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Episode 18 騎士王女神が統べる西の国

昼時だ。最後の勇者達は飯屋に入った。


女神特製(なになに)、女神特製~、女神特製~ ……


これでもかと女神を主張してくる店だった。一行(いっこう)は女神特製日替わり定食を(たいら)らげた。



この街では、女神はみな同じ顔なので、差をつける為に髪や爪、アクセ、服などオシャレが盛んな様だ。


例:髪をくるくる、まきまき、うねうねなど


例:色爪、ツヤ爪、とんがり爪、キラキラリ爪など


最後の勇者は適当な最後のアクセを女神に買ってやった。ただの気まぐれである。小銭が重たかっただけだ。だが、金貨は渡さない。


「え? いいの?」 女神はとても喜んだ。


             ちらっ(・д[店](忍者女神)


そして、照れ隠しで勇者を殴り飛ばした。


「クソが!」「なんとなく恥ずかしいのよ!」



街をぶらぶらと探索していたら、唐突に騎士の集団に囲まれた。


彼女達は銀々(ぎんぎん)のフルプレートスタイルだ。


王の元へしょっぴかれた。


鍵ソードが装置に回されている。


「薄々と気づいてはいると思うが、君達が私に勝つことはまず不可能だ。私は大元が女神だったし、たゆまず剣の修練をしている。そして、“称号” での補正値もかなり強力だ。」


「その証拠に…」


「ふぎぎぎぎぎ…、がぉーー!」


鍵ソードを必死の形相(ぎょうそう)で持ち上げる。


とんでもねぇ顔芸である。美人が台無しである。


ドゴォォーン。ソードが地にめり込む!


「ぶはぁぁああ…」


玉座で死に体である。


今なら勝てそうである。だが、最後の勇者には攻撃手段がない。



「はぁ、はあ、はぁ、このようにデモンストレーションに使っているこの剣だが、正直、疲れるからいらない。…お水、お水を持って来てくれないかぁー!」


フルヘルムの騎士が水を差し出す。 ねぇ、暑くないの??


「うん、おいちい♪」


脳エネルギーまでが筋肉として使われたようだ。



ナッキュルが血塗(ちぬ)られたソードに近づいた。


…マメを潰す程練習したんだな。


「ふんぎゅゅーー、ぷおん、ぷおーん…」


こちらも顔芸を披露中である。自分ならイケると思ったのかも知れない。おバカな女神様である。



「半快するまで、質問タイムを(もう)けよう。何か聞きたい事はあるか?」


「何故、自ら魔王を倒しに行かないんだ?」


「害が無いからだ。正直、今の魔王ならいつでも倒せるし、それより民の為に北と南の “怪物” を牽制しておきたい。私がここにいる事でこちらには近付かなくなる。」



「…ところで、君達にはやって貰いたい事がある。邪魔な鍵と交換でどうだ? ついでに、前払いでスキル書もつけてやろう。」


「引き受けた!」


「感謝する。これで重い鍵ともおさらばだ。今度からは似た形状で軽い素材を使った物を使用するとしよう。」


スキル:『身代わり』を習得しました。



「ふんぎぃいいい、ふみゅん、ふみゅーん…」


まだやってたん?? どうやら、女神様には持てないようだ…


新しい顔芸2を絶賛開発中である。


最後に準備体操をして、本気を出そうとしたところで、最後の勇者に引っ張られていった。邪魔だから。


「服引っ張んなぁー! ちちが飛びでるぅー!」



騎士王女神から頼まれた仕事は “花紋(かもん)” の作成である。


同じ顔の女神だからこそ特別な何かが欲しいらしい。結婚する人が増えてきた今、当初考えていた “花紋” では足りなくなってしまったということみたいだ。


私服の騎士王女神も最後の勇者の隣で参戦だ。


仕事熱心なお女神である。一緒に考えるべし!


漢字や英語、記号、果物、デフォルメキャラ、箱キャラ、島風、駿河、鹿島、バニラアイスクリーム、パイナポー、ジェットババア、ウーパールーパー、○✕△□…


3日間缶詰めにされた。変なアイデアがあったかも知れないが、気にしなくてもいい、漢字は優秀だ。


「終わった。私、歯磨いて、寝りゅの。また明日会おうなの。」


騎士王女神は寝不足で脳が破壊されているようだ…



「この度はご苦労であった。また遊びに来るとよい、ラストよ。」


高級おみや(クッキー)、特製消臭スプレー×44。


女神様が女神に嫌われすぎている。


そんな素振りを一回も見せない女神は大人である。


怖ひ ((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル


最後の女神様は最後の勇者から貰ったプレゼントを見てニヤニヤしてた。


どうやら、現実を放棄して、過去の思い出に(ひた)っているらしい。


ドデカイ鍵ソードをGETした!『アイテム箱』さん、お食べ。



最後の勇者は転職女神のお店を発見したが、()しむらくもスルーした。まだ物語も中盤である。ここで最後の改造をする訳にはいかないのだ。



ばびゅーんを使用した。


(ばびゅーん・・・女神ポータル (只今、実験中の装置)。65%くらいの実行命中率がある。下がってる…)



彼らは超幸運にも竜の国に辿り着いた。引きが強い!


おみやは物欲しそうなドラゴンにあげました。


一口だ! 他の竜から襲撃(しゅうげき)を受けた! 君の(とうと)い犠牲は忘れない…


To Be Continued…

『Skill』


勇者 (ラスト):『ステータス改竄』(使用済) 『ラストカウンター』『自動回復(強)』『肩代わり』『受け流し』『身代わり』


女神様 (タティチ、ナッキュル):『ガチャる』『鑑定しちゃうぞ☆ミ』『女神様通信』『お裁縫』


『地獄耳』『メガセツナ』『メガメガ』『48手』『大切斬』『プリズン』『ジェイル』『変化の巻』


『目からビーム☆ミ』『アイテム箱』『テレポト』『クリエイト』『SOS』


『鵜の目と鷹の目』『n倍女神拳 (神気ブースト)』『スタンプ』(四十八手)



『鵜 (う)の目と鷹 (たか)の目』・・・神力で鵜と鷹を創り、大空から観測する技。これにより女神は勇者達の所在を掴んだ。勇者側の視点では見えなかったので、物語内では書かれない。


『n (ん)倍女神拳』・・・普段の女神様は10%だ。別に使わなくても調整できる。カッコよく技名を披露したいだけである。2~10倍まである。適当に調整する事を『神気ブースト』ともいう。


一章の最後で主人公に女神様が繰り出した技でもある(6倍)。


今回は剣を持ち上げるのに使おうとしたが、勇者に邪魔された。


『スタンプ』・・・呪い。消えない。相手に己の神気をつける事でその後の居場所などを特定できる追跡技。見えない場所につけるべし。この物語では、低威力のただの “花紋” (スタンプ)。消せる。(神気・小)



お読みくださりありがとうございます。

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