表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻影を纏う刃  作者: ふたばみつき
幻影を纏う刃編
8/75

第6話 クレアVSオーク

 あるひ もりのなか

 ぶたさんに であった


 はなさく もりのみち

 ぶたさんに であった


 おじょうさん おにげなさい

 

 とは言う訳もなく。オークさんのフヒー!! フヒー!! と言う激しい息使いばかりがこちらに聞こえて来るのでした。

 

 やめて!! 私に乱暴する気でしょう!?

 エロ同人みたいに!!

 エロ同人みたいに!!


 と、ふざけるのは後にして。

 ど、どないしょ……


「クレアちゃん…… ゆっくり後ろに下がって……」


 リアナちゃんが私の耳元でそう呟いた。

 俺は言われた通り、ジリジリと後退する。

 それと同時にリアナちゃんが私の前に出る。


 まるで私の事を庇う様に……


 いや、いやいや。

 それは駄目でしょう。

 それは違うでしょう。


 その時、私がその場から逃げ様としてると思ったのか、オークがけたたましい叫び声を挙げ。こちらに襲い掛かって来た。


 なんの練りもない、ジャンピングのしかかりである。

 でも、これが恐ろしくてたまらない。


 強張る足を無理矢理動かし、リアナちゃんごと横っ飛びでオークのジャンピングのしかかりを間一髪の所で回避する。


 うひぃ!! ちょっと、漏らしちゃった!!

 

 しかも、余りの緊張で一人称も私になってた、気持ち悪りぃ!!

 今、完全に精神が肉体に引っ張られてたわ。


 あぶねぇ、あぶねぇ!! もっとクールに行こう!!

 テメェと真っ向からやり合うつもりなんて真っ平無いぞ!!


 こう言うのは、相手を鼻で笑う程度がちょうどいいんだ!!

 私はそうやって、今までやって来たんだ。今回だってやれるはず!!


「リアナ。ウゴカナイ。私ヤル」


 私の後ろで……

 また、私って言っちゃった……


 いかんいかん。

 俺のペースに戻さなければ……


 取り敢えず、我に帰るとワイの後ろでリアナはんが、何やら言うとりますが、それを無視してワイはオークと対峙する。


 対峙するでぇ!!


 そう自分に言い聞かせ、ベルトに忍ばせていたナイフを取り出す。


 そして、久し振りに見る自分の得物に視線を落とす。

 刃渡り5センチのプッシュダカーナイフ。


 正直、スペックとしてはオークを仕留められる様な代物では到底ない。だが、この刃にはドギツイ毒をべっちょりぬっちょり塗ってある。


 そして、その毒はゴリゴリにオークを仕留められる様な代物だ。


 つまり、一発当たれば勝ち。

 逆にこちらが一発もらっちゃったら……


 まあ、死亡ですかな?


 あるいはワンチャン、エロ同人コース。

 ま、まあ…… それは絶対ヤダな…… 


 もし、そうなったら、率先して自決する所存。


 大丈夫、自分で言うのもなんだが。私はこう見えても腕利きの暗殺者。名だって結構通っているんだ。


 その名も《幻影を纏う刃》!!


 この名に懸けて、私は決して負けはしない。


 ま、負けはしないんだからね!!

 べ、別に、貴方の為に頑張る訳じゃないんだからね!! 

 か、勘違いしないでよね!!


 リアナちゃんの為に頑張るだけなんだからね!!


 そんなふざけたことを頭の中で考えながら、私はナイフをオークに向けて構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