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     開戦 ④


本部付近の防衛に専念していたフリーアイゼンは、E.B.Bを殲滅させるべく艦を進めていた。

先行させていたゼノス達の成果もあってか、E.B.Bはその数を減らしている。

晶とシリアがアヴェンジャーの部隊を足止めしてはいるが、アヴェンジャーが戦力を惜しむ理由はない。

いくら機動力に優れる2機であっても、長期に渡る交戦は難しいだろう。

本部への防衛に専念できるよう、まずはE.B.Bの数を減らす事を優先させていた。


「パイロット各位の状況はどうだ?」


「ゼノス機、シリア機が大型E.B.Bと交戦中です。 現在データの解析中ですが……奇妙な点があります」


「奇妙な点だと?」


「コアが単体ではなく、複数の反応が確認されています……こんなE.B.B、初めてのケースですよ」


ヤヨイの言う通り、今までメシアがE.B.Bの討伐を行ってきた中で、複数のコアを持つようなタイプは存在しなかった。

どんなに巨体だろうとコアは単体であり、コアサイズにこそ差があっても数だけは単体だったはずだ。


「……奴らも我々と同じように『進化』をしているという事か」


最近になって出現した『オートコア』といい、E.B.Bは突如『新たな力』を手にしていることに思わず恐怖を覚えた。

倒しても倒してもその数を増やし続け、日々新たな力を手にし人類へと立ちはだかる。

こんなにも凶悪すぎる人類の敵が存在するはずなのに、どうして人同士で争わなければならないのか――


「シリア機との通信を確認しました」


「戻ったか、すぐに繋いでくれ」


艦長はその知らせを受けて内心ホッとしていた。

いくら機動性に優れていると言っても、大群が予想される部隊に2機のHAのみに向かわせたのはあまりにもリスクが高い。

下手すれば撃墜される危険性もあったが、どうやら無事戻ってきてくれたようだ。

しかし、少しでもアヴェンジャーの戦力を把握し、彼らの侵攻を阻止しなければとてもじゃないが守りきれる状況ではない。

せめて本部の混乱状況を持ちなおすまでは……と考えていたが、現実にはE.B.Bの出現により更に場が混乱していた。


「状況を知らせろ」


『アヴェンジャーの部隊はざっと100前後ぐらいだっ! だが、奴らの事だ……恐らくこれで終わりじゃねぇ。

それと奴らにとんでもねぇ機動力のHAがいやがった、アタシ達だけじゃどうにもならねぇっ!』


艦長はシリアの報告を聞いて驚きを隠せなかった。

いつでも強気な姿勢を保つシリアが「どうにもならない」と口にするほどのHAが、アヴェンジャーに存在する。

やはり予想通り、アヴェンジャーはメシアを圧倒できるほどの『力』を手にしている。


「ふむ、確か彼らにはι・ブレードの開発者が裏にいると聞いたな。

彼がいれば、ι・ブレードと匹敵かそれ以上の性能を持つHAを開発する事ができるかもしれん……」


「おいおいなんだそりゃ……ι・ブレードってとんでもねぇ性能を誇ってんだろ?

