表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/9

オープンワールド

「ふっふっふっ……これは、私の勝ちは決まったようなもんね!」


「おや?マナさんは、自信がおありのようで。」


「準備はいい?」


「ええ、いいですよ。」


「くらいなさい!! フルハウスよ!!」


「おや?これはこれは、フォーカードです。」


「へ? ……なんなのよ! なんでそんなに、強いのよ!! もう、何をすれば勝てるのよ?!ビリヤード、ダーツ、ポーカー、色んなことをしたけど、全部負けだわ!」


僕達は寂れたバーに来ていた。お酒も出るが、年齢制限がある。ちなみにマナは注文出来ない。注文しようとすると、目の前に警告文がでてくる。つまりは未成年だ。

 このゲームには様々なスポンサーがついており、服もブランド物があったり、お酒も銘柄がたくさんあり、賑わっている。


「いやはや、時間だけは、持て余していましたから、様々なことを、試していたため。」


「? 三郎って、無職なの?」


「まあ……そのようなものです。」


「ふーん。」


「じゃあ…次は……早食いで勝負よ!!」


「!!」


 *


僕達はラーメン屋に来た。


「お待ちどう!」


「どちらが早く、このお店特製の、特盛しょうゆラーメン戦艦級を完食できるか、勝負よ!負けた方が、ラーメン奢りよ!」


「僕、早食いは、得意じゃ……」


「よーい、スタート!」


「な?!」


 肉厚でジューシーなチャーシューと、艶やかな麺、半熟の味玉、歯ごたえ抜群のメンマ、その上に山盛りに盛られていた、もやしを僕はかじっていた。

これ以外は、食べるのを想像するだけで胃もたれと、胸焼けを起こしそうだ。

戦艦級のラーメンは、ちゃくちゃくと、僕の胃という本拠地を攻撃していた。


「はぁ〜美味しかった〜。」


「?!」


彼女は僕がもやしを攻撃している間に、この戦艦級のラーメンを落としたというのか!まるで戦術兵器のようだ。


「やった!!!やっと三郎に勝ったぁ!!」


「むぅ〜……」


これでは、孫に顔向け出来ん。


「なによ三郎!もやしを前歯でかじってるだけで終わり?男のクセにヘタレね!」


妻にも顔向け出来ん。


「マナさん……僕のも…食べていいですよ……」


「本当?!やっ……しょ、しょうがないわね、下僕の尻拭いは、しないといけないわね。」


「あわわわ……」


戦艦級のラーメンをあんなに軽々と……

やっぱり凄い人達なんだ!



 三郎とマナが勝負した時、一人の女の子が観戦していた。ルールの設定時に、オープンバトルか、クローズバトルか選択ができ、マナはその時に……


ふっふっふ、こいつの、痴態を世界に知らしめてやるわ!


ということでオープンバトルにしていた。結局、一人しか観戦はこなかったが……


それがこの子


観戦では、その人の一人称視点で見られるため、迫力が凄く、人気だ。ちなみに観戦は、シアタールームという、ベースキャンプにある専用の施設ですることができる。

そこは、ネカフェのように区切られていて、中に入り、パネルで、操作することにより、観戦ができる。


「わぁ! すっごい! 早い! ビューンって、でシュッて避けて……撃たれたと思わせてガバッとして、カッコイイ…僕もこうなってみたいなぁ。」


「WINNER、Saburo0406」


さぶろう……さん、か……


「三郎さん、あの人の強さの秘訣を知りたい!」


 *


 僕とマナは、オープンワールドで、モンスターを狩ることになった。オープンワールドでは、荒野や森、熱帯雨林、雪山、などなど、様々なフィールドがあり、場所によって難易度やモンスターの種類も違う。


 今回は、荒野に来ていた。荒野では、プレイヤーが多くいる。そのためプレイヤーキル(PK)多発地帯だ。オープンワールドではアイテムドロップが有効なためだ。

ひび割れた地面。

やせ細り、葉も生やさなくなった木。

半壊した家。

そして、西部劇でよく見る、転がるあれ。

 オープンワールドには、街もあり、荒野の首都、【リフト】は、いかにも西部劇っぽい木製の、建物が多く並んでいる。

ここでしか買えないアイテムも、少しはあるが、やはりほとんどは、ベースキャンプで買える。

だが、食べ物や娯楽などは違う。

 【リフト】では、賭け事が主軸だ。スロットはもちろん、ポーカーにブラックジャック、ルーレット、的当てゲームだってある。

賭け事には、現ヘリルも賭けることができ、一攫千金だって夢じゃない。

ちなみに【リフト】の人気メニューはタコスだ。


まあ、僕達は【リフト】には用はない。

今はモンスターだ。モンスターからは、お金がドロップするため、お金稼ぎには有効だ。

 荒野にはナメクジのようなモンスターや、アリジゴクのようなヤツもいる。

たまにレイドボスの巨大ミミズもでてくる。

そんな荒野で僕達は、お金稼ぎに勤しんでいた。


カチャッカッ


ダンッ


「これで終わりか……」


「まあ、私にかかればこんなもんね……!!女の子が襲われてるわ!」


「どこですか!?」


「あそこ!」


「マナさんは、彼女を守って援護射撃を。僕は彼女の加勢に行きます。ハンドシグナルは覚えていますね?」


「もちろんよ!」


襲われている女の子は、水色の髪で、ショートカット、弱気な目をしていて、その目は水面のように綺麗な、水色だ。

たぶん、僕達を尾行していた女の子では無いだろうか。とにかく助けなければ。


「おら、金と装備を出したら倒さないでやるよ。」


「あんまり、手荒なマネはしたくねぇんだよ嬢ちゃん。」


敵は四人、二人サブマシンガン、二人アサルトライフルだ。


「いける!」


「おい!誰か走ってきてるぞ!」


「仲間か……撃て!」


ダダダダダダッ!


 僕を狙い、銃弾が飛び交う。

二十五メートル。

避ける。避ける。避ける。

十五メートル。

「くそっ!なんで当たらねぇんだ!」

十メートル。

敵がリロードをする。

五メートル。

背中のウィンチェスターを抜く。

ゼロメートル。


ダンッ!ダンッ!


サブマシンガン二人。


二本のウィンチェスターを再装填をかね空中に投げる。




一人に回し蹴りを食らわす。


腰のウィンチェスターを抜く。


横たわった敵を。


ダンッ!


カシャッカッ


もう一人へ向け構える。

「おいっ!!こいつがどうなってもいいのか!?」


敵が水色髪の女の子を人質にとった。

僕は、手に持っているウィンチェスターをホルスターにしまい、すかさず、宙を舞っているウィンチェスターを、受け止め、背中のホルスターにしまった。


「そうだ、武器をしまえ。動くなよ。」


 僕はマナに向けハンドシグナルをする。


「仲間はお前だけだな?」


ダァンッ!


マナの銃弾は男の頭部に直撃、ヘッドショットだ。


「大丈夫かい?お嬢さん。」


「あの……えっと……」


「どうしたんだい?」


「そのぉ〜………弟子に……」


「はい?」


「弟子にしてください!!」


















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