Episode 7 現地勇者カラアゲ
「なぁ、最後の女神よ、魔王討伐にあたって伝説の武器はないのか?」
「あっ、それなら僕の出身地の村にそういう由緒正しき剣がありました、残念ながら僕には抜けませんでしたが…」
「ケンイチは優秀だな、そこの女神擬きとは段違いだ」
「モドキじゃねーよ!、ちゃんと女神、女神様だから、誰にも信じて貰えなくてもちゃんと女神もやってる回復術師だから!」
「自分で回復術師って言ってんじゃねーか、お前はその程度の女だ、いい加減自覚しろ!、俺は弱小武道家であることを受け入れた」
「受け入れてませんー、心の声漏れてるからっ!、私には分かるんだから! 嘘つくなよ、このおバカ!」
「なんだかんだ、仲良いですよね、あの二人、僕たちも語り合おうか、ハニー」「ええ、ダーリン」
「おー、よく戻ってきたのー、まさか嫁連れとはの、皆オメェの事を心配しちょったでな、ほいで、オメェ、なんつー、名じゃったっけ? 記憶にねぇわ、すまんのー」
「相変わらずですね、村長、今はケンイチを名乗っています、どうぞ忘れて下さい、偽名ですので…、ところで、勇者様はもう魔王討伐へ行かれたのですか?」
「いんゃ、最終形態を目指して、修行中だで、もう2年くらいは姿を見とらんな…、嫁さんもいっぱいだろうし、家でウハウハじゃろう、羨ましいの…」
勇者様のお嫁さんに事情を聞いてみる。
「…そうですね、一言で言うなら、動けない超特大豚です、でも、私達は食べさせるのを止めません、皆様勇者様には辛い思いをさせられましたからね、私達のささやかな復讐です、完全に動けなくなってから孤独の中で死ぬといい、そろそろ墓地に出荷できますね、ふふふ」
勇者は出されたものを残したりはしないのだ、嫁×10。
勇者は何者にもなれる!
ででーん、労せずカラアゲボウを手に入れた!
「勇者の恐妻から貰ったが、弓だな、どおりで勇者が魔王討伐に行かないはずだ…」
「元々はトリニクという名前の人だったのですが、剣を手に入れてからはカラアゲに改名されました、何か関係があるのでしょうか?」
「ああ、カラっと揚がったに違いない、その時、きっと性質が別の物に変化してしまったんだ!」
「…なんじゃそりゃー! やだよぉおおー、私の世界、変なやつばっか…」
弓といったら、エルフだ! 次の目的地は最後の森!
To Be Continued…
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