そんな奴がもし2機もいやがったら、一体どうすりゃいいんだってんだっ!」


フラムの言葉を耳にし、クルー達は思わず表情を曇らせた。

ι・ブレードはフリーアイゼンのエースであり、今までの数々の危機を切り抜けて来ていた。

その圧倒的な性能は誰もが理解しているが故に、それと同等な技術を持つHAがどれ程凶悪であるかは嫌でも理解できる。

本当に彼らを止める事ができるのだろうかと、徐々に不安が高まって来ていた。


「それがどうしたというのだ?」


だが、艦長だけは動揺を見せずにフラムを睨めつけるようにそう告げた。


「奴らは常に我々の先を行くのは確かだ。 しかし、だからと言って何もせずに諦めるつもりはない。

その程度で我々を止める事ができると彼らが思っているのであれば、それは大きな間違いだ……我々には、例え人類同士であろうと戦い抜く覚悟はできている。

……どんなに圧倒的な力を持とうとも、我々に敗北は許されん。 彼らに、我々の底力を見せつけてやろうではないか」


「ふ、やはり君は噂通りの人物だな。 安心したまえ、私も彼らの戦力に絶望しているわけではあるまい……私の技術力も、甘く見ないでほしいものだな」


まるで予想通りと言わんばかりに、フラムはニヤリと笑みを浮かべた。


「シリア機と晶機は一度帰投して補給を済ませろ。 その後はすぐにE.B.Bの迎撃へ向かってくれ、厄介な大型E.B.Bもいるそうだ」


『了解っ! 補給が完了次第すぐに向かうっ!』


「我々はゼノス機シリア機の援護へ回るぞ、あの大型E.B.B……一筋縄でいく相手とは思えん」


「ならば、急ぎますよ……っ!」


リューテはフリーアイゼンを全速力で前進させていった。










大型E.B.Bの周辺から、小型のE.B.Bが虫のようにウジャウジャと湧き出てくる。

巨大は三つ首は見た目以上に素早く動き周り、ゼノフラムとブレイアスに向かい突進を繰り返していた。

ゼノフラムの機動性では、少しでも反応が遅れれば直撃は免れない。

隙を見つけては三つ首のコアを破壊しているが、数分後にはすぐに蘇ってしまいキリがなかった。

真の狙いは頭部のコアではなく、胴体部の黒ずんでいる箇所だ。


E.B.Bがコアを破壊されても活動を再開できるという事は、有り得ない現象と考えていい。

ならば、大本となるコアが別に存在すると考えるのが自然だ。

今はその可能性を信じて、隠されているコアを破壊するしかない。

大型E.B.Bの猛攻をかいくぐり、何度もブーストハンマーをぶつけるが……まるで手ごたえがなかった。

ブレイアスの一点集中させたライフルの一撃でも、傷つくことがない表面は想像以上の固さを誇っている。

まさにコアが隠されている事を物語っている、ゼノスは自分の推測を確信していた。

圧縮砲であれば、貫く事をできるかもしれない……が、発射までに時間がかかりすぎる為、この状況ではとてもじゃないが隙が作る事は出来ないだろう。

ならば、多少無理をしてでも隙を作り出すしかない――


『状況は厳しいわね、一度退いた方がいいかしら?』


「ゼノフラムは対大型E.B.Bを想定した機体だ。 この程度の敵に、後れを取るわけにはいかない」


『頼みの圧縮砲も使えないじゃない、どうするというの?』


「2体でいい、もう一度あの首のコアを破壊してくれ」


『冗談言わないで、私なら一人で3体やってあげるわよ』


「……姉妹揃って、逞しい奴らだな」


ラティアの言葉をシリアとかぶさって、思わずゼノスは笑みを浮かべる。


「行くぞ」


ゼノスは思いっきりスロットルを押し込み、ゼノフラムを前進させた。

迫りくる小型E.B.Bは、猛スピードの突進で蹴散らしていき徐々に大型E.B.Bの本体へと近づいていく。


「耐えろよ、ゼノフラム……」


出力メーターを気にしながら、ゼノスは圧縮砲のチャージを開始させた。

ただでさえ全速で突進している中、オーバーヒート寸前の状態まで追い込まれているというのに

ここで圧縮砲のチャージまで開始させてしまえば、はっきり言えば今すぐにでも大爆発を起こしても不思議ではない。

冷却装置が作動していると言えど、ゼノフラムの設計を考えればあっという間に出力は限界にまで達してしまうのだ。

だが、ゼノスはチャージを開始にスロットルを強く引き機体を静止させようとした。

ギギギギギィィッ、とブレーキを作動させる音が響き渡るが出力が下がるどころか更に上昇していく。


バァンッ! その瞬間、ゼノフラムが爆発を引き起こした。

だが、それほど大きな爆発ではない。

幸い圧縮砲のチャージに影響する事はないが、ゼノフラムからは黒い煙が空へ向けて昇っていく。

更に追い打ちをかけるように、大型E.B.Bの三つ首が一斉にゼノフラムへ向けて襲い掛かってきた。

咄嗟にガトリングを構えるものの、三方向からの攻撃を避けきる事は出来ない。

おまけにオーバーヒート寸前の状態であり、強引に加速をしてしまえば爆発を引き起こす危険性もあり……

チャージ中に衝撃を受けてしまえば、同様に大爆発がしてしまう。

絶体絶命の状況に追い込まれているはずのゼノスであったが、何故かニヤリと笑った。


バシュンバシュンっ!

