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俺は私になった。  作者: 雪村 敦
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2-2章 帰ってきた日常

「西住、修学旅行の行程表渡しとくから確認しといて。」

「あぁ、ありがとう。」

 いつもの天文部の部室。

 今日も今日とてやる事はない。

 音無から受け取った修学旅行の行程表を読みながら、いつもより慌ただしい天文部の部員を眺める。

「西住ちゃん、修学旅行の部屋は神田先生と同室らしいよ。」

「え?神田先生と?なんで?」

「なんでも他の生徒と同室にはできないらしいよ。心当たりはあるんじゃない?」

 まぁ確かに、そこまで素行がいい方ではないだろうけど、わざわざ他の生徒と分けるのは…。

 あぁ、私の特性のせいかな。男子とも女子ともつかない私をどっちの部屋にも入れられないと。それもそうか。

「西住さんいる?」

 神田先生が扉を開けて顔をのぞかせる。

 そう言えば、天文部の3人は天文台へと姿を消し、上で騒いでいる。かすかに聞こえるのは、『計算ミス』と言う単語だ。多分誰かが計算をミスって観測対象が見つからないんだろう。まぁ仮名の計算もたまにはミスるだろう。

「先生、何かあったんですか?まだ何にもしてませんけど。」

「まだって何かするつもりなの…?そうじゃなくて、修学旅行の事聞いた?」

「あぁそれなら聞きました。確か先生と同室なんでしたっけ。」

「そうそう。本当は女子部屋にって方向だったんだけど、一応事情が事情だから今回は私が見張るって流れになったの。」

「見張るんですか。私を?」

 見張られるのか。

 ってことは班別行動とかでも見張られるのかな?

「まぁそれは言葉の綾だけど。まぁ他の生徒にも西住さん自身にも安心してもらいたいって言う学校側の配慮だから。」

「まぁわかりました。そう言えば、先生が私と一緒に修学旅行行くんなら、先生来年度もこの学校にいるんですね。」

「そうだね。今の所クビにはなってないかな。」

 そう言うと同時に、先生は腕時計を見て、部室の扉を開ける。

「じゃぁ私そろそろ会議があるから失礼するね。気を付けて帰りなさいよ。」

「はーい。」

「先生も気を付けてくださいね~。」

 先生が出て行った後の部室で、私たちは帰り支度をする。

 外は風が吹いているが、バイクに乗るのは問題なさそうだ。だけど寒そう。

 とりあえずバイクに乗るためにズボンに履き替えてると、上から声投げかけられる。

「あれ、2人とも帰るの?」

 天文台の扉から、音無が下を覗き込み、その後ろでは右田も見下ろしている。

 仮名の姿が見えないが、多分今でも計算中かな。今頃天文台のパソコンは凄い勢いでうなり声をあげてるんだろうな。

「そろそろ帰ろうかなって。暇だし。家帰って家事でもしようかと。」

「あ、私は家帰ってマンガでも読みたいから。」

「マンガ読みたいって桃香(ももか)…。まぁいいや。気を付けてな。」

「「はーい。」」

 2人で返事をすると、音無と右田はそのまま天文台の方に戻り、天文台の蓋を閉じた。時間が無いから集中したいんだろう。

 蓋が閉まるのを確認すると、斉藤が声を出した。

「帰ろっか。」

 その言葉に、私は同調する。

「うん。」

 昇降口を出ると、私は駐輪場へ、斉藤は校門へ向かう。

 駐輪場に停まってる自転車はすでにほとんど残っていなく、教員のバイクや自転車くらいしか残っていない。そんな中に停まってる私のカブは少し目立って見える。

 厚手の上着を着て、しっかりとグローブをつけると、ヘルメットをかぶってバイクに跨ると、スタンドを払って鍵を回す。

 ニュートラルを確認してキックを蹴ってエンジンをかける。

 かからない。

 キャブが冷えてかかりにくい。

 チョークを引いてアクセルを回しながらキックを蹴ってエンジンをかける。

 エンジンが安定してきたらチョークを戻してペダルを踏み1速に変速して走り出す。

 校門を出ると、家に向かう道を走りながら、ギアを変速しながら加速していった。

 随分お久しぶりですね。まぁ自分が書いてなかったせいですが…。

 新シリーズ執筆開始するも新シリーズ2話目を書いている間に、新シリーズを開始した理由である中免も取って1ヶ月以上が過ぎてしまいました。

 この2か月何してたかと言うと、バイト戦士になっておりました。

 そう言えば、前に涼ちゃんに『車の免許取って結構時間たっちゃったから学科の自信がかなり無いらしいよ。』って言ってもらったんですけど、この時は普通車持ってれば二輪の学科試験は免除だってことを知らなかったが故の発言ですね。

 これまた随分バカみたいなミスを…。

 次の更新もいち早く掲載したいと思うので、しばしお待ちを!

 ではでは~。

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