二百三十一日目のステータス
今日は231日目です。
ダンジョン内である。今日の天候は不明だ。
敵国の第四のS級冒険者、魔物使いの冒険者の影響はちらほら感じるがその実力は読み解けない。拳で語る脳筋タイプだとやりやすかったのだが、そうはいかないらしい。
魔物と遭遇する頻度は不自然に少なく、ダンジョンにあらかじめ設置されている罠の周囲でしか見かけなかった。賢い魔物だったならばまだマシだが、ここまで統率されていると魔物使いの支配下だろう。
そんな魔物たちに苦戦させられた為、5階層で今日の探索は終了した。その後、レオン、アリアを招いてアイシアはアイシアのダンジョンを形成し野営の準備を始めた。
野営を始めてから数時間後、アイシアたちはぐっすり眠っていた。ダンジョン内に新設されたダンジョンはアイシアの権限が上位にあり、国境ダンジョンの影響を受け付けないので安心して眠れるのだろう。
そっと、アイシアの元を離れて俺は国境ダンジョンを【形態変化】で蔦のように身体を伸ばして探索した。元より目で見ていたわけではないのだ。今回この可能性に気付いたので使ってみたのだ。
負担は少なかった。最近はしていないが【念力】の繊細な制御をしていた頃の経験が生きているのだろう。複数のモニターを監視する一人の主人格のような意識で全体を俯瞰している。
魔物、魔物、魔物、探索を続けても魔物ばかりであり、とてもダンジョン内らしい光景である。身体を限界の八割ほど伸ばした時、一人の女性を見つけた。
【あれが四人目か……】
俺は誰に聞かせるでもなく呟いた。絹のような赤い長髪、出るとこは出て引っ込むところは引っ込んだ性別問わず目を引きそうな体型、身体に張り付くようなぴったりとした衣装に天衣のような半透明の服をまとっていた。
【……どうせ触るならもっとソフトに触りたかったもんだ。】
俺は全力の【念力】で美女を握り潰した。
いや、握り潰そうとした。
【念力】が美女を握り潰そうと力を込めると墨のように身体が真っ黒な水に変わって地面に溢れた。真っ黒な水溜りから大量のコウモリが飛んだ。
無数のコウモリが飛び去った後、水溜りはなくなっていた。
逃げられたのか。
俺は諦めてアイシアの元へと戻った。
俺はステータスを確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:神聖杖、上位三等魔神【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属、
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体力:0/0
魔力:68000/68000
筋力:100,000
知力:520
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋肉魔神】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】、
【調和】、【念力の衣】、
【神聖樹の癒し】、【憤怒解放】、
【強欲解放】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:17
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状態:健康、精霊との友好、
継承者
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体力:380/380
魔力:7800+68000/7800
筋力:6
知力:100
視力:10
聴力:50
運気:100
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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】、
【神器継承】
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技能:【火<極>】、【水<極>】、
【風<特>】、【土<大>】、
【精霊視】、【魔力消費減<極>】、
【精霊同調】、【混乱耐性<小>】、
【威力増幅<極>】、【魔力自然回復<極>】、
【神器解放】、【純魔力】
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