背後から、2回の銃声が響いた途端……一瞬にして2体の首のコアが砕け散っていく。

ブレイアスが、二つのレールガンを構えていた。

残り一体が怯まずに突進を仕掛けてくると、ブレイアスはレールガンを投げ捨て即座に二丁銃を構える。

数発の銃声が響き渡り、残り一体のコアもあっという間に破壊されていった。

あっという間に三つ首は断末魔を残し、ドスンッと倒れた。

……流石は隊長を務めるだけはある、本当にラティアは一人で3体の三つ首を仕留めて見せた。

レールガンは凄まじい火力と目で捕えきれない程の弾速が特徴ではあるが、連射性能に優れてはいない。

ラティアは咄嗟の判断で連射性能に優れる二丁銃を構えて、発砲させた。

射撃精度を誇るブレイアスのスナイパーフレームと、ラティアの射撃センスがあったころ成せた業と言えるだろう。


『それじゃ、後は任せるわよ』


「……了解」


ようやくゼノフラムは完全停止し、大型E.B.Bの目の前へと立ちはだかった。

徐々に銃口には赤い輝きが集っていく。

だが、無茶をしすぎたせいでゼノフラムからは次々と小規模な爆発が引き起こされていた。

倒れていたはずの三つ首も、破壊されたコアが再生されていき、体をビクビクと動かしている。

想像以上に早い再生に焦りを見せながらも、圧縮砲は無事にチャージを完了させた。


「押し切れ……っ!!」


ゼノスは迷わずトリガーを引き、圧縮砲を放った。

ズガァァァアンッ!

