第4話 ギルドカード発行
結論、なんにも起きませんでしたわ!!
ほんま、よかったですわ!!
ただ「ちょこっと、血を貰いますね~」とか言って。針で「ちょん、プス!!」てやられたけど。アレ、なんなの?
もし暗殺の仕事でちょっと流血して、その血を鑑定されて「むむ!! この血はクレアのですぞ!!」ってなったりしないよね?
もしそうなったらどないしょ~ まぁ、アタイ、仕事で血を流したこと一度も無いから多分大丈夫ですけどね!! 私、失敗しないんで!!
とまあ、そんなこんなでギルドカードが出来ましたわ。おまちかねの見た目はと言うと……
一言で言うと革製のお守りである。そして、そのお守りの中に羊皮紙が一枚。
こ、これは……
「ショボ……」
思わずそう口に出してしまった。
ハッと口を押さえて、皆に目をやる。すると一同、満点の苦笑いをしている。そんな中、レックスが頬を掻きながら口を開いた。
「ま、まあね。少しの前までは結構手の込んだのを発行してたんだけど、よく盗まれたり、暗殺者ギルドにそれをコレクションする奴がいたりで今は飛びっきりショボいのにしてるんだ……」
「ヘ、へ~……」
やべぇぇよ、やべぇぇよ!!
ギルドカードコレクションする暗殺者ギルドの変態って知ってるんだけど。なんなら《華族》の一員なんですけどぉぉ!!
どど、ど、どうしよう、どうしよう。
余りの衝撃にプルプル震えていると、その震える手を優しくリアナちゃんが包み込んだ。そして、次の瞬間、俺を抱き寄せてくれた。
「大丈夫だよ。その暗殺者はもう捕まってて騎士団の牢獄に入ってるらしいから」
へぇぇ!! あへぇ!! えぇ!? 捕まってたんかい!! そりゃ、安心ですわ!!
て言うか、あの馬鹿兄貴!! どおりで最近見ないなと思った!! 知りたくなかったぁ!! 助けなくちゃじゃん!!
《闇の華族》掟、その2。『《華族》の者は家族が危険に陥った時、いかなる理由があろうと助けること』まあ、これは後でいいか……
もっと、身体の調子が良くなってから助けよ……
多分、余裕ぶっこいて生きてるだろうし……
「そ、それなら。良かったです……」
「うん、そうだよね」
そう言うと、リアナちゃんが腕をきゅ♡ と握ってくれた。ありがとう、リアナちゃん♡ 大好きぃ、大好きぃ♡ それとその他の方々も……
いや、マジな話《華族》のいる場所がわかったのは大きな収穫だよ。なんかあんまり嬉しくないけど……
それに、なんかどっと疲れた気がする。
まあ、気を取り直して薬草採取に行きますか……