表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/19

Ep,4 教室

教室へ向かう廊下でも、僕たちは並んで歩いた。


レイは特に話しかけてくることもなく、僕は僕で、


(学校生活はどうなるんだろ?) と、これからのことに少し期待していた。


異能向上高等学校。


ここで、僕の異能を、どこまで高められるのだろうか。


あるいは、この先、どんな厄介事が待っているのか、、。


そんなことを考えていると、ふと横から視線を感じた。


レイだった。


彼女は、無言で僕を見つめていた。


その瞳は、やっぱり少し気怠そうだが、その奥に、何かを期待するような、そんな光が宿っているように感じた。


「なんか、面白いことでもあったか?」


僕が尋ねると、レイは何も言わずに、ただ首をわずかに傾けただけだった。


そして、すぐに視線を前に戻してしまった。


彼女の小さな変化に気づきながらも、それが何を意味するのか、僕にはまだ分からなかった。


ただ、このレイが、少しばかりは学校生活に彩りを与えてくれる、そんな気がした。


教室に着くと、僕は、自分の席を確認した。


「え!?こんな偶然あるのか!?」


危ない、もう少し大声を出すところだった、、


なんでびっくりしてるのかって?、そりゃあ、レイの席が僕の隣だからだよ、


僕は少し驚きながら、レイと一緒に席についた。


今日は入学式だし授業は無い!と思っていたのだが、入学初日に早速本格的な授業が始まった。


午前中は一般教養と座学、午後は異能に関する実技や特別講義があるらしい。


異能向上高等学校というだけあって、異能に関わる授業は充実しているようだ。


最初の特別講義は「異能の基礎理論」だった。


壇上には、白衣を纏った若い女性教師が立っていた。


彼女は特殊な機械を使い、空中にホログラムを映し出す。


そこには、複雑に絡み合った二重らせん構造の図が表示されていた。


「皆さんもご存知の通り、異能の多くは遺伝子の配列によって発現します」


教師は淡々とした口調で説明を続ける。


「突然変異によって特定の遺伝子情報が活性化し、個々の異能として顕在化するのです。例えば、視覚が発達する異能であれば、目の細胞に関する遺伝子が、聴覚であれば耳の細胞に関する遺伝子が、それぞれ最適化されている、というわけです」


僕の隣で、レイは相変わらず無表情で講義を聞いている。


ただ、時折、彼女の猫耳が僕の方に、傾いているのを僕は知る由もなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