十七章 学祭
注意
学祭を楽しむ要素はできてません。
秋田までナイトランした夜から1週間、学校は熱いぐらいの熱に飲み込まれている、3日間の学園祭、《霧ヶ峰祭》の始まりである。
だが、今日とて俺は、天文部の部室にいた。
部室は、俺と斉藤だけだ。
ほかの奴らはと言うと、音無と右田は展示の店番。仮名は上の天文台で計算。なんか近々すごい星が日本の上空を通過するらしい。
国立天文台やら有名な天文台の計算結果ならもう出てるだろうに、3人は、『自分達で計算したものじゃなきゃ意味がない。』って言って、仮名が1人で計算している。まぁそう言う計算は仮名の得意分野だけど、他の2人も手伝ってやれよって思う。
「……なぁ、学校の中歩き回っちゃダメか?」
ふと、俺の横にいる斉藤に声をかけると、本を読んでいた斉藤がこっちを向く。
あ、小説じゃなくてマンガだった。
「う~ん。ごめんね。音無くんに見張っとけって言われちゃってるから。」
多分樫田対策だろうけど、そろそろこの空間にも飽きて来た。
学園祭が楽しみかって聞かれると、そうでもない。
と言うかあんまり興味がない。
まぁ授業が無いのはありがたいし、こういう空気が苦手なのも事実だけど、こう騒がれてると、何かと興味がわいてくるって言うごく一般人的な感覚だ。
しばらくして、部室のドアがノックされ、扉が開く。
「はい。」
斉藤が立ち上がり、扉の鍵を開けると、そこには神田先生が立ってる。
「あら、斉藤さん。ここに西住さんいる?」
「西住ちゃんですか?いますけどどうしたんですか?」
俺の名前が呼ばれたから、椅子を立ち上がってドアの方に向かう。
「あ西住さん、ちょっと来てもらえる?」
「かまいませんけど、どうしました?」
「実は、模擬店の中で、食品が足りないところが出てきちゃって、お使いを頼みたいの。」
お使い?
そう言うのって先生が行くんじゃないの?それか手すきの生徒とか。
「本来は教職員が行くべきなんだけど、今は誰も手が離せなくて、かといって学生を徒歩でいかせる距離に、そう言うスーパーがあるわけじゃないし。」
そう言えば、この辺ってコンビニしかないからなぁ。
ってことは、スーパーとかでしか売ってないものか。
「バイクで通学してる生徒でってなると、あんまり素行がいい生徒が居なくて。」
あ~理解した。
そこまで素行が悪くなくて、なおかつ本職のバイク便だもんな。
「西住さんならバイク便やってるし、教師陣も信頼してる人が多いから。」
「そう言う事ならわかりました。お金は建て替えとくって形でいいですか?」
「あ、できればガソリン代とかも計算しといてくれるとありがたいかな。他のも消耗品はあるだろうけど、とりあえずガソリン代だけって形で。それと、領収書持ってきて。レシートじゃなくて。但し書きは《学園祭模擬店不足分補充》で、宛名は《私立霧ヶ峰高校》ね。」
「了解しました。じゃぁ斉藤、ちょっと行ってくるよ。」
「わかった。気を付けてね。」
「うん。」
鞄からズボンを取り出し、スカートと履き替えると、鍵とスマホ、それに財布をもって部室を出る。
外で待ってた神田先生と一緒に駐輪場に向かうが、何か最近違和感がある。特に下半身と言うか腰回りと言うか。
飾りつけされた校舎内を、仮装したりクラT着たりして歩く生徒の中を通っていると、ちゃんと参加はできていないが、俺も学祭に参加している気分になれる。
駐輪場につくと、ヘルメットをかぶって走り出す。
走り出してミラーを見ると、こちらに手を振っていた神田先生に、樫田が声をかけてるのが見える。
「……。」
ちょっと遠回りをしていこう。
駐輪場から校門まで、すごくゆっくり走っていく。人にあたったりしたらまずいから。
スーパーまで、普通に行けば10分もかからないけど、わざと遠回りをして、スーパーについたのは学校を出てから20分ぐらいが経ってからだった。
渡されたメモ通り買い物をして、招集所をもらう。けど、俺を担当した人が新人だったのか、領収書に手間取って、結構時間かかった。
さすがに時間がかかりすぎたため、帰りはまっすぐ帰る。
校門を通る時は、いつも以上にゆっくり走り抜ける。
駐輪場にバイクを停めて、箱から買ってきたものを取り出しながら、ヘルメットをしまっていると、視線を感じて振り向くが、だれもいない。
いや、人はいっぱいいる。
だけどこっちを見ている人は見当たらない。
まぁ俺の事を見る人なんて1人しかいない。
いや、俺を見る可能性が人は何人かいるけど。
とりあえず職員室に行って、神田先生を呼び出す。
「西住さんおかえり。ごめんなさいねお使いなんてさせちゃって。」
「問題ないです。それより、自分はクラス展示とかでなくていいんですか?」
「あぁ、西住さんは大丈夫よ。天文部室にいてくれてかまわないわ。」
何か隠してそうなんだよな~。
もしかして、樫田の事、神田先生も知ってるのか?
まぁいいや。
職員室を出て、天文部室に向かおうとすると、後ろから声を掛けられる。
「西住ちゃ~ん。」
そのまま後ろから抱き着かれるが、声から斉藤だとわかる。
「どうした?斉藤。何かあったの?」
「一緒に部室行こうと思って!」
これは待ってたな。
仕方ない。部室に戻ろう。
本当はちょっと歩いて回りたいけど、ここは素直に部室に行こう。
斉藤と一緒に歩いていると、また腰回りの違和感が気になり、手で少し下着を上げる。
「ん?西住ちゃんどうしたの?」
「いや、なんか最近違和感があってさ。パンツが緩いのかな。」
「え?西住ちゃん、まだちっちゃくなるの?」
「誰がちっちゃいって?」
「いやなんでもないデス。」
こいつ、バカにしてるな…?
