六十三日目のステータス
今日は一日分です。
本日の天候は晴天。
今日は昨日の埋め合わせもすると言っていたのでアイシアは意気揚々とギルドに向かった。ギルドには既にヴァルキュリアの皆が居たので彼女達も楽しみにしてくれていたのかと思えば、なにやら顔が暗い。
どうしたものかと考えているとリーダーが数度深く呼吸をした後、こちらを見つめ直した。
「アイシア、貴方の実力にヴァルキュリアは付いていけないわ。貴方は別のパーティを探した方が良いんじゃないかしら?」
アイシアは天国から地獄へ落ちたような表情をしていた。
「どうして……もしかして、あのレオンとかいう男になんか言われた?あんな奴の言うことなんて気にしなくて良いよ!」
アイシアの声は震えていた。怒りか悲しみか、それは俺には分からないがアイシアがヴァルキュリアを大切にしていたことは分かる。
ヴァルキュリアのリーダーもその言葉を悲痛な顔で受け止めている様子からアイシアのことを嫌いになったわけではないのだろう。
「確かに彼にも言われたわ。けど、これは前から思っていたことなの。私達が貴方の足枷になってはいけないと、そう思うのよ。」
「なんで……なんでよ!そんなの分かんないよ!」
「あっ、待って!待ってアイシア!!」
そう言ってアイシアはギルドを飛び出した。揺れる視界ではっきりとは見えなかったがリーダーの顔はとても悲しそうな顔をしていたように思う。
俺が悪いのだろうか。
俺がアイシアから離れればまた仲良く出来るだろうか。いや、今離れればアイシアはそれこそ一人になってしまう。それはダメだ。
まずはちゃんと話をさせないとダメだ。リーダーはアイシアの事が嫌いになったわけじゃないはずだ。むしろ、好きだからこそ彼女を尊重しようとしてこんな空回りな結果になってしまっているのだ。なら、話し合えばきっとまだなんとかなるはずだ。
行くあてもなくてトボトボと宿に帰っていたアイシアは走り回って汗をかいていたリーダーに出会った。
リーダーを見つけたアイシアは咄嗟に逃げ出そうとするが、俺は【念力】でアイシアの動きを阻害する。
「んっ!!ボンちゃん!!」
アイシアが俺に抗議するがやめない。そうこうしているとこちらに駆け寄ってきたリーダーがアイシアに抱き着いた。もうやめても問題ないだろう。
「アイシア、聞いて。」
「嫌!!」
「聞いてアイシア、私は貴方の事を妹のように愛しているわ。ずっと手元に置いて可愛がっていたいくらいよ。」
「それで良いのに……」
「それでも幸せになれるかもしれないわ。でも、貴方には、いえ、貴方達には可能性があるの。その可能性を私が摘みたくないのよ。妹の活躍を勝手に楽しみにしているダメなお姉ちゃんを許して。」
「ずるい。そういう言い方はずるいよ。」
「ごめんね。」
「うぅ……良いよ。許してあげる。でも、これからも私達はずっと仲間だよね?」
「そうよ。私は家族だと思っているわ。離れたって喧嘩したって私が貴方を嫌いになる事なんてありえないわ。」
そう言って二人で抱き合って泣いていた。俺も泣いた。涙なんて出ないけれど、泣いたのだ。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:杖、魔族【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:上級杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:440/440
筋力:10
知力:2
視力:2
聴力:2
運気:10
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恩恵:【ステータス】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<中>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<中>】、
【並行射撃<1>】、【対魔】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:16
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状態:健康
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体力:10/10
魔力:48+440/48
筋力:6
知力:20
視力:3
聴力:20
運気:50
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恩恵:【魔法技能】
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技能:【火<中>】、【水<中>】、
【魔力消費減<大>】、
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お読み頂きありがとうございました。




