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踏み出す一歩

「母親と会ってみようと思うの、いろいろと迷ったけど店長、、、おじいちゃんや中田さんとも相談して、そうすることにした。」

 電話口で木村祐美はそう告げた。新平は未だこれからどうするかを決めかねている状態であったが、彼女は真実を受け止め前に進み始める決意をしたようだった。

「このまま、今まで通りやっていくのも良いのかもしれないけど、やっぱり血のつながった家族がいるのことが分かったのにそのままにしておくのも気持ちが悪いし。

 ごめんなさい私だけ。」

「いや、そこは気にせず、しっかり話をしてきて。」

 祐美が気にするように新平には家族と呼べる存在がない、山崎の所で今まで以上に仕事にまい進するしかないのであるがどうしても気力が湧かずに何することなく過ごす日々が続いていた。

 山崎から説明があったのか、新平の体調を気遣うメールは来なくなったが相変わらず宮地からの近況報告メールは毎日のように入って来る。

 自分を心配してくれている山崎や宮地をはじめとする職場のみんなのことを考えると1日でも職場に復帰したいと思うのだがどうしても最初の一歩が踏み出せないでいる。

 祐美との電話を切った後に再び新平のスマートフォンが鳴った。メールやメッセージではなく通話であったため、何か伝え忘れた要件があり再び電話を掛けて来たのだと思っていた新平は画面に表示されている名前を見て一瞬戸惑った。

 発信者は三浦であった。

 真実を告げられて日以降まともに会話をしていない三浦からの電話に出るべきか、出ないべきか、、、、悩む新平であったが最後には自分も踏み出すなら今だと腹を決めた。

「もしもし、ご無沙汰しております。」


 運命の日まであと3日

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