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魔法高校の聖騎士~楽園の鳥籠で天使は嘲笑う~  作者: 天羽睦月
第2章 新たな日常
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第34話 割れた空間

「さて、俺は優雅を支援してくる。お前たちはここに隠れているように」


 源十郎は出雲たちにここで隠れているようにと言い、一気に優雅の元まで駆け出した。結構な年には見えないその動きを出雲達は見ており、第一部隊の強さの一端を見た気がしていた。


「俺たちはここで待つしかない。これ以上邪魔は出来ない……ここで終わるのを待とう」

「そうですね……俺の力じゃ邪魔になるだけです……」

「私たちのまだ弱すぎるわ……なにも守れない……」


 出雲と愛理が落ち込んでいると、景昌が二人にこれから強くなれると励ます。


「二人はこれから伸びしろが沢山ある! あそこで戦っている第一部隊の人たちを目標にして、将来魔法騎士団に入って活躍をしてくれ。俺を超えるくらい強くなってくれると嬉しいぞ」


 景昌の言葉を聞いた出雲は強くならないとと、戦闘をしている源十郎たちを見ながら思っていた。


「俺は強くならないと、あの人たちと共に戦えるくらいに!」


 出雲は精神と共に強くなって、弱者を脱却すると決意していた。

 その後10分程度、出雲たちは源十郎たちとハニエルの戦闘を見ていると、ハニエルの様子が変化していた。


「グガガガガ……ガガガガガ……」


 ハニエルは突然頭部を抱えて苦しんでいた。

 源十郎たちはハニエルを見て何が起きたんだと距離を置いて様子を伺っていた。


「ニンゲン……セイコン……ニニニニンゲン……」


 ハニエルが両腕で頭部を抱えていると、ハニエルの顔が人間だったころの顔に戻ったりハニエルの顔になったりと奇妙な現象が起きていた。


「なんだあいつ? 何が起きているんだ?」

「油断をするな! 一瞬の油断が命取りだぞ!」


 源十郎が構えを解いた優雅を注意した。

 優雅はすみませんと謝りつつ、再度剣を構えた。すると、ハニエルの右側の顔が人間の顔に変化をしていた。


「異様な光景だな。こいつは一体何なんだ?」

「分かりません。ただ、異様な生命体であることは分かります」


 優雅が冷や汗をかきながらハニエルの様子を見ていると、ハニエルの背後の空間が突然割れた。


「空間が割れた!?」

「気を付けろ! 何が起こるか分からないぞ!」


 源十郎は優雅に注意をしつつ、轟雷でハニエルを両断しようとした。

 だが、源十郎の轟雷がハニエルの体を両断する瞬間、割れた空間から無数の鎖が現れてハニエルを割れた空間の中に引きずり込んでしまう。


「オレハマダヤレル! ヤレルノニ!」


 片言でまだやれると声を上げながら鎖に巻かれながら叫んでいた。

 源十郎と優雅はその叫び声を聞くと、ハニエルの他に同じような生命体がいることが判明したなと言い合っていた。


「ハニエルが割れた空間に吸い込まれた……終わったのか?」

「まだ油断はするな! 空間は消えていないぞ!」


 源十郎の言う通り、ハニエルが吸い込まれた割れた空間が閉じていないからである。


「何か来るぞ!」


 源十郎が叫ぶと、割れた空間の中から漆黒の丸い塊が源十郎と優雅に向かっていく。二人は持っている剣にてその漆黒の丸い塊を空に弾き、空に弾かれた漆黒の丸い塊は上空にて強大な爆発音と共に漆黒の丸い塊が消え去った。


「見ろ! 割れた空間が閉じていくぞ!」

「はい! ハニエルの最後の攻撃だったみたいですね」


 優雅が言う通り、漆黒の丸い塊が放たれたと同時に割れた空間が閉じ始めていた。

 源十郎と優雅が二人で割れた空間を見ると、綺麗に何もなかったように割れた空間が閉じていた。


「空間が閉じた……終わったのか?」

「そのようですね……一体あの敵は何だったのでしょうか? 景昌さんが言うにはただの魔法犯罪者だったようですが、途中であのような姿に変わったみたいです」


 優雅が景昌から聞いた情報を源十郎に伝えると、これから忙しくなるかもなと源十郎は微笑して優雅に話していた。

 優雅は源十郎が微笑している姿を見て、色々巻き込まれそうだと何かを諦めたような顔をしていた。


「終わったのかな? 割れた空間にあのハニエルって言ってた怪物が入って消えたけど」

「源十郎さんたちが構えを解いたから、戦闘は終わったみたいだな」


 景昌が戦闘が終わったようだと言うと、愛理が地面にペタンと座ってしまった。愛理は緊張の糸が切れたようで、怖かったと一言呟いた。


「よく頑張ったな。まだ初日だと言うのに、怖い思いをさせてすまなかった」


 景昌が地面に座ってしまった愛理の肩を掴んで言うと、愛理が今度お昼奢ってくださいと景昌に言った。

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