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文化祭 ノベフェスで勝負! 季節外れかき氷対ぼったチョコ

作者: グミさん

十一月。

今年もこの季節がやって参りました。

地域のお祭りが一斉に行われる。

その名もノベフェス。

最終日の今日出店することになっている。

今年は夏から猛暑で十月になっても夏日はおろか真夏日まで。

このままなら行けると判断。

さあ始めますか。

「いらっしゃい! いらっしゃい! 」

呼び込むも反応がない。

何故か嫌な予感がする。まるで体が震えているようだ。

風邪でも引いたかな? 寒気がする。

「どう安いよ。美味しいよ」

誰一人立ち止ろうとしない。

やっぱりな。

コートを着込んで防寒対策バッチリの通行人。

北風も強い。立っているだけでも辛い。

もう動くしかない。

「えーい出血大サービスだ! 半額! 半額にするよ! 」

元々のぼったくり価格に二百円ほど上乗せしてからマジックで半額に修正する。

「おい何やってるんだよお前は? 」

「いえお客さん…… あの…… サブ? 」

誰かと思えばサブだった。

「汚いことしやがってそんなんで売れるか! 」

「久しぶりだなサブ」

「ああ一年ぶりぐらいか」

同業でライバルの馬鹿。

「今年もよろしく」

「まさかお前もまた? 」

「ああ遅れちまったがな。親分がいい加減だと俺が苦労するのさ」

また親分のせいにしてどうせこいつがミスしたに違いない。

隣でまた例のアレか?

「馬鹿だろお前? 」

会って早々人を小馬鹿にするサブ。

「去年と同じ失敗しやがって。去年は夏だから運が悪いで済んだが今回は十一月。わざとやってると言われても仕方がねえぞ」

「だってよ…… 」

そう去年と同じ失敗をする。今年は猛暑だからと油断しかき氷を選択。

本来ならたこ焼き。ただ申し込み時はそれは暑かった。この暑さが延々に続くと思った。

だが蓋を開ければ北風ピューピュー。体カチコチ。

「ほら見てみろ。皆焼きそばにたこ焼き、ホットドッグにイカ焼きと温かそうじゃねいか」

サブの示した方には行列が。

「うるさい! お前こそ今年も詐欺みたいなチョコなしバナナを売りつける気だろ? 」

「ふふふ…… 」

不敵な笑みで返すサブ。まさか普通のチョコバナナなのか?

お客に悪いと心を入れ替えたのか?

そんなのサブらしくない。

「サブお前…… 」

「いや実はよバナナが高くて数が揃わなくてさ。それならキュウリだと親分が。それでほらこれだ。

『チョコキュウリ』

売るつもりあるのかこいつ?

こうして例のごとくサブと売り上げ対決が始まる。

結果は言うまでもなくスコアレスドロー。

さすがに半額かき氷もぼったくりチョコキュウリも買う奴はいなかった。


                 寒々

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