Episode 8 弓の名手クレソン
ドス! ドス! ドス! 矢が木に突き刺さる。
「女神を騙る不届き者どもめ、万死に値する」
「なんでよぉおおー、本物の女神だから、私! エルフは敬虔な女神信徒のはずでしょー?」
「邪な二つの果実をぶら下げおって、それで我々を謀ろうなどと笑止千万! 邪教徒めが! 何人の同胞が帰らぬ者となったか…、その身で報いを受けよ!」
ヒンヌーエルフ女神様、最高!
ヒンヌーエルフ女神様、最高!
「そんな神いねぇーよ! なに勝手に創造しちゃてんだよ! この世界には私を敬うやつはいないのー? 泣いちゃうぞ!」
森の中をエルフに追われながら、逃げる。
「…エルフの排外主義は本当だったんですね? 街にいるエルフは皆さん優しいから冗談かと思ってました、これからどうしますか?」
「逃げるほかないが、策はある、その胸を萎ませろ!」
「できるかぁぁああー!! ここには夢と希望が詰まってんだよ!!」
森を行き当たりばったりに進んだ結果、迷った。
「うわぁああーーん、ここどこなのよー?」
「…仕方ない、使うと帰れる最後の転移札だ、備えあれば憂いなし、高かったが、遠慮なく使おう、どうせそいつの予備の金だ」
「ねぇー、また私のお財布からお金抜いたの? やめてよぉーー、予備が消えたんだよ、分かってんの?、あんた…」
「…帰れなくてもいいのか、決定権は俺にあるぞ」
「すいませんっした!、もうこの件は忘れます!」
女神様達は森から飛んで逃げたが、そこは凄腕ハンター達、きっちり魔力の流れを把握、追跡し、女神様達が滞在している街に辿り着いた。
「あらー、お兄さん達、スゴイいい男じゃない、皆、こっちに来てごらんよ!」
キャキャウフフ、女達はいつも姦しい…
「あら、ウブなのね、私が色々教えてあ・げ・る」
ここは魅惑の桃源郷、濃厚蜂蜜トラップに引っ掛かった!
エルフはヒンヌー教からホウニュウ教へ改宗した!
無事エルフの追手を撒いた最後の勇者は次の日、カラアゲボウを売った。
使えない装備などいらないのだ。
その弓を大枚をはたいて買った者がいたらしい… が、もう関係はない。
To Be Continued…
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