百二十一日目のステータス
今日は121日目です。
今日の天候は晴天。
車輪が地面を踏みしめる音に旅の日々を思い出すようだ。魔物の呻き声も風のささやきのようだ。一捻りで簡単に死ぬ存在だと思うと脅威に感じることは難しい。けれど、狩らないわけにもいけない。
【リーン、俺を使って魔物を倒してみるか?】
「え?良いんですか?」
リーンは俺じゃなくてアイシアのことを見ながらきいた。
アイシアは、私のことは気にしなくていいからせいぜい使ってやって、と俺を投げ渡した。リーンは大慌てで俺を抱きかかえた。
「あれ?ボンちゃん男だけど抱き抱えても良かったの?」
アイシアが意地悪そうに笑う。珍しい一面だ。
「だ、大丈夫ですよ!もう気にしませんもん!」
リーンは顔をぷいっと背けて怒ったが、まだ気にしているのか抱いていた俺を素早く突き放して片手でブンブンと振り回す。
あー揺れる……
【もう分かったから、魔物退治しよう。】
「あ、ぅぅ、すみません。普通の杖みたいに使えばいいんですか?」
【ああ、待て。魔力流す。】
「あっ、なにっ、これっ」
俺はいつもみたいに【魔力供給】を行った。そのはずなのに、リーンはびくりと身体を震わせて苦しみだした。汗が溢れて、顔が赤くなっていく。
俺は【念力】で無理矢理離れる。はぁはぁと肩で息をしてリーンは辛そうだ。アイシアが濡れた布で顔を拭ってやり、水を差し出した。リーンは苦しそうだがなんとか水を飲んでいた。
「拒絶反応なのだろうか?身体の異常は大丈夫か?」
「大丈夫です、でも、ちょっとこれは私には効き過ぎるみたいで魔法は打てそうにありません。」
「本当に大丈夫なのか?全然大丈夫そうには見えないが……」
未だに肩で息をするリーンを心配するが、アイシアもこれは多分大丈夫だと思うと言葉を濁していた。アイシアが言うならそうなのかと納得することにした。
魔物退治はアイシアにしてもらうことにした。リーンに使えないということはアイシアと離れることはほぼ無くなったと言えるが、一応素の魔力値を上げるに越した事はない。
日没頃に遂に王都へと辿り着いた。ただ、リーンは疲れ切って眠っており、時間も遅くなってきている。今日はもう休もうかと言う話になり以前泊まっていた宿へ泊まる事にした。
俺は【ステータス】を確認した。
ステータス
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名前:ボンちゃん
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種族:ミスリル杖、低位魔神【異邦人】
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性別:男
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年齢:16
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状態:強欲の眷属、筋肉魔神、
精霊鍛治師に鍛えられし杖、憤怒の眷属
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体力:0/0
魔力:3200/3200
筋力:100,000
知力:10
視力:10
聴力:10
運気:10
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恩恵:【ステータス】、【精霊の祝福】
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技能:【不死】、【魔力供給】、
【魔力自然回復<極>】、【念力】、
【怒りの一撃】、【威力増幅<極>】、
【並行射撃<Ⅴ>】、【対魔】、
【硬化】、【念話】、
【筋肉魔神】、【限界突破】、
【気絶耐性<特>】、【欲求変換】、
【疲労無効】、【形態変化】、
【魔力二倍】、【技能貯蔵】
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名前:アイシア・ボーンヘッジ
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種族:人族
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性別:女
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年齢:17
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状態:健康、精霊との友好
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体力:10/10
魔力:174+3200/174
筋力:6
知力:50
視力:10
聴力:50
運気:50
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恩恵:【魔法技能】、【精霊の祝福】
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技能:【火<大>】、【水<特>】、
【風<中>】、【土<小>】、
【精霊視】、【魔力消費減<特>】、
【精霊同調】
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