第24話 日常は突然にぶち壊れる
うっふん♡
私の名前はクレアちゃん、花も恥じらう14歳よ♡
白くて染みひとつ無い綺麗なお肌、銀色に光る長い髪に宝石のような紫の瞳。ほのかに昔。殿方にプレゼントしてもらった白いワンピースに身を包み。港街の強い日差しから弱々お肌を守る為、麦わら帽子を被り。今日も新たな拠点を探す為に内見♪ 内見♪
うふふ♡
今日は一体、どんな物件に出会えるのかしら?
可愛い地下室や可愛い拷問部屋。ピンクの隠し部屋やクマさん一杯の隠し通路なんかがある可愛い物件は無いかしら? え? そんなの無いって?
知ってるわい!!
だから、地下室を勝手に作れそうな物件とか、拷問部屋を作れそうな部屋とかがある物件を探すんだよぉ!!
しかしだ!! これが残念な事にこの世界の不動産屋も人を見るらしく、俺には貴族の別荘になりそうな、小高い丘に建てられた邸宅や、港付近の住宅街にボッコリとそびえたオーシャンビューの豪邸なんかを紹介してくる!!
そんなもん目立って仕方ねぇだろうがよ、このタコっぱちがよ!!
もっと、糞尿を垂れ流し!! ドブネズミが泥水をすすり!! カビのはえた様な臭いがする!! なんか、そんな裏路地の廃墟なんだか廃墟じゃないんだか、わからない所を紹介してくれよ!!
とまあ、そんな意味わからない注文を出来る訳もなく。正攻法である内見は早々に諦め。自分の足で糞尿が垂れ流される裏路地へと向かい。ダイレクトに内見をする事にしました。
そこで、現れたのがコイツらだッ!!
「へへへ、お嬢ちゃん。ここはお嬢ちゃんが来るような場所じゃないんだぜぇ!!」
「ひひひ、だからと言ってお嬢ちゃんを優しくお家に帰す。なんてことも無いけどねぇ!!」
裏路地に入って、はや五分。既に面倒なことになっている。
絶賛、チンピラ二人に絡まれている。
「へへへ、お嬢ちゃん。大人しくしてさえいれば痛い目には会わせねぇぜ!!」
「ひひひ、最初は痛いかも知れねぇけど。心配はいらないさ。色々と用意してあるから心配しねぇで大人しくな!!」
ここでIQ五万八千八百の頭脳を誇る、俺の脳味噌がリニアモーターカーぐらいのスピードで回転して、とある答えをギュバッ!! っと叩き出した。
コイツらの拠点をそのまんまパクっちまえば良くねぇか。である。
最早、天才以外の何者でもない。これならば不動産屋の仲介もなく。かつ既になんらかの拠点として活動している場所をまるっとざくっとごりっとばりっと自分達の物に出来る。すげぇ、我ながら、全てお見通しだぁ……
流石は俺のIQ六万七千七百の脳味噌である。
「ヤ、ヤメテー、コ、コナイデヨー!!」
と、まあ。猫被った一芝居をブッ込んでみる。
「へへへ、大丈夫大丈夫!! 痛いことはしないから!!」
「ひひひ、安心して大人しくしてろって!!」
そう言うと、チンピラAが嬉しそうな顔を浮かべながらロープを広げ。もう片方のチンピラBがにやにやしながら何か布の様な物を俺の口に押し当てて来た。
サスペンスドラマとかで良くある、アレである。
ドラマだと、クロロホルムだの、エチルエーテルだのの麻酔薬を吸わせてあーだこーだと言われるが、実際にそう言うのは無い。クロロホルムはやった方もやられた方も火傷したりとかするし。エチルエーテルは爆発的したりするしで管理が大変だから、こう言った事に使用される事はまず無い。
使用されるとすれば、バッチシ吸入してキマっちゃう系の麻薬である。吸わせて、ぐでんぐでんにして拐う。と言うのが最適解として予想される。
本当はブッチューー!! と注射器でやってしまえば一番早いし確実だが、そんな物この世界に無いから、そこら辺が関の山だろう。
そして、当のアタスはアタスで、毒とかそう言う物の実験を自分の身体でしてたりするので、そう言った類いがいまいちキマらなかったりする。
なんなら、相性とか、モノの質次第では頭痛がして不機嫌になって終わるだけだったりする。
んで、因みに今回のはソレ。
良い子も悪い子も、真似しないでね。
おクスリ、ダメ!! ゼッタイ!!
とまあ、そんな感じでロープで縛られて運ばれる訳です。
取り敢えず、ボケーっとキマッたフリはしておく。
あう、あう。とか言っとく。
それでは内見する物件までの送迎、お願いしま~す。