凄まじい衝撃と共に、赤い光が大型E.B.Bの胴体へ向けて一直線に向かっていく。

ガガガガガガ、と金属を削るような音が響き渡り、徐々に赤い光は表面を焼き尽くしていった。

その間にも三つ首の再生が完了し、再び甲高い鳴き声を響き渡らせる。


「クッ……まだ、足りないか」


手応えはあったものの、圧縮砲の出力があってもコアに辿り着く事はできなかった。

だが、表面は見事に削られておりそこには赤色の禍々しいE.B.Bのコアがむき出しにされている。

やはり、ゼノスの予想通りそこにはE.B.Bのコアが存在していた。


『下がってっ!』


ラティアの声を確認すると、ゼノスはすぐに機体を後退させる。

すると、バシュンッ! と銃声が響き渡った。

目にも留まらぬ速さで、一直線に閃光が走る。

剥き出しになったコアの中心部が、一瞬にして貫かれていった。

三つ首が悲鳴を上げると同時に、巨大な本体はジタバタともがき始め……ズシーンっ! と、地面を大きく揺らし倒れた。

三つ首の反応も途絶え、コアを残したままバタンッと地面へと倒れた。


「……終わったか?」


『コアは撃ちぬいたわ……あれがまた『再生』とかしない限り大丈夫なはずよ』


嫌な事を口にする……だが、有り得ない話ではない。

ゼノスは倒れた三つ首の大型E.B.Bの様子を注意深く伺った。

すると、甲高い悲鳴と共にまたしても三つ首が立ち上がる。

そして、本体から首を切り離し空高く飛び上がっていった。


「ラティアっ!」


『ええ、わかっているわっ!』


ブレイアスは空へ向けてライフルを構えた。

だが、三つ首が大きく口を開けると紫色の光が徐々に集っていく。


「まさか……逃げろ、ラティアっ!」


ゼノスが叫んだ瞬間、三つ首の口から一斉に紫色の光がラティアへ向けて発射された。

ズガァァァンッ! と激しく地面が揺れ、視界は一瞬にして紫色に光に包まれて行く。

……あの光、まさに戦艦クラスの主砲そのものだった。

以前にもE.B.Bがビーム兵器を使ってきた例があると言えど、これほどまでに強力な一撃は見たことがない。

幸いゼノフラムは直撃を免れたが――


「ラティア、応答しろ」


光が晴れた先には、まるで隕石が落下したかのような巨大なクレーターが一つ出来上がっている。

しかし、そこにラティアの姿はない。


「反応が、ない……?」


まさか、やられてしまったというのか――

抉られた地面は見事に焦がされており、どれ程強力な一撃が襲い掛かったかは一目瞭然だ。

機体と共に、焼き尽くされてしまったというのか……?

