百四十日目のステータス
今日は140日目です!
今日の天候は晴天。
【やることもなくなって暇だなぁ。アイシア、何かしたいことある?】
「久々にヴァルキュリアの皆に会いたいわ!」
やる事が一通り終わって次に何するか思い付かずアイシアに聞いてみたのだが、思いの外元気の良い回答が返ってきた。名前すらろくに覚えていないので俺は忘れていたがアイシアにとってはずっと過ごしてきた仲間だから当然か。
【なら、そうしよう。彼女たちの居場所を覚えていないから案内は任せた。】
「任されました!それじゃあすぐ行くよ!」
アイシアに連れられた建物の前には沢山の男がたむろしていた。何事だろうか。
アイシアは焦るように男たちをかき分けて中へと入ろうとする。
「おいおい、嬢ちゃん?今立て込んでるから後にしてくれや。」
「だから焦って中に入ろうとしてるだってば!何か知らないけどあの子たちに変なことしてたら絶対許さないから!」
アイシアの一言で男たちは声をあげて笑い出した。駄々をこねる子供を見るような、冒険者になると豪語する子供を見るような、そんなからかい交じりの眼でアイシアを見た。
「この人数をお嬢ちゃん一人で何とかなるとでも思ってるのかな?それに、俺らの言い分も聞いてもらわないとな。」
「ア、アイシア?」
男と話し合いをしているとヴァルキュリアの面々と思える女性たちが建物から男に手首を縛られて出てきていた。
「ヴァルキュリアの皆を離しなさい!!」
「アイシア!駄目よ!こいつらはA級冒険者チームなの!アイシアでもどうしようもないわ!」
「ははっ、そういうこった。それにな、俺らの言い分を聞けと言ったろ?そこの嬢ちゃんたちの仲間さんがよ、俺らのギルドで俺らに『友達を返せ!』だなんて嘘をついて俺たちを脅そうって言うんだぜ?そりゃあまあ、丁重にお迎えするしかねえよな?それでよ、そいつがヴァルキュリアの一員だって言うからこりゃチームまとめてお迎えしてやるのが優しさだってそう思うよな?」
ああ、どうしようもないクズだ。
こういうクズが実力だけはあるなんてどうしようもないな。この世界で実力はそれだけで正義になりうる。
アイシアが俺を強く握るのが分かる。無関係の俺だってムカつくんだ。アイシアが怒らないわけないだろう。
「どうしようもないクズね!」
「ありゃりゃ、お嬢ちゃんもそう言うのかい?見たところ良い装備を揃えてるからあんまり争いたく無いんだが、それでも倒せて一人か二人が精々だろう。それくらいでこっちが止まるとでも思うか?」
「そういう話をしてるんじゃないわ!私はあなたたちを許さない、これはあなたたちと私の決闘よ!賭けは私の全てとあなたたちの命、私があなたたちを全員殺せば私の勝ちで私が負ければ何でも好きにすれば良いわ!」
アイシアがヒートアップしていく。家族を虐げられようとしていてはこの世界ではそれも仕方ないのかもしれない。
男たちはアイシアの威勢に驚くが、あまりに無理な話だと思っているのか笑いながらのってきた。
「良いぜ、お前が俺ら全員を殺すなんて不可能に決まってるからのってやるよ!その代わり、お前には本当に何でも好きにやらせてもらうがな!」
「アイシア!やめて!こいつらが飽きれば私たちはきっと解放されるわ!」
「そんなこと言われたらやめれるわけないじゃない。ボンちゃん!!」
【おう!とりあえず潰れてろ!!】
男たちを筋力値10万の【念力】でプレスする。A級冒険者だけあって勘がいいのか数人は回避したが、ほとんどの男はこれで血溜まりへと変わった。
「ははっ、ひはははははっ、おっかしいなぁ。なんでこんな化け物がこんなとこにいるんだよ。」
一瞬でアイシアの背後を取った男が笑いながらアイシアに斬りかかってきた。アイシアは水属性魔法の高圧の水で剣を押し返しながら前方へ退避した。
退避した先でまた別の男がアイシアへ暗器の類を投げ付けたがそれもアイシアが水属性魔法で弾いた。俺は今度は【技能貯蔵】で用意していた全方位展開した【念力】を圧縮し、アイシアに攻撃してきた二人の男を圧殺した。
アイシアが別の男へ向かった時、道の奥から一人の男が歩いてきた。
「何してやがる?」
強い。俺は否が応でも実感させられた。佇まいからだけでも強さの分かる相手などあの北部戦線の英雄級やS級冒険者くらいのものだ。
おそらくあいつがA級冒険者チームのリーダーなのだろう。
「こいつらが私の家族を手篭めにしようとしたから決闘をしただけ。邪魔するならあなたも倒す。」
「ああ、そうか。またこいつらやらかしたのか。やっぱダメだな。山賊でも再利用可能かと思ったが、使い勝手が悪いみたいだ。なぁ、お嬢ちゃん?こいつらが手篭めにしようとしてたやつを解放するからここは引いちゃくれねえか?」
アイシアは答えに困っているようだった。
「分かった、分かった。それなら仕切り直さねえか?明日俺たちのホームで戦おうぜ。それで白黒はっきりつけよう。」
「私がここで引くメリットは?」
「今、俺はお前の家族を2人は確実に殺せる用意をしている。そんな未来を見たくないなら引け。」
「……分かった。あなたたちのホームまでヴァルキュリアの子を今から回収に行く。それで明日またあなたたちのホームに行く。」
男はめんどくさがりながらもそれで了承した。そして、ヴァルキュリアの面々を解放して、アイシアは男たちについていった。
男たちのホームはこの街の冒険者ギルドよりも大きかった。ヴァルキュリアのメンバーとその友人を回収してヴァルキュリアの元へと戻った。ヴァルキュリアの面々に心配されたが、アイシアは私は英雄や魔物の王に勝ったこともあるからと、彼女たちを安心させる為に少し誇張を交えながら大丈夫だと笑って別れた。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、低位魔神【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属、
混乱【大】、
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体力:0/0
魔力:5500/6000
筋力:100,000
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋肉魔神】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】、
【調和】、【状態異常固定】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:17
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状態:健康、精霊との友好
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体力:10/10
魔力:190+5500/190
筋力:6
知力:50
視力:10
聴力:50
運気:50
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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】
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技能:【火<大>】、【水<特>】、
【風<中>】、【土<小>】、
【精霊視】、【魔力消費減<特>】、
【精霊同調】
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お読み頂きありがとうございました。
何故か殺伐としました。