッドエールへと飛び移った。

一歩でも間違えれば命はなかったが、不思議と恐怖は感じていない。

バァンッ! コックピットのハッチに向けて、シリアは数発銃を撃ち込んだ。


「こんの……っ!!」


ギギギ、と力強くハッチを引くと徐々にハッチが開かれていく。


「ママ、ママァッ!! 何処なの、何処にいるのぉぉぉっ!?」


ハッチを開けた途端、思わず耳を防ぎたくなるほどの奇声が飛び込んだ。


「おい、テメェ……アタシが見えねぇのかっ!?」


「……ママ、ママなの?」


「誰がテメェのママだ? あんまりふざけてると撃つぞっ!」


シリアに気づくと、急にピタリと奇声が止んだ。

フィミアの目は赤く充血しており、ポロポロと涙が流されている。

見るんじゃなかった……と、シリアは少しだけ後悔した。


「お姉さん、お姉さん?」


「お姉さんじゃねぇ、アタシにはシリアって名前があんだよ」


「シリ、ア? シリアは、ママなの?」


「だからちげえっつってんのに……ま、いいや。 アンタさ、寂しいんじゃないか?」


「寂しい? 私が、寂しい?」


フィミアは目をキョトンとさせて、戯言のように呟く。

シリアのナイフを込めたパンチが効いたのか、驚くほどフィミアは冷静だ。


「アンタの『愛』は間違ってんだよ……あんなもの、ただの暴力でしかない。

寂しいならちゃんと寂しいと言う、友達になりたいなら友達になりたいとちゃんと言う、そんな事もできねぇガキなのかよアンタは」


「ウヒヒ、お姉さん……私の事を愛してくれない、嫌いなんだね。 だから、私にヒドイ事をするんだ」


「ヒドイことだと? テメェは散々、無意味に人の命を奪ってきた……その事を、何も感じねぇのかっ!?」


シリアはフィミアの胸倉を掴み、怒鳴った。


「他人に愛されたいのなら、まずは痛みを知れっ! アンタの愛で一体何人もの人間が犠牲になったんだ? 一体どれだけの人が、アンタにヒドイことされたと思ってんだよっ!!」


