Episode 25 転生したら、竜だった件① (竜視点)
突然だが、俺ドラゴン。勝ったな。
過去は覚えてない。別にいらないけど…
現在の指は親指、人差し指、人差し指の3つだ。
使いやすい指は人差し指だ。第2の人差し指を手に入れた。
卵の殻を食べた。防御力が上がりそうだから。
…これは納得できない。何だこの称号は【おバカ (攻撃力+10%、防御力-10%)】。
なんで、殻を食べたのに、防御力が下がるんだ?
このプレートめが! 爪でつついてくれる。スカッ。
貫通してる!?
【名前】-(自分では名付けられません)
【年齢】0歳
【性別】男
【種族】竜族 (ベビードラゴン)
【レベル】2/5
【HP】880
【MP】870
【攻撃力】98
【防御力】79
【魔法力】87
【敏捷性】89
*1レベルでHPは800、攻撃力は80上昇します。
(このメッセージは初回限りで、自動で消えます。さいなら。)
【スキル】【火耐性(弱)】
【称号】【竜王の子】【システムの恩恵】【おバカ (攻撃力+10%、防御力-10%)】
ほほーん。まぁ、もう必要な時以外見る事もないだろう。俺はこんな数字に流されない。
弱いものいじめを悲しんだ。だって、幼虫しか勝てねぇ。
いただきま~す♪
おほぉー、まじぃー! 生味。生味。
これは釣りを楽しむための第2の人生だ。釣った魚を食べ散らかすのが真の釣道。待ってろ、まだ見ぬ異世界の美味しいお魚達。
切実に5本指が欲しい。進化は手があるやつにしよう。2はダメだ。3は妥協だ。4はまあまあ。5がいい。6でもいいか。
ミニドラゴン
通常進化。普通。
プチドラゴン
通常進化2。普通より小さい。
プチプチドラゴン(要:おバカの称号)
更に小さくなります。簡単に死ねます。潰れます。普通は選びません。選ばないよね?【オススメ】
くそぅ、指の情報をよこせ! 進化に大事なのはそこしかないだろーうが!
ウガウガァ~~ん♪
朝起きたら、進化していた。俺が選んだからだ。
俺は変なおバカな誘惑には屈しない。
ミニドラゴンだ。大きい方が魚がたくさん腹に詰め込める。川はどこだぁー! もしかしたら、爪で “鮭好きくまさん!” ができるかも知れん。
川を見つけた。魚に逃げられまくっている。何としても “くまさん!“ を会得しなければ…
一匹も取れない。やはり指が足りない。
作戦変更! 穴を掘って、支流を作り、魚を引き込んでみた。
へへーん、ばーか、ばーか。
うめぇー、魚しか勝たん!
こうして、俺はまた進化の分岐路に立った。俺の全ては魚で出来ている。
リトルドラゴン
通常進化。こんな普通のものになるのですか? 面白くないぞー。反対! 反対!
リトルドラゴン(黒)
亜種。黒は嫌われ者の色。皆からちょっと嫌われます。戦闘力が高いドラゴン職です。職業:黒。
リトルデミフィッシュ(要:おバカの称号)
進化? むしろ退化かも知れない。一旦魚を経由して、ドラゴンに戻るのだ。君は半分ドラゴンを止めた。魚スキルが獲得できます。【オススメ】
リトルドラゴンだ。それ以外に選択肢なんかあったか? 魚に嫌われたら、俺は生きていけないんだぞ!
でかくなった。“くまさん!” だ! 次こそ “くまさん!” を会得する。
何かコツを掴んだ気がする。イケる! うまうま♪
スライム邪魔、ゴブリン邪魔、蛇邪魔、鳥邪魔ー!
俺は俺の食料産出ポイント(食べ物)を他の生物から死守した。うめぇー魚は全部俺のもんだぁー!
(【川の守り手】の称号を獲得しました!)
突然だが、俺は棲家を追われた。
焼き魚の香ばしい匂いを漂わせたばっかりに…
てめぇーの黒いドラゴン面は忘れねぇーからな。
魚の恨みは肉の恨みよりこえーんだぞ! 俺は魚の方が大好きなんだ!
黒いのと能力に差がありすぎる。あいつが進化したら、てぇーへんなことになるぞ。
よーし、切り替えて次に行こう。新たな魚の産出ポイントを探さなきゃならない。
一回見つければ、ほぼ無限に捕れるからな。
To Be Continued…
小説の中に小説がある!?
この小説はルール無用である。なぜならば、書きたいことを書くからだ。
お読みくださりありがとうございます。