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恋人と神子4


今日は雨だ。

窓から空を見上げれば、黒い黒い雲。ざーざーと激しい音を耳に、これではあの男は今日はこないだろうと部屋に視線を戻す。

さて。なら今日はどうしよう。

男は毎日きていたわけではない。だから改めて考えるものでもないけれど、空いたこの時間をどうしようと首を傾けた。


友人とお茶?

いやいや、今日はばたばたと忙しそうだ。かといって手伝おうか、とは言えない。友人ではあるが主でもある自分が手伝いを申し出ることはよろしくない。

散歩、は無理だ。雨が降っている。

なら。

浮かんだ案に暫し悩んで、けれどよし、と頷いて部屋を出た。


向かう先は図書室。


告げた瞬間、友人が険しい顔をしたけれど。その理由も知っていたけれど。それでも大丈夫と笑って目的地へと向かった。

なずな!と呼んで着いてこようとする友人に、大したことないんだから仕事優先!と滅多に使わない命令までして。


友人が図書室に行くというだけで、どうしてあんなに険しい顔をするのか。それを知っていて置いてきた。

どうしようと迷ったけれど、行くと決めたのは自分だ。暇になった時間を本で埋めようと思ったから。そして、もうひとつ…。


雨の音。

ザーザーと降る雨。

夜のようにとまではいかないけれど暗い庭を横目に回廊を歩く。

なずなが住んでいる部屋は城の端。以前住んでいた部屋は城の中心。それを繋ぐ回廊を歩く。

つまり。

図書室は城の中心にある。城の中心にはレガートがいる。そして。




「ぁ…」




小さな声。

視線を向ければ侍女を三人連れて、庭を眺める一人の女性。


そう、











レガートの恋人がいる。



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