次の瞬間、ズシィィィンッ! と、3体の三つ首が空から叩き付けられるように落ちてきた。

……何故か、3匹ともコアを見事に撃ちぬかれている。

同時に、ガシャンッ! と二つのレールガンが落とされた。


『心配してくれたのかしら?』


「無事だったか、どこにいる」


ラティアの反応を確認すると、ブレイアスは空からふわふわと地面へと着地をした。

どうやら咄嗟に、空へと逃げ込んでいたようだ。


『やっぱり私も、空の方が似合ってるのかしら?』


「スカイウィッシュ部隊長の名は伊達ではないようだな」


『今は違うわよ、私はフリーアイゼンの一員として戦っているのだから』


「そうだったな」


シリアの腕も相当ではあるが、やはり姉であるラティアの方が上手である事を実感する。

まだ使い慣れていない新型機でここまで戦えるのは、やはり才能としか言えないだろう。


「どうやら、片付いたようだな」


『そうね……後は残ったE.B.Bと、本部の方を何とかしないと――なっ――』


「……っ!」


ゼノスとラティアは同時に、信じられない光景を目の当たりにする。

コアを撃ちぬいたはずの大型E.B.Bが、突如形を崩して変形をし始めたのだ。

破壊されたはずのコアを包むように、液状へと変化した物体が徐々に纏わりつき始めたのだ。

まさか、まだコアを破壊しきれなかったというのか。

ラティアは咄嗟にレールガンを放つものの、周りを包む液状の物体に衝撃を殺されてしまいコアまで届く事がなかった。

再び圧縮砲で押し切ろうとするが、流石にゼノフラムには無茶をさせすぎている。

次の一発を無事撃てるかどうか――

だが、迷っている時間はない。


『何て生命力なの……あんなE.B.B、見たことないわ』


「だが、やるしかあるまい」


まだ戦えるはず……と信じて、ゼノスは再び圧縮砲を発射させようとした。

すると――背後から突如、真っ白な光が槍のように一直線へ大型E.B.Bへと向かっていく。

ズガァァァァンッ! と激しい音を立て、地面を抉っていった一撃は一瞬にして大型E.B.Bのコアを貫いていった。


「なっ……何だ、今の一撃は?」


『後ろを見てっ!』


ゼノスは後ろを振り向くと、そこには主砲を構えたフリーアイゼンの姿があった。

かつての主砲とは異なる一撃……以前は紫色の光だったはずだが、今みた光は明らかに異なっている。

ソルセブンやゼノフラムのような『赤色』のビーム兵器が存在するのは知っていたが……それとはまた別の一撃のように見えた。


『ゼノス、ラティア……無事か? お前達には無理をさせてしまったようだな』


「少々手間取ったが問題ない、援護に感謝する」


艦長の通信を確認すると、ゼノスは通信を返した。

フリーアイゼンから放たれた一撃は、見事にあのコアを木端微塵に撃ち砕いていた。

ようやく大型E.B.Bとの戦いを終えたが……まだ、本当の戦いは始まってすらいない。


『一度帰還しろ、残りのE.B.B掃討は晶とシリアに任せる』


「了解した、戻るぞラティア」


『ええ、わかったわ』


ゼノフラムとブレイアスの2機は、フリーアイゼンが着陸したのを確認すると艦へと帰還していった。







「大型E.B.Bの状態は?」


「はい、目標は完全に沈黙しています。 恐らく、再生する事もないかと」


モニターに映る液状へ変化した大型E.B.Bは、主砲を放ってから動く事がなかった。


「うむ、主砲クラスの一撃……それも、新技術を採用した『白紫輝砲はくしきほう』の火力は通常の主砲を遥かに上回っている。

ま、難点としては発射までの時間がかかりすぎる点かね」


フリーアイゼンの改修に関わっていたフラムは、新たに搭載されたフリーアイゼンの主砲についてそう語った。

『白紫輝砲』と呼ばれる主砲は、ι・ブレードの装甲に使われる『白紫輝合金』の技術を応用した新たなエネルギー圧縮砲を採用している。

それによりより強力な一撃を誇っているが、フラムの言うようにエネルギーの圧縮には通常よりも手間がかかりどうしても20分近くの時間がかかってしまう。

だが、それを補うほどの強力な一撃はまさに頼れる一撃と言えるだろう。


「……しかし、強力すぎるが故にあまり多用はできんな。 我々には過ぎた力かもしれん」


「だが、E.B.Bと戦う為にはどうしても力が必要なのだよ……悲しい現実だとは思うがね」


全ての人類がE.B.Bと戦う為に力を使うのは構わない。

しかし、現実はそうではないのだ。

現に、アヴェンジャーのような組織が現れ……その技術力を誤った形で利用している。

その事を頭に過ぎらせると、艦長は複雑な心境に陥ってしまっていた。


「なっ……お、大型E.B.Bを確認しました……こ、これは?」


「どうした、ヤヨイ」


ヤヨイはデータの解析を行おうとすると、突如表情を一変させて言葉を失っていた。

艦長はモニターへと視線を向けると、そこには信じられない光景が広がっていた――


「なっ――」


メシア本部の周辺に、大型E.B.Bが次々と押し寄せて来ていたのだ。

数にして10体を超える規模だ……かつて大型E.B.Bがこれほど集った例は聞かない。

これも、アヴェンジャーの仕業だというのだろうか。

……あまりにも衝撃的な光景に、艦長は思わず言葉を失ってしまっていた。


「……クッ、このままでは本部が――」


『我々に任せたまえっ!』


突如、何処からともなくフリーアイゼンに通信が入った。

この声は……ソルセブンの館長を務めるイリュードの声だ。

ソルセブンとスカイウィッシュ部隊は一斉に大型E.B.Bへと向かって突撃していく。

気が付くと本部付近のウィッシュ部隊も基地内から次々と出撃していた。


『すまない、本部の状況を何とかさせる為に手間取っていた。 ここは我々が引き受けよう。 スカイウィッシュ部隊と共に、君達はアヴェンジャーの足止めを頼むっ!』


「しかし、このE.B.Bの数だぞ。 我々も加勢を――」


『心配ない、各支部の者が本部を守ろうと力を貸してくれている。 この程度でくたばる私ではないっ!

それに君達はメシアで優秀な遊撃部隊と聞く……アヴェンジャー部隊の足止めぐらい、容易く引き受けてくれんと困るのだよっ!』


イリュードは力強く、ゲン艦長に向けて告げた。

その言葉を耳にし、ゲン艦長は思わず笑みを浮かべた。


「各位っ! アヴェンジャーの部隊を迎え撃つぞ……奴らに一泡吹かせてやれ、我々の底力……今こそ見せつけてやる時だっ!!」


「久々に熱くなってますね、艦長」


「だが、こういうのは別に嫌いじゃねぇ……とことん、やってやろうじゃねぇか」


「私も当に覚悟はできていますよ……いつでもご命令を」


「うむ、私も全力で君達をサポートしようではないか」


指揮は高まった、同じ人類同士での戦いではあるが……全員の覚悟は当にできている。

これ以上、アヴェンジャーの好きにさせていては世界が再びE.B.Bの脅威へと陥ってしまうのだ。

それを避けるためにも……人類の未来の為、彼らは戦う。

自分の正義を信じ、世界の……人類の平和の為に――


「行け、人類の未来の為にっ!!」


艦長の力強い掛け声と同時に、フリーアイゼンは大型E.B.Bの元へと猛スピードで前進していった。


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