Episode 11 魔王テッカドン
女神様の服が残り三着しかなかった為、ケンイチ&タテテと最後の勇者&女神様は別行動を取ることにした。
「…なるほど、私の服を隠密外套、または隠密ケープとして使うのね、…盲点だったわ、なんて優秀なのかしら、私!」
「お前が優秀なのではない、服が優秀過ぎるのだ、分かれよ!」
「ところで、魔物を回避しながら何処へ向かってるの?」
「お前に説明する必要はないが、あえてその至らぬ脳みそに叩き込んでやる、よく聞くがいい、俺達は最後の地図を参考に最後の裏口から最後の抜け道を通って一直線に最後の魔王の元へ行くのだ」
「…なるほど! その地図はきっと偽物だ! すぐに作戦の中止を要求する! それと、やっぱあんたバカでしょ?」
「…ほら、着いたぞ、ここがその入り口だ」
「あるぇー? 私の方がバカだったの? バカでごめんなさぁああーーい!」
魔王城への陽動作戦が行われてる最中、
最後の勇者と女神様は明るい通路を歩いて魔王の元へと辿り着いた。
「よく来たな、最後の魔王テッカドンだ、我の流した地図をよくぞ見つけた、最後の勇者よ。やはりラストバトルというものは、勇者と魔王、最後に2人同士だけで戦うのが望ましい、そこなる女神は何故来た?」
「勇者に「寂しいから一緒に来て♪ お願い♪」されました! それと、同じ匂いがする勇者と魔王は二人ともバカだと思います」
ゴチンっ!
「いたぁー、なにすんだぁー!」
「まぁ、よい。アナライズ! と通常ならば、言うところではあるが、我には『ファイナルカウンター』のスキル以外は必要なくてな、あとのスキルは全て捨ててしまった」
「ほんとぉー?」
~ステータス~
【名前】テッカドン(最後の魔王に相応しい名前だろ?)
【年齢】許可されてません。
【性別】男
【種族】魔族
【レベル】423
【HP】62358
【MP】48526
【攻撃力】6163
【防御力】7296
【魔法力】5432
【敏捷性】43↓(5109)これでより楽しめる!
【スキル】『ファイナルカウンター』『パリィ』
(捨ててねーよ! 『パリィ』残ってんじゃねーか! 嘘つきやろーが! なんで自分で敏捷性下げてんの? 理解できないんだけどー)
「勇者がどんなスキルを取ったか楽しみなのだ、フィニッシュブロウはお前にくれてやる、さぁ、かかってくるがよい!」
「…ああ」
(焦ってるねー、その動揺手に取るように分かるよ、だって、攻撃力ちょー低いもんね、ぷぷっ、仕方ない、お姉さんが助け船を出してあげよう)
「ふふーん、困ってるねー、最後の勇・者・君、私に頼ってくれてもいいんだよー? わ・た・しに!」
「…最後の女神よ! 全力で殴らせてやる、来い!」
「うぉっしゃぁあああー! 日頃の恨みをここでぶちかましてやらぁー! 歯を食いしばれ! 全力全開女神パンチだ!」
超限定女神力100%!!
ドゴォォー
それを乗せてそのまま魔王に返す、ラストカウンター!
「へへーん、どうだ、ほとんど全て私の攻撃力!!」
「今この戦場で戦ってる全ての者のダメージを少しづつ『肩代わり』した一撃だ、効くだろ?」
「うきゅゅー、ちょー恥ずかしいよー、先に言ってよー」
「…ああ、流石は最後の勇者、最高の一撃だ、だが、ファイナルカウンター!!」
ドゴォォーン!
「我の一撃とてそれに負けてはおらん!」
「「ハハハハハハ」」
「ラスラスラスラス…」
「ファイファイファイ…」
「「カウンター!!」」
(凄いパンチの応酬ね…、ズゴゴォー、城までもがその衝撃で揺さぶられてるわ…)
時間経過!
「…おかしい、双方ともこんだけダメージを受ければ、HPがもう尽きているはず…、まさか!? ズゴゴゴォー、…って城煩いのよ、お黙り!」
【スキル】『ステータス改竄』(使用済)、『ラストカウンター』、『自動回復(強)』『肩代わり』『受け流し』
「増えてるぅー!! 私の酒代返せぇー! ズゴゴゴゴォー、…いい加減にしてくれませんかね? 私、考え中なんだけど…、ん? 受け流し? 轟音? お前ピンチなのかぁー、城ぉおおおー!?」
「イエス、ズゴォン、ズゴォン(幻聴)」
「確かに聴いたぞ、お前の声! 最後の勇者ぁー! 私はここでの事を皆に報告する義務がある、じゃぁな、さーらば、私だけは生き残るんじゃぁあああー!!」
ぴゅーー
女神様は猛ダッシュで戦線離脱した。
「クハハ、薄情な女神を連れておるな」
「俺はドライな関係が好みなんでな、それに漢同士の最後の決闘に女は不要だろ?」
「違いない」
「ラストカウンター!!」
「ファイナルカウンター!!」
死因:城の倒壊!! 以上。
「タティチさん、ラストさんは?」
女神様はふるふると首をふる。
「…そうですか」
その後、女神様は天上へと帰って行き、ケンイチとタテテは結婚し、仲睦まじく暮らしたそうな…、めでたしめでたし。
To Be Continued…
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