エレベーター
「よし、これで大半の設定は、終わったな。」
「お疲れ様でした。あとは、アカウントキャラクターの、キャラメイクだけです。」
「たしか、一人キャラクターを作って、そのキャラクターが、全てのゲームに併用されるんですよね?」
「はい、一つのアカウントにつき、一人、そして、このアイアンメイデンは、アカウントを、五つまで作れます。三郎様の現在の姿を、そのまま登録することもできますし、お若い頃の姿を、私が復元することも、可能です。」
「そんなこともできるんですか?!少し、拝見してもよろしいでしょうか。」
「わかりました。二十代頃で、どうでしょうか。」
僕を囲むように、円形状に光が広がる。
「うわっ! ……」
「できました、どうぞご確認下さい。」
「ほっ……本当だ! すごい! 若返ったみたいだ!」
「アイアンメイデンでは、九十九パーセントまでの、復元が可能です。それと、三郎さま、お気づきかもしれませんが、この世界では、膝や、腰を痛めないため、どれだけ動き回っても、安全でございます。」
そういえばそうだった。確かに、この世界に入ってから、足腰が、痛くない。確認のため、試しに、飛び跳ねてみる。
「すっすごい! こんなに飛び跳ねたのは久しぶりです!」
「ふふっ…喜んでいただけて幸いです。」
結局、僕は復元した、二十代頃の姿を、アカウントキャラクターにした。
*
「ついに、この日がきたか、こんなに緊張するのは、いつぶりだろうか………敵軍司令部への降下作戦以来か……」
「ケイト。」
「音声認識……完了、半コールドスリープ……完了。おかえりなさいませ、三郎さま。ファイナルバレットをなされるのですね。」
「ええ、今日、届きましてね。」
「そうでしたか、では、このエレベーターにお乗り下さい。」
僕の目の前には、いつのまにか黄金のエレベーターが、あらわれていた。
本来、今何階にエレベーターがあるのかを示す場所には、ファイナルバレットと、そう書かれていた。
「お気をつけて、いってらっしゃいませ。」
「いってきます。」
そう言うと僕は、エレベーターに乗った。ボタンは二つのみ、上と、下だ。
僕は下を押した。
そうすると、エレベーターの扉が、締まり始めた。
隙間から、ケイトが、手を振っているのが見えたので、こちらも、振り返した。
「がんばれ、三郎さま……」
少しすると、話し声が、近づいてくるのを、感じた。
そして、エレベーターの扉が開き始め、僕は驚愕した。
外には軍事基地が広がっていたのだ。
道はコンクリートでできており、他は、芝生でできている。軍事倉庫がたくさんあり、それらはレンガの壁と、青い屋根でできていた。その他にも、出店などもあり、そこでは、武器や弾薬を売っていた。
僕は、ついに来たのだ。
ファイナルバレットの世界に!
、