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ダンジョン経営で冒険者用に寝床を設置したら別目的で使用する奴が後を絶たねぇ!

作者: リョウ

 最近魔王からダンジョン経営を任されるようになったのだがちょっと悩みがある。

 初心者が取っつきやすいようにと、ダンジョンの入口付近に簡易の寝床がある小部屋を作ったのだが使用状況がひじょーに悪い。


 金が無いからってずっと居座ろうとする奴はいるし、あれは追い出すの大変だった……。

 焚火の燃えカスは処分しないわ、食いかけの生ごみやら、壊れた武具や要らない物の粗大ごみ放置。

 最近の初心者はマナーと言う物を知らんのか……。

 しかしそんなのはまだマシな方で、夜の営みに使う奴まで現れる始末……。


 お前ら宿屋行く金無いからって、こんなところでちちくりあってるんじゃねぇ!

 それに影響されたのかモンスター共の様子もおかしくなってしまった。

 年中発情期みたいな人間の気に当てられたらおかしくなるのも無理は無い。


 だからって入口に配置したモン娘達! 相手が好みだからって節操無しに寝床に誘い込むな! ベッドの上じゃ激戦だったってふざけんな真面目に戦え!

 低レベルの淫魔共! 変な看板作って客商売始めんな! ここそういうところじゃねーから!

 使い方は合ってるけどお! 何でわざわざ倒した女騎士ベッドで介抱してるんだこの紳士オーク共は! 女騎士もトゥンク! じゃねーよ! チョロ過ぎんだろ!


 この由々しき事態に悩んだ挙句、寝床の設置場所を奥の方にして中級者向けに改装しようとしたのだが。

 今度は秘密裏に人間と異種族が気軽に出会える人気スポットになってしまった。


「どうなってんだこれ……」

「ダンジョンにベッドを設置したら、そりゃ他のみんなも使いたがるわよ。それにまだまだ人間とモンスターの溝が深い中、合法的に異種族同士が出会えるのはダンジョンしか無いんだから」

「はぁ何考えてんだこいつら……」

「魔族である私に惚れた癖にな~に言ってんの。このままあんたのアイディアで人間と魔族の平和を目指しちゃえば?」

「魔王のお前と一緒になるために決めた俺の覚悟は一体……」


 後にこのダンジョンで勇者に匹敵する突然変異的な強さを持ったモンスターが数多く誕生したと言われる。

 その桁外れな強さとは裏腹に人間に非常に友好的で、人と魔族のため死力を尽くしていき、今の人間と魔族の平和な世界を築き上げていったという。

 外見は何処か人間に似た特徴を持っていたとか居なかったとか。


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