八十三日目のステータス
今日は83日目です。
本日の天候は晴天。
体力もすっかり戻ったアイシアはさっそくギルドへと向かった。変わらない様子の街の屋台で適当に朝食を見繕ってギルドへたどり着いた頃には十分に腹も膨れた様子だ。
「あっ!!アイシアさん!!」
ギルドの扉をくぐると驚いたのか嬉しいのか、この場合は両方だろう表情で周りの冒険者を放置してこちらへ駆け出してきた。職務放棄はいかんぞ、受付嬢さん。
「どうしたんですか?」
「緊急のっ、緊急で受けて貰いたい依頼があるんです!!」
グイグイとこちらに迫り、相当な剣幕で言い寄ってくる。アイシアもつい引いてしまっている。
けれど、そんな様子もお構い無しと受付嬢はアイシアの手を引っ張って
「お話の続きは中でお願いします。」
とギルドの奥へ引っ張っていってしまう。なんとも強引だが、彼女にとってはこの時を逃してはダメな事情なのだろう。
応接室へ連行されると、早速に説明が始まった。
なんでもこの街を収める貴族の属する派閥の長である大貴族の娘が学園の卒業試験を受けるという。その内容は魔の森に入り実績を持ち帰るというもの。この実績とは魔物や貴重な鉱石などだ。この実績で卒業を評価される。なお、卒業試験には1名の若手冒険者と1名の世話役の同行が許されている。
本来なら、この世話役が戦闘も兼ねる。若手冒険者は原石を見つける才能を見るためという建前で用意されているが碌な冒険者が居ないので普段は同行しない。
けれど、お嬢様は世話役に昔から一緒の専属メイドを指名している。彼女はお嬢様が小さい頃に山賊から彼女を守り膝に矢を受けてしまった。歩くことは可能だが、戦闘能力には期待出来ないそうだ。
そこで、若手冒険者で実力十分で女性のアイシアに白羽の矢が立ったのだ。
「貴族がらみの依頼は受けたくないと思う。けれど、今回は無理を言ってもらうので支払いも別格だし、ギルドとしてもB級下位からB級への昇格、またB級上位への挑戦資格を与えようと思う。」
「……そこまで言うなら分かりました。それでいつなんですか?」
渋々といった感じだがアイシアはこの依頼を受けるようだ。
「……明日だ。」
「は?」
「すまない。既に王都から出発しており、この街を経由して魔の森に向かう。明日、この街に到着する予定だ。本来なら王都で君に依頼したかったのだが、帰る前に王都のギルドに寄らなかったのだろう?」
俺の筋トレ中毒のせいか。それは申し訳ない。けど、本当にギリギリだったんだな。それは受付嬢の喜びようも分かる。
こうして、俺たちは貴族令嬢との卒業試験といういかにも面倒な依頼を受けた。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:杖、魔族【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉の限界を超えし者、
名工に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:600/600
筋力:300
知力:2
視力:2
聴力:2
運気:10
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恩恵:【ステータス】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<大>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<大>】、
【並行射撃<1>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋力三倍】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:16
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状態:健康、精霊との友好
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体力:10/10
魔力:150+600/150
筋力:6
知力:50
視力:10
聴力:50
運気:50
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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】
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技能:【火<大>】、【水<特>】、
【風<小>】、【土<小>】、
【精霊視】、【魔力消費減<大>】
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お読み頂きありがとうございました。