「痛み? 痛み、痛み痛み痛み……ウヒヒ――」


フィミアの口元が、再び釣り上った途端――ガバッとシリアの手が口を押えた。


「笑うところじゃねぇだろうが……何がおかしいんだ、言ってみろ? 場合によっては、アンタを撃ち殺してやるっ!」


口をモゴモゴとさせ何かを必死で訴えているが、シリアは決して手を放そうとしない。

手足をジタバタとさせ、爪でガリガリと腕を引っかかれたシリアは、痛みでつい手を放してしまった。


「イヒヒ、お姉さんにはわからない。 私の痛み、私の悲しみ、私の想いなんてっ! だから、愛してくれない……ひどいことばかり、するぅぅっ!!」


「だから、わかってやるっつってんだよっ!!」


シリアが叫んだ途端、フィミアは表情をハッとさせた。


「お前の痛み、知ってやるからアタシに話せ。 そしたら、好きになってやる。 アンタの愛を受け止めてやる。

その代わり、アンタはアヴェンジャーから抜けろ。 もう二度とこんな悪さ、すんじゃねぇぞ」


「……好き? お姉さん、私を愛してくれるの?」


「ああそうだ、アンタを愛してやるよっ! だからアタシと共に来い……戦いが全部終わったら、ちゃんと痛みを受け止めてやるからさ」


好きになってくれる。

愛してくれる。

今までどんな人にも、フィミアの愛は拒絶され続けてきたというのに。

シリアはそれを、受け止めて見せた。


「おねえ、さん……お姉さんお姉さん……シリア、シリアシリア……ママ?」


「……おい、どうした」


突如、フィミアは目を見開いたまま黙り込んだ。


「ママ、じゃない。 ママじゃないと、イヤ――」


「何―――」


バァンッ!! シリアの右肩を、一発の弾丸が突き抜ける。

血が飛び散り、シリアは咄嗟に傷口を抑えた。


「ウヒヒ……死んじゃえ、皆死んじゃえぇぇぇっ!!!」


「クソッ、ダメだったかっ!」


あと少し……あと少しだと思ったのに。

シリアはやむを得ずトリッドエールのコックピットから抜け出し、レビンフラックスへと飛び移った。


『アッハッハッハッハッハッハッハッハッハァッ!!』


コックピットに戻ると同時に、フィミアの奇声が耳へと飛び込んでくる。

ガァンッ! と、コックピットが激しく揺れると、強引に拘束を解いたトリッドエールが巨大なサーベルを片手に迫って来ていた。


「もう、やめろっ!! こんな戦い続けても、テメェの心は癒えないだろうがぁぁっ!!」


バシュゥンッ!! その時、地上からトリッドエールに向けて弾丸が槍のように突き抜けて行った。

トリッドエールの左腕が破壊され、サーベルと共に落下していった。


「姉貴かっ!?」


『何て無茶をするのよ……っ!』


「待ってくれ……もう少し、もう少しなんだっ!」


『……どうなの、あの子は?』


ラティアはシリアをそれ以上問い詰めるような真似はしなかった。

通信機から会話が聞こえていたのだろう、本来ならトリッドエールを仕留める事ができたはずだ。

それをわざわざ急所を外し、腕だけを撃ちぬいたのだから。


『ウヒヒヒ……アハハハ、アッハッハッハッハッハッハッハァッ!!

