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作業
シトラスの芳醇な香りを嗜みながら引きずり下ろした時計塔
サクラマスはまだ海を泳いでいる
スカートを翻しながらありふれた家々を這いずって
相談がしたい
あからさまな恋心を飲んで
他愛もない夜に千鳥足の看守
長靴には上白糖を散らしてスキップ
頭痛に歯を食いしばる
今日に限って軟膏がないわ
あくる日、マイペースなケバブ屋が膝を叩きのめして
果敢な三毛猫は背を低くして毛をなだめる
一見、まるで夢のような寓話であるが、それは先見の明であり、またまったくの嘘なのである
ただし、全て実話である。