八章 事故
今回は、人によってはショッキングかもしれません(まぁ俗にいうスプラッタ―表現です)。
そこまでスプラッタ―が強いってわけじゃないんですけど(残念ながら作者の腕の限界)、「スプラッター超苦手!ちょっとそう言うのがあるだけで無理!」って方は、頑張ってください。
音無達が来てから何日か経った。
あいつらも随分島になじんだようで、今日は親父の船で漁に同行している。私は、生理が来てからそこまで日が経っていないこともあり、今日は留守番だ。とはいっても、体調的には全く問題がなく、むしろ留守番になったことを恨むくらいには元気だ。
「……一緒に行きたかった~!」
叫んでも一人。
そう言えば最近1人で過ごすことも少なかったし、たまにはいいかな。
ただただぼーっとする時間が1時間くらいが経ったころ、ふと男であった頃の思い出が頭の中であふれてくる。
「…あ~そう言えばあんなこともあったな~。」
実際にはそんなに懐かしむほどに時間は経っていないのだが、思い出を思い出していると、なぜか懐かしく感じる。
ふと考えを巡らせていると、急に、女子になった日の事を思い出す。
今思い出しても、随分と急なことだった。
学校に電話したら神田先生が来て、下着を買いに行って。先生と下着を買いに行くってどういう状況だよ。
誰もいない居間で、私の笑い声だけが響く。
こう思うと、案外女子になっても楽しいのかもしれない。
……いやダメだ。
女子でいることに慣れちゃだめだ。
そうだ!俺は男子のはずだ!まだ心は男子のはずだ!
「…私、いや俺は、男子だったのに……。」
今ではもう男子の心を忘れかけてる自分がいる。
……これはダメだ。
思い出さなきゃ。
自分が男子だった記憶を。
違う!俺だ男子だ!
慌てて起き上がり、頭の整理に取り掛かる。
「……記憶!記憶は!?」
そう思って頭の中の記憶を探る。
おかしい。
思い出はある。
でも、記憶はない。
ただ漠然と、過ごした日々の思い出はあるのに、記憶は全く見当たらない。
過ごしていた風景は見えるのに、そこに私はいない。
違う違う!
俺は俺だ!私じゃない!
「……っ!」
この前、音無達が来た日に4人で見た星空!
あの3人は男子の頃からの友達だから、その場所に行けば思い出すかも!
思い立った瞬間にすぐに靴を履いて神社までの道に走る。バイクでいくなんて考えはなかった。
家を出て、漁協の前を走り抜け、フェリー乗り場の先にある頂上の神社へ続く階段の前に立つ。
「はぁ…はぁ…はぁ……。」
息を切らしながら、階段を登り始める。
最初はゆっくり階段を登っていたけど、少しずつ足を運ぶ速度が速くなって、気が付けば階段を駆け上っている。
早く、神社の境内に……。
もう少しで頂上と言う時に、踏み込んだ右足は、階段をとらえる事なく空を蹴る。
「……え?」
その右足は下の段につくこともなく、そのままバランスを崩して階段を転がり落ちる。
「………………。」
体中が痛い。
体中が熱い。
体中が動かない。
アドレナリンが出てるからか、痛みはすぐに和らぐ。
ゆっくり目を開けると、周辺には、これ大丈夫なの?と聞きたくなるくらいの量の血が飛び散っている。
手が少しだけ動かせることに気づき、手を持ち上げると、どこから出たか分からない血が大量についてる。
ちょっと経つと、視界がぼやけて、目の前にある石段が何なのかもわからなくなってくる。
あ…。
私、死ぬのかな。
短いけど、普段経験できない経験ができたし、いいかな。
なんだか意識も遠くなってきた。
「………………。」
声が出ない。
さっきまでなかった痛みは、今も無い。
そして、さっきまであった体中がの触覚も、無くなっている。
もう、何もできないや。このまま寝ちゃおうかな。
親父、お袋、親孝行できなくて、ごめん……。
……さようなら…………。
多分まだまだ続きますよ~(作者本人も、その時の思い付きで書いてる為、どこまで行くか分からない。)
少なくともこんな微妙なところで終わるとは考えにくいので、もうちょっと書くと思います(本当にすいません。こればっかりは本人の気分次第です。まぁ私なんですが。)
でも書く気分じゃなくなったら、急に連載が止まる可能性もあるので(本当に申し訳ない)、その辺ご了承ください(よろしくお願いします)。
ではこれからもよろしくお願いします(もうちょっとお付き合いください)。
ではでは~。
―追記―
2020年7月18日17時18分
誤字を発見いたしましたので、修正いたしました。




