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幻影を纏う刃  作者: ふたばみつき
華族編
40/75

第35話 大好きなお姉ちゃんとお母さん。

 お母さんからはいつも花の香りがした。


 クチナシの花の優しくて甘い香り。


 でも、そのお母さんはもういない。


 私を助ける為に悪い奴等に殺された。

 私も悪い奴等に捕まって鉄の箱に閉じ込められた。


 私が連れてこられた場所は、悲しくて怖くて寂しい所。そこは、涙の香りで一杯だった。

 皆も私と同じ様な目に遭ったのかと思うと、凄く悲しくて悔しくなった。


 そんな時、お母さんと同じ花の香りがした。


 もしかしたら、お母さんが助けに来てくれたのかと思ったけど。その香りはお母さんとは少しだけ違がった。

 なんて言えばいいのか。それはわわからないけど、少し違っていた。


 どこか危ない香りがした。

 でも、それ以上にお母さんに似た甘くて優しい香りもした。


 凄く不思議な人だった。優しいと厳しさが合わさったような凄く不思議な香りがした。


 その人は凄く凄い人だった。


 みんなを助けて。悪い人を全員をあっという間に倒しちゃった。

 みんな、ビックリしたみたい。でも、私はそんな事よりもっと凄いと思った事があった。


 みんな、あんなに悲しい香りを出していたのに、その時にはみんなから悲しい涙の香りはしなくなってた。

 喜んでた、と言うと少し違うかもしれないけど、少なくとも悲しい香りはしなくなってた。


 その時に私もああなりたいと思った。


 悲しい涙の香り、大切な物を無くした人を少しでも助けてあげたいと思った。お姉ちゃんみたいに強くて優しい人なりたいと思った。


 優しくて強くて綺麗、そんなお姉ちゃんみたいになりたいと思った。

 私の大好きなお母さんと同じ、優しくて甘い香りのするお姉ちゃん。


 私は絶対にお姉ちゃんみたいになるからね。お姉ちゃんみたいになって、困ってる人や涙を流してる人を助ける。


 そして、お姉ちゃんも守る、お姉ちゃんの家族も皆守る。

 だって、みんな、私の事を家族って言ってくれたんだもん。


 もう、絶対に無くさない。

 だって、大切な大切な家族だもん。


 もう二度と無くなさい。

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