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と神子
声を、聞いた。
気のせいか、と思うにははっきりとした声。
どうしたものか。
そう思っていれば肩に下りる鳥が一羽。
視線を向ければ鳥もこちらを見ていて。
「お前達の話を信じていなかったわけではないのだが」
はあ、とため息。
鳥達の噂話と聞いた声が告げた言葉。それは一致していて。
だからどうというわけでもないのだけれど、ただどうしてとは思う。どうして自分なのだ、と。
…本当に、どうして身分も地位もない自分なのだ、と天を仰ぐ。
「どうしろと言うんだ」
チチ、と鳥が首を傾けた。