確かに俺はちっちゃいけど、さすがにこれよりちっちゃくは…。
あれ?俺これ以上ちっちゃくなるの?
少し眉間にしわが寄っていると、斉藤が話しかけてくる。
「西住ちゃんやせたんじゃない?」
……やせた?
そんなことあるの?
「…女子ってそんな簡単に痩せちゃうもんなの?」
「いや痩せないよ。」
妙に力がこもってる。
確かに女子はみんなダイエットとか気にしてるもんな。
「私何てどれだけ苦労しても1キロ減るか減らないかなのに……。」
あ、スウィーツとかの誘惑に負けちゃうんだね。
俺も何か最近はお菓子とかがおいしくて仕方ない。
男子の時から結構甘党だったけど、最近は異様に甘党な気がする。そう言えば昔女性が甘いものを好むのは女性ホルモンの影響とか聞いたことがある気がする。
でも結構甘いもの食べてるけど太らないぞ?
と言うか、パンツが緩くなるんなら痩せてんじゃね?
「え?俺パンツ買い替えた方がいいかな。」
「うーん。どうしても気になるんなら買い替えてもいいかもね。そんなにずり落ちちゃう?」
「気になりはするけど、どうなんだろう。」
「ならいっそ買いに行っちゃえば?」
「そうしようかなぁ。」
めんどくさいな。
先週の長距離輸送の後、1週間毎日呼ばれ、今週は別のライダーが当たるから、バイトは今週1週間休みをもらった。
だから別に時間が無いわけじゃないけど、改めて女子用の下着を買いに行くのもなぁ。
「あ。」
そう言えば、生理で失敗してパンツ3枚捨てたんだった。最近パンツが足りるか心配になって来たのを思い出す。
「西住ちゃんどうしたの?」
「いや、色々あってパンツ何枚か捨てたから、どちらにしろ買いに行かなきゃな~って。」
「そうなんだ。」
斉藤は何か言いたそうだな。
何かあるのかな。
「…ねぇ西住ちゃん、私も行っていい?」
「え!?下着買いに行くだけだよ?」
「うん。私ね、前から妹が欲しいと思ってたの。西住ちゃんを見てるとね、妹みたいな感じでかわいいなって。だから…。」
「なるほど、いいよ。一緒に行こう。」
「ほんと!?」
斉藤は凄い勢いで喜ぶと、俺を抱きしめてくる。
うん。今までロリっ子だと思ってた斉藤も、案外胸はあるんだな。
と言うか、俺よりあるだろ。
「じゃぁどうしようかな。バイクで行く気だったんだけど、歩きで行こうかな。」
「荷けつしていけばいいんじゃな?」
「俺のカブ後ろに箱ついてんだよ。……仕方ない。」
スマホを取り出し、おじさんにバイクを貸してほしいってLINEをする。
すると、おじさんからすぐにOK返事が返ってくる。
「どうしたの?」
「いや、おじさんからバイク借りられた。俺のカブと交換してくるよ。」
「おっけ~。あ、西住ちゃん、ヘルメット貸してよ。私持ってないし。」
「了解。」
職員室に行って、神田先生に外出の許可を取る。お使いに行ったこともあってすんなり許可をくれる。
そのまま駐輪場に向かい、バイクに跨って学校を出ると、そのままおじさんの家に向かう。
やっぱり今日もおじさんはいない。
いつも通りシャッターを開けて、中からバイクを押して出てくると、自分のバイクを中にしまってシャッターを閉める。
「…斉藤のヘルメットは、俺が前に使ってたやつでいいか。」
バイクに跨り、ヘルメットを回収するために俺の家に向かって走り出した。
日の光はまだまぁまぁ高い。
どうも!
最近宇崎ちゃんにハマってる大学生、雪村鶴音です!
宇崎ちゃんかわいいけど、自分は彼女がクラスに居たら好きになってるか分かりません。おそらく自分がおっぱい星人では無いからだと思います。
ロリコンさんとおっぱい星人は共存できないんですかね。
ですが、自分は明後日教習所で終了検定と仮免試験があるので、遊べそうにありません。
そう言えば、大学健康診断にキャンパスに呼ばれてるんですけど、この時期に電車とかバスとか乗りたくないんですよね~。
でも自分原付の免許しか持ってないから何気困ってます。
自分の家から大学まで片道30キロ以上あるんで、原付で行くのは気が引けます。
まぁ今乗ってるカブを買ったときはアキバから30キロ乗って来たんですけどね。それに友達引っ張って三崎口まで行きましたけど、その時が片道40キロぐらいだったんで、経験としてはあるんですけど。行くまでの道で幹線道路があるので、みんなすげぇ飛ばしてくるんですよね。
まぁどうにか考えていきたいと思います。
さて!次回は斉藤ちゃんとお買い物デート(?)です!
斉藤ちゃんと涼ちゃんのツーリングデートお楽しみに!
そろそろ萌えるエピソードも入れた方がいいと思うので、そう言う話もしていきたいと思います(次回ではないです)。
ではでは~。
―追記―
2020/9/2 19:12
新章本日中の更新を目指して鋭利執筆中です!
しばし待たれよ!
―追記―
2020/9/3 0:48
爆睡してました!
急いで書きます!