ママはもう、私を愛してくれない。 最初から壊れていた私は、いらない子……欠陥のある子供は、いらなかったの。

私のせいで、パパとママは不幸になった。 私は、私はもう――アッハッハッハッハッハッハッハァッ!!』


「クッ……あの状態を落ち着かせるにはどうすりゃ――」


バリッ! 突如、何かが破ける音がした。

何かと思いモニターに目を向けると、そこには真っ赤なドレスを自ら破いたフィミアの姿があった。

服の下から露出されたのは、人の肌ではない。

胸の部分はE.B.B化が進行しており、もはや人間の面影はほとんど残っていない。


『お姉さん……シリ、ア……見える?』


「……何をする気だ?」


『よかった、見える……よね。 私を……私を、見て』


急に大人しくなったフィミアは、突如俯いたままボソボソと呟く。

右手にはナイフが握られていた。

その右手をゆっくりと胸に突き当てて、フィミアは笑う。


「おい、やめろ……おいっ!」


右手に力が込められると、ブシュッとナイフが力強く押し込まれた。

紫色の血がドクドクと流れながら、フィミアはナイフにさらに力を込めて、自らの胸を切り開いていく。

両手で傷口をグググと開くと、そこには真っ赤な鉱石のようなものが露出した。

……コアだ。 あれはE.B.Bのコアと全く同じものだ。


『アハハ、お姉さん……よぉーく見ててね……私の最後を、見届けてね。 私の事、絶対に……忘れさせない、から』


「……ふざけんなよ、逃げるのかっ!? テメェはまだまだ子供じゃねぇか、アタシと大差ねぇんだろっ!? なのに、なのにテメェはっ!!」


ブシュッ―― コアにナイフが、突き刺さった。

真っ赤な鮮血が噴き出す、彼女がまだ人間であったことを証明するかのように。


『アハハハハ、アッハッハッハッハッハァッ! アーーッハッハッハッハッハッハッハッハァッ!!!』


フィミアは何度も突き刺す、生命線であるコアを。

自ら壊れてしまった心を、その手で破壊するかのように。

真っ赤なドレスは血に染められていく。

淡い綺麗な赤色は、黒のような茶色じみた色へと変化する。

目を背けたかった、今すぐにでも目と耳を塞いでこの場から逃げ出したかった。


だけど、シリアは見届けた。

フィミアの最後を、無力な自分を恨みながら。

やがて、フィミアの笑いと動作が同時に止んだ。

フィミアはぐったりと血を流したまま、息を荒くガタンッと倒れ行く。


『おねえ、さん……シリア……愛してくれて、ありがとう』


「……バカヤロウが」


だったら、どうしてこんな事をするんだ。

感謝しているなら、生きて恩を返せ。

あの時、何故一緒に来てくれなかったのだ。


『最後に愛されて、嬉しかった。 だから、お姉さんは……ちゃんといい人みつけて、いっぱいいっぱい恋愛をして……幸せになってね』


「……悪いね、アタシはそんな柄じゃねーさ」


『ウヒヒ……じゃあね、お姉さん――』


プツンッ――

そこで、フィミアとの通信は途絶えた。


ズガァァァァンッ!! トリッドエールが、突如大きな爆発を引き起こした。

コックピットから激しい揺れが伝わるが、シリアはピクリとも動かない。


「ったく、後味悪いったらありゃしないよ……アンタの痛み、もっと早く気づいてあげるべきだった」


今は亡きフィミアに対して、シリアは静かに呟く。


「……確かにアヴェンジャーの奴らが、アンタみたいな不幸な人間ばかりだと思うと同情するよ。

でもさ……それでもアタシは、アンタ達が正しいとは思わない。 悪いけど……アタシは、アンタ達を必ず止めてみせるよ」


シリアは両手を合わせて、空に祈った。








フリーアイゼンのブリッジルーム。

艦長は深刻そうな表情でモニターを睨んでいた。


「状況は?」


「敵部隊のおよそ半数は撃墜しました。 ですが、我が部隊も負傷者が多数です。 このまま増援が来てしまえば押されてしまう可能性も――」


「おい、敵が来たぞっ!」


ヤヨイが戦況を報告している中、ライルが叫んだ。

敵部隊がフリーアイゼンの下方から攻撃を仕掛けて来ていた。


「艦を旋回させろ、対空砲で撃ち落せっ!」


「了解ですっ!」


ブリッジルームが激しく揺れながらも、リューテとライルの活躍により敵HAの襲撃からは何とか免れた。


「何としてでも戦線を維持させろ、ここでアヴェンジャーを通してしまえば本部は終わりだと思えっ!!」


「待ってください……前方に、敵増援を確認……これは……戦艦?」


「戦艦、だと?」


艦長は思わずモニターを凝視した。

すると、その先には更に数を増したレブルペインの数々と、空に浮かぶ巨大な真っ黒な戦艦が姿を現していた。

フリーアイゼンよりも遥かに大きいサイズだ、恐らくソルセブンに匹敵するだろう。


「いよいよ本部隊の登場だということか……各機に通達しろ、狙いはあの戦艦だっ!」


「了解しました。 パイロット各位へ通達、敵本部隊の到達を確認しました。 狙いは黒い艦です、戦える者は至急迎撃へ向かってください。

補給が必要な者は速やかに艦にまで戻ってください。 繰り返します――」


「我々はあの艦を迎え撃つぞ、主砲の準備急げっ!」


迫りくる巨大な黒艦を指さし、艦長は力強く叫んだ。


「増援部隊の中に新型HAを確認……これは、G3……?」


「G3、だと? バカな、破壊したはずだっ!」


「いえ、ですがこれは――」


「……クッ、奴らの事だ……残ったデータを元に再現したのかもしれん。 何としてでも、奴を食い止めなければ――」


ブリッジルーム内に緊張感が走る。

突如現れたアヴェンジャーの戦艦。

かつてι・ブレードを敗北まで追い込んだ機体の存在。

やはり、艦長の予想通り……次々とアヴェンジャーは未知なる戦力を披露していった。

戦いはまだ終わらない。

アヴェンジャー本隊の到達により、その戦火は更に激化していくのだった――


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