4 話
2か月もかけてしまいすみませんでした。
それでは本編いきます。
ぼんやりとした視界がだんだんとはっきり見えてくるようになる、
感覚的に"これは"夢なんだと僕は確信する。
一人の男か女かも区別がつかない"人"が佇んでいた。もしかしたら、人間でもないのかもしれない。
「お前は誰だ?」
僕の言葉に反応したのかは分からないが、閉じていた瞳をゆっくりと開いて"僕"を見る。
――その瞬間、威圧が僕を襲った。
「奈織は――――」最後の方が聞き取れなかった。
その人は、なにかを悟ったように瞳を閉じた。
その時、この空間が揺らいでぼやける。夢が終わるのだ。
そして、夢という微睡みからさめた。
"あの人"は誰なんだろう。
「いずれ分かるのかな……」僕の独り言は静寂の中に溶けこんでいった。
ぐううぅ、と音がした。――僕のお腹から。
「朝ごはん、食べよう」と独り言を呟きながら、キッチンに向かった。
あれ、幻覚かなあ。祐樹と愛香さんが居る。
ちなみに愛香さんとは、祐樹の母さんの名前だ。
「奈織、やっと起きたのか」
「おはよう、奈織ちゃん」
僕の起きる時間が遅かったのか祐樹は呆れていた。
「おはよう。祐樹、愛香さん」
母さんはテーブルに僕の朝ごはんを並べてくれていた。
僕はイスに座っていただきます、と言ってから食べ始めた。
ご飯を食べ終わった僕は、身支度をしている。
――うん、これでよしっと!
見落としていたところがないか確認してから、みんなが待っているダイニングへと向かった。