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幻影を纏う刃  作者: ふたばみつき
眠る大火山、ホワイト・ヘッジ編
65/75

第60話 覚醒

「ミィちゃん。いくつ。数えた?」

「あ、おはよう、お姉ちゃん!! 160まで、数えたよ!!」


 と、言うことは二分と四十秒か。


 三分いかない程。でも、大丈夫、問題ない。こういう時の人間の回復力は凄まじい。それに素晴らしきかな、十代の肉体。これなら、動けない事はない……

 それに、この世界の人間は私の元いた世界の人間より比較的肉体が野性的。なんだろう、なんと言うかこう。強い、生物的に……


 一応、これも転生の加護なのかな?

 まあ、私はその中では貧弱だけど、一応その加護を受けてはいる。だから、大丈夫。

 

「ありがとうね、ミィちゃん。行こう……」

「うん!」


 そう言って、両足に力を入れて立ち上がる。


 若干の眩暈とふらつきがある。意識も若干朦朧とする、視界で白い花火の様な物がチカチカする。これは酸欠症状の典型だ。足も何だかスカスカする。万全とは程遠いけどやるしかない。

 どうだろう、万全な状態を100とするなら、今の私は、そうだな、20とかそんなかな?


「よし。ミィちゃん。さっきの人のニオイ。追える?」

「追えるよ!!」


 そう言うと、ミィちゃんは牢屋の外へと駆け出して行った。私はその後を追って牢屋を後にした。


 頭の中で、先程のエルフとのやり取りを思い出す。


 エルフの賢者がしていた危うい研究。それを止めようとした彼の扱い。《黒の師団》の狙い。仲間達の行方。

 そして、エルフの賢者が今からやろうとしている事。


 くぅ~ 頭がパンクしちゃうよ~

 多分、頭の方の処理能力も80%カットされてるよ~


「お姉ちゃん! こっち!!」


 不意に耳に届いたミィちゃんの声で我に帰る。

 

 まるで迷路だ、幾つもの脇道に天井から漏れる水、今にも崩れそうな天井。所々、底が抜け、下の階層が見える床。ミィちゃんのガイドがなければ一体何処に向かえば良いのかもわからない。


 いやはや、それにしても目茶苦茶だ。


 私から見てもわかる。それ程に、この坑道は目茶苦茶だ。今にも瓦解しそうな程に雑な造りをしている。ただの馬鹿か、ワザとやっているのか、細かい事は気にしていないのか。


 あのエルフの態度からして《黒の師団》は細かい事は気にしてないのだろう。最悪、このホワイト・ロックごとブッ潰すとまで言っていたし。


 だが、それは不味いぞ。ここはウィザさんの大切な鉱床、ブッ潰して貰っては困る。それに最悪、このホワイト・ロックを潰さなければならなくなったとしても。絶対に皆は避難させなければ。

 

 とにかく、あのエルフを見つけて、それを伝えなければ。


「お姉ちゃん、コッチコッチ!! ニオイが強くなって来たよ、もうすぐだよ!」


 そう言ったミィちゃんが軽業師の如く跳ねる様に走る。


 底の抜けた裂け目から下の階層へと飛び、脇道へと滑り込み、更には坑道の裂け目から上の階層を目指してよじ登って行く。

 亜人特有の凄まじい身体能力である。いくら調子が悪いとは言え、身軽が売りの私が結構着いて行くのがキツイ。

 これは今から将来が楽しみだ。


「お姉ちゃん、ここだよ! ここ!」


 そう言ってミィちゃんが指差したのは一つの脇道だった。

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