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 面会で久しぶりに元の世界の話題で盛り上がって以降よく元の世界の夢をみるようになった。今晩のケヴィンはイズールの森近郊でのオークのコロニー殲滅作戦に参加している夢に浸っていた。

 過去と違うのはその時にはまだ出会っていなかったムサシたちと作戦に参加しているという点であった。その辺の微妙な差異がなんとも夢らしい、といつも目覚めた時に苦笑してしまうところであった。


「よぉしケヴィン、誰がたくさんのオークを倒せるか勝負だ!」

「望むところだ!」

「ふふん、超絶魔法で一掃しちゃう。今回もなんだかんだ言って私が一番をもらうわね。」

 懐かしい狂戦士と魔法使いとのやり取りが心地よい。

「気を付けてくださいね、変異種のオークが混じっているという情報もありますので。何かあればすぐ私が回復しますので深追いだけはしないでください。」

 パーティのブレーキ役の聖女も夢の中でも健在である。

「挑まない者に、栄光はない!」

「出たよ、ケヴィンの口癖。」

「そうそう、それで何度私たちが全滅しそうになったことか、、、」

「でも確かにそうだな。星の数ほどいる冒険者の中で功績上げようってんだから多少の無理は必要だよな。」

 数々の輝かしき功績を上げられるようになったころにはそのケヴィンの口癖は何となくパーティの座右の銘になっていた。おかげで先にも述べたように始まりの丘に何度も送り込まれるというおまけまでついてくるのであった。

「まぁ今回はかの有名な業火のバーバラも参加するって話だし、そんな危険はないだろうけどな。」

「早く彼女の魔法を直接見てみた~い。」


 戦いの口火を切ったのはやはり今回の主戦力であるバーバラの業火であった。地形が変わってしまうのではないかという位の衝撃と共に冒険者たちがオークのコロニーに流れ込んで行った。ケヴィンたちも遅れを取るまいとそれに必死について行く。

 しばらくするとオークと冒険者入り乱れての混戦状態となった。最初のうちは倒したオークを数えていたが時間が経つほど握った剣もボロボロになり始めそんな状況ではなくなり、目の前に現れる敵をただただ薙ぎ払うのが精一杯となっていた。

「どうだムサシ、どれだけ倒した?」

 自分自身も余裕がないのは事実だが仲間の安否も気になり声を張り上げてみるが返事がない、辺りを見渡しても仲間の姿が見当たらない、どうやらはぐれてしまったらしい。やばい、これでは回復も出来ないと思った瞬間後ろから強い衝撃がケヴィンを襲った。最初何が起こったが分からなかったがどうやら他の冒険者が飛ばされてきたようだ。飛ばされて来たであろう先には今まで見たことのないくらい大きく、他の個体と色までことなるオークが身構えていた。

「変異種か、これは名を上げるチャンスだ。」

 飛ばされて来た冒険者を横に寝かせ体制を整えケヴィンは剣に魔法を込めて飛び掛かった。しかしそのオークが振り上げた太い腕によりあっけなく吹き飛ばされてしまった。なんとか持ち堪えて再度切りかかったが、その体に傷をつけることなく剣は粉々に砕け散った。

「やばい、詰んだ。」

 死を覚悟したその時だった。

 轟音が響き渡りその変異種が炎に包まれた。この最悪の状況化で業火のバーバラが救いの手を差し伸べてくれたのだった。

「大丈夫ですか?久世さん!」

「え?」


 そのタイミングでケヴィンは目を覚ました。

 夢なので何も言えないが、その時助けてくれたバーバラの姿は木村祐美そのものであった。かつて一回同じ作戦に参加しただけでその容姿自体を深く覚えている訳ではなかったが確か黒いストレートヘアの木村とは似ても似つかない真紅のくせ毛であったはずだ。

 汗にまみれた状態に気が付いたケヴィンは現実と記憶の世界が混戦状態となったいつにも増して微妙な夢をみてしまったものだ、といつものごとく苦笑するしかなかった。


 運命の日まで70日

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