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第2話:神の領域にて

本日2話目



 国と民の未来を祈る言葉を叫んだ後、1度意識が切れていたようだ。


 目を覚ますとベッドの上で瞼を開けて身体を起こし、ベッドから出ると赤いバラが咲き乱れる庭園が瞬きの間に現れた。


 後ろを振り返ると既にベッドは無く、目の前の真ん中に紅茶を飲んでいる金髪でペプロスを身に包んでいる美しい女性がいた。



 「美しいと称していただけて光栄ですわ。異界の最高の魔法使いノア」



 …流石神。思考を読むのも朝飯前。既にこの神の領域内ということか。



 「そうよ。それとあなたの能力を封印させてもらってるわ。人間の癖に神性魔法とか使えてるのが異常よ?だからあなたの世界を管理している神があなたを差し出したの」



 …なるほど。ということはやり過ぎて私が選ばれたんだな?



 「そういうこと。…というか別世界の神に正面から立ち向かって勝つレベルの魔法が使えるのが可笑しいのよ。それにあなたのせいでかなり発展してしまってあなたの世界の神はいつも頭を抱えていたわ」



 頑張っていただけなんだけどなぁ。



 「それも分かっていたから頭を抱えていたのよ。…とにかくこれからの話をするからこちらへどうぞ?美味しいお茶菓子を用意するわ。頼みたいことがあるよ」



 …まぁ退屈な日々から救い出してくれたから話だけは聞こうか



 「…なんで神性魔法を封じられてそんな上から目線でいられるのかしら?」



 対面の席に座ろうと近づくと紅茶の匂いを嗅いで疑問が生まれる。これは…



 「そうよ。あなたの世界のあなたの1番好きな紅茶とお菓子よ。あなたを引き取る条件として最後の晩餐じゃないけれど用意してもらったの♪」



 …それで本題は?



 「…ちょっとは楽しんだら?せっかく美味しいのに。…異空間にある物は元の世界に戻したから本当に最後よ?」



 え?ちょっと待って?俺のコレクションも全部?噓でしょ?



 「悪いんだけど転移による影響を最小限にしないとこっちも困るから」



 …そんな。唯一の楽しみだった魔道具達が…。世界中の茶菓子達が…。



 「さっきも言ったけど神性魔法と一部の神域魔法は記憶や経験から焼却させてもらったわ。思い出すことも今後使える様に開発することも出来ないわ」



 横暴だ!俺の努力の成果だぞ!!



 「だから悪いとは思ってるわ。神が悪いと思ってるだけでマシなのはあなたも分かっているでしょう?あとそろそろ口で話してくれないかしら?」


 「あ、話せるんだ。じゃなくて!っ~~~~!!本当に神ってやつらは自分勝手だなぁ!?」


 「ふふっ♪そりゃあ神ですから♪それと召喚系もほとんど封印したわ。変異種で説明がつくモノ達はOKしてあげたから」


 「え!?じゃあアイツラとももう会えないのか…」


 「あなたは召喚魔法と言っているけど()()()が神性魔法なの分かってて隠してたでしょ?」



 …てへっ♪



 「それくらいしないとあなたは世界に穴を空ける存在ってことよ。元の世界もあなたがポンポン異界から召喚していたから大変ってあなたの世界の神が愚痴ってたわ。うちの世界にいる魔王より強い魔族って何よ()()


 「え~~~…。あいつもダメ、まぁダメだな。うん。普通にあいつの世界の魔王悉く潰してるくらい強いからな」


 「でしょ?変にウチの世界の人間と縁が出来てアレが解き放たれたらどう責任取るのよ?だから絶対にだめ!」


 「でもあいつたぶん自分でこっちに来るぞ?」


 「…え?そんなにヤバいやつなの?なんでそんなのと契約出来るのよあなた…。じゃあ何かあったらあなたが管理してね。何かあればあなたから力を奪うって呪いかけとくわ」


 「言ってどうにかなるなら…、って本当に呪いかけてやがるこの女神!!」


 「そいつがウチに来たらあなたの位置が分かる様にしたから最後まで面倒見るのよ」


 「そんなペットみたいなこと言い方されても…」


 「それで本題だけれど「話逸らさないで」あなたには私の世界の宗教をブチ壊してほしいの♪」


 「…信仰が無くなったらあんたも不味いんじゃないの?」


 「そうね。私もそのタイプの神だから信仰0になるには困るから…。ゴミ共だけ全部代行者として処理することを許すわ♪勿論、神託を完遂する時に限り環境破壊にならない魔法は限定解除してあげるわ♪」


 「…なるほど。腐った教会の上層部を消して清い教会にしてほしいってことか」


 「流石1000年もの間、王様をしていただけのことはあるわね。それと勇者達の対応もお願いね♪」


 「…勇者?」


 「えぇ。ゴミ共が勝手に勇者を召喚しちゃったの。だから勇者召喚の魔法を消滅させるのと帰りたい子達は返すのを手伝ってほしいの」


 「それは良いが手伝うって何を?」


 「それがあなたを選んだ理由なの。その勇者召喚にあなたを無理矢理割り込ませるから意識がはっきりした瞬間に勇者召喚の魔法陣を空間固定してパスを繋げたままにしてほしいのよ。それと巻き込まれちゃった子達と話す時間も欲しいから隔離して」


 「…なるほど。そりゃ普通の魔法使いじゃ無理な難易度だな。俺が呼ばれたのが分かる」


 「勇者達の帰還の手伝いと教会上層部の粛清が完了したら残ってくれた勇者がいたらその子と新しい教会の指導をしてもらって大丈夫そうならそこから自由にしてもらって構わないわ。困った時はまた神の使徒として仕事をしてもらうけど」


 「やることは分かった。それで?報酬は?」


 「…神に禁止されるレベルの卓越した魔法技術を持っていて更にその魔法技術で寿命すら超越したあなたがそれ以上何がいるのよ?」


 「貰える物は貰う主義だ」


 「別にいいのよ?栄光あれー!って言った瞬間のあのタイミングにあなたのことを戻しても?」


 「すいませんでした!!勘弁してください!!それはそれとしてどうせなら何か欲しいです!」


 「…全く。えーっと、じゃあ『人類言語理解』だけよ?これは全ての人類が話す言葉や人類が残した文字を読めるスキルよ。古代言語も読めるから職に困ったり暇だったら古代文明関係で役に立つでしょう。普通は共通語だけなんだからありがたく思いなさいよ?」


 「ははーっ!ありがたき幸せ。神託、必ず完遂してみせまする」


 「はいはい。あ、そうだ。神託を執行中は星から魔力を集めて魔法が使えるからよっぽど馬鹿みたいな範囲や効果の魔法じゃなければいくらでも使えるわ。最大値は変わらないのと使えない魔法は頭に浮かばなくなるからそもそも発動出来ないから。じゃあよろしく」


 「分かった。って、え?もう?まだ食べてないのに?」


 「…30秒くらいなら遅延出来るから食べちゃいなさい」


 「味わえないじゃないか!!」



 そう言いながら私は故郷最後の味を全力で味わった。


 魔法を使い身体強化して噛むスピード・スタミナ・パワーを上げて20秒で完食し、残りの10秒を使って優雅に紅茶を味わいながら光に包まれた。


 意識が消えかけた時に「なんて無駄の無い精錬された無駄な魔法の使い方なの…」とドン引きされたがこちとら最後の故郷の味なんじゃい!!必死にもなるわ!!


神性魔法=神が行使するレベルの魔法で神が有する魔力を使った魔法

神域魔法=神が行使するレベルの魔法に匹敵する通常の魔力を使った魔法

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