番外編 マナとファイナルバレット
「まなか、まなか起きなさい。」
「う〜ん、あと五分……」
「遅刻するわよ〜。」
「ふぁ〜い。」
私はまなか、十六歳、神崎高校に通う、普通の高校生だ。
この高校を選んだのは……制服が可愛いから。あと高校が近いから。
特に夢はない。
「あ、まなかおはよう。」
「おはよう、梨花。」
「ねぇ、まなか、学校生活には慣れた?」
「うーん、まあまあかしら。」
私の席は、窓際の後ろから二番目、よくある席だ。
「暇ねぇ。」
「暇なら彼氏でも作れば?まなか、可愛いからいけるでしょ。どういう人がタイプ?」
「年上で、クールで、地味に優しい人ね。」
「理想高いな。」
「そんな人じゃないと、私につり合わないのよ。」
*
「よく食べるねぇまなか。」
「梨花も、食べないと、胸大きくならないわよ。」
「うっうるさい!たくっ、あんたのは腹立つ程大きいんだから!」
「まあ、私にかかればこんなもんよ。」
「くそっ、太れ、太れ、どんどん太れ。」
「何よその呪文、やめなさいよ!」
こんな感じでほんわかに、学校生活を送っています。
そして私はある日、ファイバレに出会いました。
「なにこれ? ファイナルバレット? かなり、話題になってるみたいね。」
ペットの可愛い系動画よりも、サバゲー系動画などに、興味を示していた私は、そのゲームに興味を惹かれました。
そして……
「ついに、届いたわね!ファイナルバレット!」
机の上に置いてある、ヘッドフォン型のギアを手に取る。
ファイナルバレットのディスクを、専用の機械に入れる。この機械と、ギアは、無線で繋がっている。
そして私はベットに横たわり、VRの世界に入る。
こんにちは、まなか。今日はどのような要件で?
ええ、コットン。今日は、ファイナルバレットをやるの。
ファイナルバレットですね。では、こちらにお乗りください。
心臓が高鳴っている。ついに私は、あの世界へ行けるのだ!
「わぁすっごい! 銃だ! 銃がいっぱい並んでる!」
そこには出店が立ち並び、銃も山ほど並んでいる。
私にとっては、これほど心躍る光景は無いだろう。
そして私は、チュートリアルを終わらせ、お金を稼いだ。
「……どの武器を買えばいいのかしら……そうだ! サイトを見てみよう。」
「ん〜あんまり、傷つきたくないから、遠距離が良いかしら?狙撃銃で、安くて、評価が高いのは……これね。ドラグノフ狙撃銃。それと、他の武器も見てみようかしら…………なっ、なにこれ、評価が尋常じゃないほど低いわ。このゲーム最大のゴミ武器、これは使えん、ネタだなこれ。ですって。」
面白い武器もあったもんね。とりあえず、ドラグノフを買って……! あっ、あいつの持っている武器はもしや、ゴミ武器!! ふっふっふ、試し撃ちついでに、所持金をむしり取ってやろうかしらね。